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足のニオイとのたたかい
出社するようになって2ヶ月がたった。朝少し歩いて交通機関に頼り、最寄り駅から会社のビルへ吸い込まれる。わたわたと業務をこなして、陽が傾き出す頃に、くたくたになりながら家路につく。そんな毎日を繰り返し続けるうちに気づく、ある異変。
玄関は支配されていた。私の靴から発せられる、異臭に。
リモートワークの期間は、長時間靴を履き続けることが少なかった。なので30代後半の、男性の足が、労働によって熟成されるとどうなるのか、知りもしなかったのだった。
いや嘘だった。おぼろげながら、高校生にもなると親にかなり文句言われていた気がする。
娘はもう4歳になる。まだまだ父親に対して嫌悪感を得ることはないだろうが、このニオイの威力だと十分に嫌悪する材料になるのではないだろうか。というか、私自身が、こんなニオイを発している靴をなんともしない人間を好きで居られる自信がないのだった。
そして妻もその異変に気づいていた。
「なんか臭うから、自分の靴かと思ってベランダに出したりしてたんだけど、まだ臭ってて……」
ごめんなさい。
というわけで、対策を講じる。
まずはスタンダードに消臭スプレーを無印で入手した。妻がついでに、消臭に使用する炭を買ってきてくれた。
靴にスプレーをかけ、炭を突っ込む。
「ニオイ消えた!」
と妻にもコメントを貰えたので、一旦満足した。
ーーが。
数日もすると、またあの激臭が玄関を支配しはじめた。近づくと明らかに私の靴のニオイとわかる。一応スプレーして炭も突っ込むが、やはりニオイは残る。
またまた普通の対策をする。中敷きを洗って干し、使ってみるとコレも変化があった。ニオイよさようなら。
でも、今度は私自身の足のニオイが気になるのであった。そりゃそうだ。元から断たないと。靴下からも異臭が発生している。妻にも足のニオイなんとかしてくれと言われるようになった。
この手の言葉、なぜだか強く凹む。老いたことを認識させられるからか。いや、高校生の頃にも悲しかったので関係ないかも。何もしないでも臭わないことが、私自身大切なことだと思い込んでいるのかもしれない。謎すぎるプライドなのであった。
妻が「どうやら足をブラシか何かで、全力で洗うといいらしい」ということを教えてくれた。
たしかに、謎の膜が足の裏に張っている感覚があるし、お風呂後でも足の裏に鼻を近づけるけると、無の顔になる。
今は私しか使わないボディタオルに石鹸をこすりつけ、全力で足の裏を磨いてる。
今後は、以下のコレを使ってみようとおもう。
この長い戦いに終止符を打ちたい。いや、終止符なんかない。家族との穏やかな生活のために、ニオイとの戦いは始まったばかりなのだ。今後も、中敷きを洗い、臭い消しのスプレーをかけ、靴に炭を突っ込み、足をガシガシ洗っていかなければならない。野原ひろしの足になるわけには行かないのであった。