子どもの言葉を引き出す「山びこ法」で親子の対話を深めよう
幼稚園や小学校にいる間、我が子がどんなことをして、何を感じて過ごしているかは、意外とわからないものです。お話がまだあまり得意でない場合や、積極的に話をしてくれるタイプではないお子さんの場合はなおさらですよね。
親としては、「どうしてうちの子は、話してくれないのだろう…」と考えがちですが、それはもしかすると、子どもだけの問題ではなく、親側に子どもの話を聞くための「ゆとり」がないことも一因かもしれません。
そんなときは、親子の対話が生まれる「山びこ法」でお子さんとコミュニケーションをとってみませんか。
●「山びこ法」で生まれる親子の対話
山びこ法は、カウンセリング法の一つにもある、子どもとの対話に非常に有効な方法です。
「そう(肯定)」+「1つの質問」で声かけをして、子どもの話を引き出していきます。
具体的には、「今日は誰と遊んだの?」→「○○ちゃん」→「そう、○○ちゃんと遊んだのね。何をして遊んだの」→「△△」→「そう、△△して遊んだのね。面白かった?」という具合に、まるで山びこのように、子どもの言葉をそのまま返しながら、新たな質問をして、子どもの気持ちを引き出してゆくのです。
大切なのは、気持ちと時間にゆとりを持って、肯定的な態度で子どもと向き合うことです。
例えば、兄弟ゲンカが起きて、子どもが何かを言ってきたら、「何よ。そんなことぐらい、がまんしなさい」のように、ピシャッと頭から抑えてしまいたくなるかもしれません。そんなときも、子どもの身になって、子どもの気持ちを理解しようとするように、次のように対話を運んでみましょう。
「ママ、お兄ちゃんが悪いの」
「そう。お兄ちゃんが悪いのね。お兄ちゃんが何をしたの?」
「お兄ちゃんが私をたたいたの」
「あら。お兄ちゃんがあなたをたたいたのね。どうしてたたいたの?」
このように、山びこ法でゆとりを持って子どもに応じてあげると、今まであまり対話のできなかった親子の間に対話が成り立ちます。
●山びこ法は「親と子を結びつけてくれる救い」
あるお母さんは、お子さんの口数の少なさや、行動の遅さが気になっていたため、山びこ法を実践してみたそうです。すると、お母さん自身に、これまで娘さんの言葉を待つゆとりがなかったことに気が付いたのだそう。
山びこ法をすると、お子さんの言葉を繰り返している間に、お子さんの口から次の言葉が出てくるのでイライラせずに聞いてやることができたのだそうです。
そのお母さんは、山びこ法を「親子にとって、親と子を結びつけてくれる救いの方法」だと表現していました。
このように、山びこ法で対話をすることで、子どもの気持ちを受け入れてあげるので、子どもが心を開いてどんどん語り続けてくれます。
山びこ法で対話をする習慣にすると、子どもがきちんと自分の気持ちを言う習慣がつきます。日常こうして親子で対話する習慣をつけておけば、子どもはいつでも自分の気持ちをはっきり順序立てて話せるようになっていくでしょう。
子どもとしっかりコミュニケーションをとりたいと思ったら、ぜひ「山びこ法」を試してみてくださいね。