絵を使う、ではなく、共につくるデザイン シブヤフォント
どうも、一般社団法人シブヤフォントのアートディレクターのライラです。
2022年のシブヤフォントの制作が始まってもう少しで1ヶ月。
毎年シブヤフォントの柄やフォントを作っているのは渋谷でデザインを学ぶ学生たち。今までみなさんボランティアで参加してくれましたが、今年度からシブヤフォントの制作は桑沢デザイン研究所で「ソーシャルデザインプロジェクト」として正式に授業になり、履修している学生たちは日々施設の方々と制作に励んでいます。(←アートディレクターの私はその講師となったわけです)
最近障害のある方の絵を活用したデザインはよくみるようになりましたよね。それもあってかシブヤフォントではよく、障害のある人の絵や文字をを「つかっている」柄とフォント、と言われることがあります。しかし私は「つかっている」という言葉に違和感を覚えます。正式には障害のあるひとと一緒に「つくっている」絵や文字を柄やフォントにしていくというのが事実に近いからです。
「つくる」絵は元々メンバー(利用者)が描いたものから次のモチーフや柄を発展したり、1から作り始めたりします。チームで考える見極め進めていく。
学生たちにはチームメイトとなる施設にいって その次の週にふりかえって次施設で挑戦・やってみたいことを考えまた次に週に施設いく、ということを繰り返させています。
教室で学生たちに施設に行って気づいたこと、可能性があると思うことはなんですか?と聞くといつも面白い答えが返ってきます
・(アート活動に参加しないメンバーさんをみて)アートに参加しないのは作ることを楽しいって思てないからかも。
・◯◯さんは□□さんが始めないと描き始めない
・真正面に立つと気になって描いてくれない
・このモチーフを絵の具で描いたらどうなるだろう?スクラッチしたらどうだろう?
・別に絵じゃなくてもいいんじゃね?
など
数字や顧客の傾向に縛られないからこそ出てくるアイデア。
施設のアート活動をサポートする支援員もこのようないろんな学生たちの視点を受けて可能性を考える。
メンバーさんも外からきたお兄さんお姉さん、デザイナーさんが絵や文字をみて感想をくれた、新しい画材持ってきた、楽しかったという新しい出来事と出会いにしげきされ作風ややるきも変わったりします。
デザインと福祉それぞれ両極端の領域にいるチームメイト。だからこそ真ん中で会おうとするんだなと側から見て思います。また、人って何を作っても常に他者に見せたり意見を聞きながらやっていくことで脳が活性化された相乗効果が生まれてそれぞれのできることを精一杯やる。
今年と去年の違いは、柄をつくる=絵を描くということにことに捉われず、メンバーさんがやったら楽しいことを考えてアートを実施している様子です。
それを可能にするのは、一緒にいること、答えを最初から持たず一緒に探すこと、ちっちゃな発見や前進を一緒に分かち合うこと。なのかもしれません。
来週はまた教室に戻って今週の施設訪問の振り返り。
これからの発見と発展が楽しみでしかありません。
シブヤフォント公式HP: https://www.shibuyafont.jp/
シブヤフォントInstagram: @shibuyafont