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ライカを1週間で2台買った理由

ライカIIIfを買ったときに私はこう書きました。
「もう一度、フィルムで撮るならバルナックライカと決めていました。」
「ライカはライカでもM型は普通に便利なカメラなので今回は除外です。」

そしてその1週間後、ライカM3を買っていました。
20年ぶりにフィルムで撮ってみて、やはりカメラは2台必要だと思ったからです。私は思い立ったら衝動的に行動する人間です。
どういうことか説明しますね。

①フィルム巻き戻しに時間がかかるため
これはアナログなので仕方ありません。20年前のフリーフォトグラファー時代も、現場には必ず2台の一眼レフを持参していました。「フィルムが切れたのでちょっと待ってください」とは言えないからです。
私はマニュアル派でしたので、Nikon F3にオプションのモータードライブをつけていました。巨大で激重ですが、自動で巻き戻してくれるのでその間サブカメラで撮影を続行できます。撮影のリズムを崩さず、大事なシーンを撮り逃さないためには必須のスタイルでした。

拾い画像です

現在はプロではないのでそこまでシビアな状況はありませんが、やはり撮影中にフィルムを撮り切ってしまい、せっかくいい場面なのに諦めざるを得ないことは何度かありました。
さらにライカのフィルム交換はベースプレートを着脱したりスプールにフィルムを差し込んだりする作業が必要なので、これを屋外で手早く安全に行う自信がありません。そういう意味でもサブカメラがあったほうが安心です。

②レンズを使い分けるため
昨今は便利ズームといって広角から望遠まで一本で賄えるレンズが当たり前になっていますが、20年前はそういうレンズは少なく、あったとしてもまだまだ画質面で単焦点に及びませんでした。ですから1台に広角、もう1台に標準~中望遠といった使い方が当時のプロの標準でした。
そもそもライカでは基本的にズームレンズを使わないので、焦点距離を頻繁に使い分ける場合はレンズを交換するよりもカメラを持ち替えたほうが速く確実です。
M3には主にノクトン40mmを装着。IIIfには撮影の目的や気分によって広角、標準、望遠を使い分けますが、今のところ出番が多いのは望遠です。以前の記事でも書いたように、IIIfの高倍率ファインダーは望遠のピント合わせに非常に有利なので、今後M2やM4などを導入したとしてもIIIfは望遠専用機として生き残るでしょう。

③万が一の故障に備えるため
これはアマチュアにはあまり関係ありませんが、プロの場合は「カメラが壊れました」では済まない話なので、必ずバックアップを用意します。頑丈さに定評のあったニコンだけに故障やトラブルはめったにありませんでしたが、一度だけ普及機のシャッターが壊れたことがありました。さすがにF3やNew FM2は一度も壊れたことがありません。
また、これもめったにないことですが、現像ミスで1本丸々ダメになったり、フィルムのローディングミスで撮れていなかった等の致命的な失敗を避けるために、重要な場面では複数のカメラで撮影しておくというリスクヘッジを行います。
そういうことがあるので、プロの多くはサブのサブまで用意していると思います。私はカメラバッグのポケットに写りの良い単焦点レンズのコンパクトカメラを入れておくことが多かったです(取材の最後にそういうカメラで撮った「抑え」のショットが取材対象のリラックスした雰囲気を捉えていて、採用になることはよくありました)。
今はアマチュアですから撮影中にカメラが壊れても誰からも叱られませんが、修理には短くて1週間、長ければ数か月かかることもあるので、サブカメラは持っておいたほうがいいと思います。

というのが、私が1週間でライカを2台買った理由です。
バルナックライカを2台使うというのは現実的ではないので、どうせ買うなら昔からの憧れだったM3にしたかったのです。まあ結局、M3がほしかったというのが正直な理由ですね。

Leica IIIf + Jupiter-12 35mm
Leica M3 + Elmar 90mm


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