サークルnoteを"三日坊主"で終わらせないための三つの条件
ごきげんよう。東京大学百合愛好会(@UTokyo_yuri)の銀糸鳥です。
この記事を読んでいる貴方は、おそらく何らかのサークルに所属していて、これからnoteを用いた発信活動を始めたいと考えられているのだと思います。
もちろん、noteを通じた発信活動にはさまざまな形があります。そのうえで、あくまで私個人の考えを申すならば、noteに限らず発信活動をするうえで最も重要なことは、それを継続することにあると思います。
2022年7月、当時、編集担当者を務めていた私がサークルのnoteを立ち上げた際にも、まず念頭に置いていたのは「記事を継続的に更新すること」でした。
約1年半が経過し、これまでに公開された記事の本数は31本。後を継いだ二代目の編集担当者と、記事を書いたライターの功績は言うまでもありませんが、私が開設当時に策定したいくつかの運用方針は、ある程度、功を奏したように思います。
本稿では、私がサークルnoteを立ち上げるにあたり策定した”三つの条件”を紹介するとともに、サークルnoteを”三日坊主”で終わらせないためにはどのような工夫が必要なのか、その先にある問題も含めて考えていきたいと思います。
方針① 編集者を付ける
まず第一の条件は、ライターとは別に「編集者」という役職を設けることです。
もちろん、ライターが書いた原稿が無ければ、記事を公開することはできません。しかし、記事を公開するためには、その他にさまざまな作業を行う必要があります。
誤字・脱字が無いか確認する、タイトルを付ける、写真・関連リンクを貼る、公開のタイミングを吟味する、SNSにリンクを共有する際の文言を考える…。
これらの「原稿を書く」以外の作業を担当する役職が、この文章で想定するところの「編集者」になります。
プロの場合はギャラを上げることで、上述したような細々とした作業までお願いすることができるかもしれませんが、サークルにおける記事作成は基本的に無償で行われるものです。
執筆依頼のハードルを下げるためにも、「原稿を書く」ことに付随する他の作業は、ライターではない別の人が分担して行う。
個人が担当するにせよ、持ち回りにするにせよ、記事を作成するにあたり編集者という役割を設けることは、サークルnoteを継続していくうえで重要であると思います。
方針② 締切を設定する
ただ編集者という役職を設けただけでは、記事を継続的に集めることはできません。熱意あるライターが何人かいれば、最初のうちは回るかもしれませんが、それは多くの場合、一時的なものです。
そこで必要になるのが、第二の条件となる「締切を設定する」ことです。大前提として、締切が無ければ記事を継続的に出すことはできません。
「あの話、いつか記事を書いてよ」
とお願いするだけでは、多くの場合、ライターはいつまで経っても記事を書いてくれないのです。
さらに、設定した締切を守らせるためには、編集者がうまく立ち回る必要があります。
最も重要なのは、設定した締切をライターと他のメンバー(多くの場合は編集者)の間で共有することです。
ライターが自分で記事を企画して、自分で締切を設定するだけでは、あまり締切を設ける意味がありません。
人が締切を守るのは、人に迷惑を掛けたくないからです。締切を破ると、他のメンバーの仕事にも迷惑が掛かるんだぞ、ということを相手に感じさせなければいけません。
さらに、編集者がライターに「この人は困らせてはいけない人だ」と思わせることができれば、締切の制約力はさらに増幅するでしょう。
方針③ 仕事の依頼を惜しまない
これまで私は、ライターという言葉を何の前提もなく用いてきました。しかし、ライターは放っておいても名乗りを上げてくれるわけではありません。
あなたは、あなたの周りにいる人に、ライターになってもらわなければならないのです。しかも多くの場合、彼らにはまとまった文章を書いた経験がありません。
「原稿を書く」のと同じくらい、「原稿を書こう」と思わせるのにもエネルギーを要します。そのハードルを飛び越えてもらうには、編集者が口酸っぱく、尚且つ効果的に執筆依頼をし続けるしかありません。
サークルのメンバーと何気なく会話をしている時でも、何か記事になるような面白いネタがないか、編集者は目を光らせておく必要があります。
あまり詳細に書くと良くない気がするので書きませんが、まだライターではない人を「その気」にさせるためにも、あれこれ手を尽くさなければなりません。
このように、実はライターと同じように、編集者というのもそれなりに労力を掛けなければいけない仕事です。
ゆえに、ときには編集者の側にも「締切を設け」たり「仕事の依頼」をしたりすると良いかもしれません。
私の所属するサークルでは、編集者の側に「必ず月1本は記事を公開する」という縛りを与えています。
月末になると編集者は焦り出し、ライター・企画を探そうと必死になります。焦り出す編集者を見ると、たいていの人は力になってくれます。
話が横道に逸れましたが、とにかく「仕事の依頼を惜しまない」こと。当たり前のことではありますが、サークルnoteを継続していくうえでは重要なことだと思います。
おわりに
編集者を付ける、締切を設ける、仕事の依頼を惜しまない。このように書くと驚くほど簡単なことではありますが、私がサークルnoteを立ち上げるうえで設けた制限はこれだけです。
もちろんこの1年半、私の所属するサークルがnoteを続けられているのは、他のメンバーのやる気に依るところも大きいと思います。
ただ一方、きわめて率直な言い方をすれば、やる気というのはある程度、周りの人間の力によってコントロールすることができます。あとは、そのやる気を持続させるだけです。
本稿が提示した三つの条件は、言い換えれば、サークルのメンバーのやる気を引き出し、それを持続させるための方法論に過ぎません。
編集者のところを企画者、リーダー、取りまとめ役などの言葉に置き換えれば、ある程度は応用させることもできると思います。
ただし、ここまで説明したのはサークルnoteを「継続させる」ための方法論でしかありません。
私は、少なくともnoteを立ち上げる段階では、サークルnoteを「良くする」ための方法論はまったく考えていませんでした。
世の中には良い記事もあれば、悪い記事もあります。しかし、良い悪いという判断は、往々にしてコミュニティの雰囲気を不穏にさせるものでもあります。
それでもなお、サークルnoteを「良くする」ためには、どのような考え方が必要になるのか。何か思い付いたら、それを実践して、私に教えてください。