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あの頃の自分へ『雨の降る日は学校に行かない/相沢沙呼』
中学時代、学校に行くのが嫌だった。
いじめにあっていたわけではない。ただ、女子同士のよくある陰口の言い合いだとか、運動ができないから体育の時間や部活動が苦痛だとか、そういうものが積み重なって、息苦しくなって、辛かった。
どうしても、行けなかった。
この本は、学校に息苦しさを感じている女子中学生6人からなる、短編集だ。
彼女たちの悩みはそれぞれ違っていた。いじめ、保健室登校、グループ内での自分の居場所、クラスメイトからのからかい、学校での居場所……スクールカーストの上の方にいる子、下の方にいる子、みんなそれぞれ悩みを抱えていた。
なんだったんだろう。
あたしって、いったい、なにが怖かったんだろう。
なにに、あんなに怯えていたんだろう。
10年近くたった今、時々思う。けれどあの時の胸の苦しみや息苦しさは今でも覚えている。
この本を読んで、あの時息苦しくて辛かったあの頃の自分が、少しだけ、ほんの少しだけ肯定された気がした。