ワークマンはなぜ"アンバサダー"がハマったのか。「マーケティング・ミックス」と「SP/OC」から考える(その1)
ワークマン本にはまっています
最近読んだ本の中で、一番ハマっています。もう5周しました。
推理小説を読むように、一つ一つのアクションがつながっていく。点が線になり、線が面になり、面が形になる。
ワークマンの土屋専務の著書は勢い余って二冊も買ってしまいました。今週末読みます。
#好きだから宣伝したい
トライバルメディアハウス(私の勤務先)では、オンライントークイベント「#好きだから宣伝したい」を5日間にわたって行ってきました。
最終日が今日で、なんと今日の登壇者がそのワークマンの林さんなのです!
※ライブ配信のアーカイブもご覧いただけます
他の日もめちゃくちゃ豪華な方々にご登壇いただいた甚だ恐れ多いイベントだったのですが、とりわけ個人的に特に今日は楽しみにしていました。
感動のあまり1時間で38ツイートも投稿していました…。
ワークマンはアンバサダー・マーケテイング"だけで"成功しているわけではない
林さんのお話を聞いたり、書籍を読む限り、ワークマンはどう考えてもいわゆるアンバサダー・マーケテイング"だけで成功している"わけではないことはわかります。
しかし、このようなリリースを出されるほど、アンバサダー・マーケテイングに注力し、実際に成果が上がっているとのこと。
ではなぜ、アンバサダー・マーケテイング"によって成果が上がっている"のか。
その理由について考えてみました。
どの視点からクリアに見えるのか
理由について、どのフレームワーク・視点から分析するのがわかりやすいかな?などといろいろと考えていました。
5フォース、メンタル/フィジカルアベイラビリティ、MOTなどなどいろいろなフレームワークを思い浮かべながらホームページを見ていたとき、この図に遭遇してはっとしました。
こちらの図です。
下記より引用しています。
マーケティング・ミックスとは
いわゆるマーケティング・ミックスとは、マーケティングにおける下記の4要素のことです。
・製品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・プロモーション(Promotion)
この視点を持って、先程の図を見てみましょう。
それぞれ、
●家の近くに店舗がある→Place
●値札を見なくても買える安心の価格→Price
●プロ品質と高機能→Product
に対応していると言えます。
ここには「Promotion」がありません。
ワークマンにとってのミッシング・ピース
「Promotion」について経営理念や企業の提供価値に明記している企業は少ないでしょう。
「Promotion」は多くの場合、企業の価値を体現しているサービスや商品そのものというより、それを顧客に届けるための手段であるからです。
したがって、「Promotion」がこちらに記載されていないことは当然のことながら、上記に述べた、マーケテイング・ミックスの視点で考えると、"なぜアンバサダーマーケテイングがワークマンにハマったのか"が見えてきます。
この「Promotion」こそがワークマンのミッシング・ピースであり、SNSの台頭~クチコミの購買行動への影響力の増大という時代の流れがワークマンの追い風になっている、と考えています。
ではなぜ、「Promotion」がミッシング・ピースなのか。
その答えに行き着くために、「SPとOC」という視点からワークマンを見ていきます。
SP(Strategic Positioning)とOC(Organizational Capabilitiy)
このSPとOCは楠木建さんの著書である『ストーリーとしての競争戦略』に詳しく語られています。
SPとはStrategic Positioningの略で、いわゆる「ポジショニング」のことです。
ワークマンの目指すポジションをシンプルに言うと、「Amazonに負けない(最安)」です。(当然、「機能性」という軸もあり、購入されるための機能性の最大限の担保はありつつ、最重要視している軸は価格だと思います)
Amazonに負けないためには、どこよりも低い価格で売るためには、販促費を最小限にする必要があります。
「価格」と「販促費」はトレードオフの関係にあります。
「Promotion」の力はほぼ販促費の規模で決まる(のが通例である)ため、SPとして「最安」を目指すワークマンにとって、マーケティング・ミックスにおける「Promotion」はウィーク・ポイントになります(なっていたはずでした)。
次に、OCとはOrganizational Capabilitiyの略で、組織能力と言われる特徴のことです。
ワークマンのOCとして大きなものが、「商品開発力(調達力)」と「データ読解力」です。
そして、大命題「ワークマンはなぜ"アンバサダー"がハマったのか」への答えに最も直結するのが、この「商品開発力」と「データ読解力」と考えています。
さらに言うと、ワークマンのOCというか企業文化として最も重要な行動は「傾聴」です。
傾聴相手は、顧客(エンドユーザー、フランチャイズオーナー)、ベンダー、同僚や上司部下、データ、SNSまで。
ワークマンの目下のポジティブ・サイクルのコアドライバーはこの「傾聴」だと思っています。
傾聴文化が非常に強力な競争優位性につながっています。
ここまで書いて、スタバが閉店時間になってしまったので、また続きは週末に続きを書きたいと思います。
この街でえ~暮らそおおお~行こおみんなでワークマァン
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