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才能を集めて南の島へ連れて行き、アイディアを生むという天才的企画

矢沢永吉「時間よ止まれ」の誕生秘話がすごい。

「天才たちを集めて南の島へ連れて行ったら、何かアイディアが生まれるのでは?」という趣旨で電通が「南太平洋 裸足の旅」と銘打ち、南太平洋の西サモア諸島へ天才たちを連れて行ったそう。

そして、この曲が生まれたと。

まず企画が面白い。
それを本当に実行してしまうのもすごい。
で、ほんとうに曲ができちゃうのもすごい。

それに、何か課題ありきで、企画が作られるではなくて、
先にアイディアありきという点もすごい!!!

アンブレラ方式とよばれるこの手法は、まず、コンセプトづくりなる作業が先行し、そのコンセプトのキャンペーンのためのイベントが組まれ、そこにはじめてクライアントが参加し、それによって、さらに発展したイベントが次々に打ち出される。最初にクライアントありという従来の発想とは、まるで正反対で、まさに、"脱広告" "自立した広告"だといえるものだった。

藤岡和賀夫さん Wikipediaより

ジュディオング「魅せられて」もこの旅をきっかけに生まれたという。

Wikipedia情報なので、やや不正確かもしれないが、藤岡和賀夫さんがこの企画のプロデューサーの一人のようだ。

藤岡さんは調べれば調べるほどすごい。

電通で旧国鉄の観光客誘致キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」や「いい日旅立ち」、高度経済成長からの時代の変化をとらえた「モーレツからビューティフルへ」などのヒット広告を手掛けた。

日本経済新聞より

日本を代表する名キャンペーンをてがけてきたようだ。

すごすぎて意味が分からなかったのが次のエピソード。

ディスカバー・ジャパンを企画した際に、タイトル/サブタイトルについて藤岡さんが、川端康成の講演会タイトルから引用しようとしたら、「著作権に引っかかる可能性がある」と指摘を受けた。

すると、なんとすぐさま川端康成の自宅を訪ねて、命名者になってくれと頼み口説き落としたというのだ!!!

藤岡が、イベント企画とはかけ離れた、ディスカバーというコンセプトを思いつき、彼はディスカバーを、日本語の旅という文字に重ね、「日本を見つける旅……ディスカバー・ジャパン。」をひねり出し、さらにサブタイトルとして「美しい日本と私」をつけた。「美しい日本と私」は、川端康成がノーベル文学賞を受賞したときの講演の演題「美しい日本の私」からとったものだが、作家の北條誠に「著作権法のうえから問題がある」といわれると、藤岡は、すぐさま、川端宅に出向いて、川端自身に、彼の演題と一字違いの広告用サブタイトルの命名者になってくれと頼み落とした。

藤岡和賀夫wikipediaより

なんとも電通マンらしいというか、すさまじい行動力、推進力、課題解決力、アイディア力、発想力、胆力、決断力・・・。

フツーは「著作権的にアウトかー。じゃあ別案かんがえるかー。相手は大作家だしな。。」
となるところだ。

それを、本人に直接直談判するだけでなく、
許可をくれ、じゃなくて「命名者になってくれ」と頼むあたり、人間心を捉えた妙技というか、天才だ。。。

そういう話の入れ方なら、川端康成も快く受けてくれたのではないだろうか。
少なくとも、黙って勝手に使うより1億倍良い。
ちゃんとWin-Winに持ち込むのがすごい。
というか川端康成本人の家に行くのすごすぎ。
手紙を書くとかじゃないんだもんな。。。
なんという営業力。

藤岡さんに興味が出まくってしまったので、本を買って読んでみようと思う。


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