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バルナックライカのファインダー問題
バルナックライカは歴史あるLマウント(スクリューマウント)なので、市場に山ほど流通しているオールドレンズがよりどりみどりです。
私が現在おもに使っているレンズはトップ画像の2本。オールドレンズと呼ぶにはまだ新しい1990年製のJupiter-12 35mm f2.8。ソ連崩壊の直前ですね。
そして1956年製のHektor 13.5cm f4.5。
ピントが難しいし、長くて不格好です。しかし描写はすごい。MマウントのElmar 9㎝ f4もニコンのミラーレスで使っていますが、描写に関してはヘクトールのほうが上です。
バルナックライカとしてはどちらかというと苦手分野の広角と望遠。両極端な組み合わせを狙ったわけではありませんが、エルマー50mmのような定番を避けたい心理は働いたかもしれません。
ただしここで出てくるのがバルナックライカのファインダー問題です。バルナックライカにはファインダーが2つあります。左側はピント合わせ用で、二重像があり、焦点距離は135mm程度の望遠になっています。しかしフレームが丸いので構図用には使えません。
右側は構図決定用。これは50mm専用なので、それ以外の焦点距離を使う場合は外付けファインダーが必要になります。それぞれの焦点距離に応じた単独ファインダーが出ていますが、付け替えるのが面倒なので私はニコン製のズームファインダーを付けることにしました。
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40年前の製品ですが光学系も非常にきれいでした。パララックス補正までついて実に優れたギミックです。なんなら50mmでも内蔵ファインダーよりこっちのほうが見やすい。こういうのはやはりニコンの得意分野ですね。ライカ純正のズームファインダーは存在しないようです(倍率が変化しないユニバーサルファインダーというものはある)。※ズーム式もあるらしいです。
これ一つ持っていれば35~135mmのレンズすべてに対応できるので、ライカのファインダー問題は一生解決では? でもやっぱりSBLOOとかほしくなるのかなあ。
ちなみに昔はライカのスクリューマウントのことをLマウントと呼んでいました。それが最近Lマウントのレンズを探すとやたら最新のレンズがヒットするし、パナソニックやシグマまで出している。Lマウントすごい人気じゃん!と思っていたら、ライカがミラーレス用のマウントをLマウントと名付けてアライアンス展開しているとわかり、頭が???になりました。さらに昔からあるスクリューマウントは「L39マウント」と名前を変えられていました。
どうやら歴史あるスクリューマウントの伝統を継承するという意図があるようですが、互換性のない規格に似た名称を付けるのは企業倫理としてどうなの?と思います。
ギターに例えれば、ギブソンがデジタル回路を搭載したまったく新しいデザインのギターに「レスポール」と名前を付けて売り出し、ヤマハやアイバニーズとアライアンスを組むようなものです。そして従来のレスポールは「レスポール・レジェンド」のような名前に替えられて隅に追いやられてしまう。想像するだに恐ろしい愚行です。まあギブソンは実際に似たような失敗を過去に何度もやらかしてますけどね。ライカユーザーは普通に受け入れてるんですか?
昔からのユーザーを大切にしていない態度だし、なにより自社の伝統へのリスペクトに欠けているとの誹りを免れない行為ではないでしょうか。私がますます現在のライカ社が嫌いになった理由の一つです。
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