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対話のキャッチボール

 距離感ってどう測ればいいんだろう。

 どの距離から、どの角度でボールを投げれば相手はキャッチできるのだろう。どう手を伸ばせばうまくキャッチできるのだろう。
 キャッチできずに落としても、拾って投げることはできるのか。何回までなら投げられるのか。何回までならキャッチできるのか。
 うまく投げてるつもりでも、あらぬ方向に飛んでいたりする。ピンボールのようにどこかにぶつかりながら、やっと届いたりする。かと思えば明後日の方向に向かっていると思ったボールがキャッチされていたりする。
 思いもよらない変化球、あるいは直球が顔面を強打することもある。拾ってもどう投げ返していいかわからないことがある。もし拾わずにいたら、そのボールはどうなるのだろう。
 うまくキャッチできなかったり、投げられない自分に嫌気が差して、キャッチボール自体が頭痛の種になることもある。

 それでもキャッチボールを試みるのをやめないのは、誰かと繫がりたいからに他ならない。どんなキャッチボールがいいのかは時によって、人によって違うから、混乱することもあるけれど。

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志堂 洵
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