38歳からの再就職
シエナ誕生秘話 2
『生きる希望』
「合格!合格!合格!」
50問にも及ぶ一問一答の面接に答えきった瞬間、
興奮気味のオーナーに言われた。
今でも鮮明に覚えている言葉です。
当時38歳の私はブランクもあり、
35歳までの求人がほとんどの中、
圧倒的に不利でした。
でも何とか「フェイシャル・ボディ」
の技術を活かしたくて、
「美容院でのプラスアルファ業務のエステシャン募集」
に応募したのです。
夫の「会ってみたいと思わせる履歴書の書き方」
のおかげで、年齢は超えていたけど、
何とかこぎつけた面接でした。
ブランクの理由は、
子供の難病と看取りでした。
子供を亡くした時、
葬儀に全看護師が参列し嘆き悲しむ姿を見て、
喪失の深い悲しみとともに
「小さな子供が、これだけ多くの人に影響を与えたのだ」
という想いが心に残りました。
なので病気の子供が最後まで頑張ったのに、
母親の私が「このまま何もしないではいられない、
私はまだ、何も人々に良い影響を与えていない」
という想いがありました。
もちろん悲しみから一瞬でも遠ざかるために、
「何かしなくてはいられない」
という気持ちもありました。
そんな覚悟を持って臨んだ面接なので、
全身全霊、嘘偽りのない
等身大の自分で相手と向き合えたのです。
そしてつかんだ合格。
その嬉しさは今でも忘れられません。
「これでやっとお客様の顔や身体を施術することができる!」と、
新たな生きる希望が心に灯った
瞬間だったからです。