組織のらしさ

組織が「らしさ」を失うとき

結果を優先しすぎて、プロセスを大事に出来なかった時に。
組織は「らしさ」を失うと思います。

今回はNBAとラーメン店を通して、企業ブランディング、ユーザー体験について書いていきます。

先日、Sanantonio Spurs(SAS)に2011年に入団以来、これまでずっとチームを牽引し続けたカワイ・レナード選手がToronto Raptorsに移籍が決まりました。トレードの相手は、こちらもずっとチーム2009年の入団以来、ラプターズの顔であるデマー・デローザン。

カワイ・レナード
身長201cm/体重102kg
ポジション/SF(スモールフォワード)

2011年にSASに入団、2014年に若干23歳でFMVP獲得
高いディフェンス能力を持ち、非常に寡黙で手が滅茶苦茶デカい。

SASはレナードを筆頭に再建フェーズに入ろうとしている。ヘッドコーチである名将グレッグ・ポポビッチの加齢による引退の噂。チームを支え続けたパーカー、ダニー・グリーンの移籍。迫るジノビリの引退。今後の未来を担う選手のカイル・アンダーソンの移籍など…

かつて一世を風靡したチームは完全に再建フェーズに入ってしまった。そんな事もあり、改めて組織のらしさってなんだろうと考えてみた。

コーポレート・アイデンティティ(CI)

企業でいう「らしさ」はコーポレートアイデンティティー(CI)と呼ばれ、それぞれ3つの要素で構成されている。

ビヘイビア・アイデンティティ(BI)
その企業らしい振る舞い、社風
マインド・アイデンティティ (MI)
社是、行動指針、 ブランドメッセージ
ビジュアル・アイデンティティ(VI)
目に見える企業イメージ、ロゴ、商品、商品パッケージ、広告

これら3つの要素の統一がCIとなり、その企業・組織のブランドになる。

機能の補填だけでは、プロセスの補填は出来ない

確かにスポーツに置いて結果は勝つか、負けるか。今回のトレードでチームが格段に弱くなったかと言われるとそういう訳ではない。

ただ同じ勝利でも、そのプロセスによってその勝利の価値、支持、受けて側の印象は大きく変わる事になる。

よく行くラーメン店に行かなくなった理由

自分は週1回以上必ず行くラーメン店(東京中心に数店舗あり)に行くのですが、とあるエリアの1店舗には行かなくなった。

理由はスタッフがほぼ総入れ替えされたから。

何度も通ってるので、味の微妙な変化にも気づくのですが、格段に味が落ちたわけではなかった。それよりも大きかったのが、雰囲気が変わり、体験の質が落ちた(自分には合わなくなった)から行かなくなった。

ラーメン屋に行くという事はラーメンを食べるという、結果を求めるはずだけど。ラーメンが運ばれきて、店を出るまでの全てのプロセス、コミュニケーション全般がユーザー体験になるので、単純にその結果が変わらなければ、プロセスを変えても問題ない訳ではない。

今回、店員を総入れ替えする事で機能の補填は出来たかもしれないが、プロセスの補填は出来てなかったのだと思う。
少なくとも自分はユーザー体験が損なわれたように感じた。

プロセスこそユーザー体験、ブランドの肝

結果、こうなればいいよね。といった視点で見てしまうと、プロセスがおざなりになり、ユーザー体験が損なわれてしまう可能性がある。
そして体験を提供する組織も「らしさ」を失いかねない。

前に書いた記事ですが、所属する選手のらしさ=チームのらしさを目指すことが、社員・企業が一番健全な相乗効果を生むと考えています。

社員側も企業を牽引する人材になる事を目指すべきだし、企業側も「らしさ」の源になってくれる社員を大事にすべき。

トレードの話に戻りますが、今回のフランチャイズビルダー同士のトレードは本当に残念。チームの勝利は勿論大事だけど、2人ともチームの顔である大事な選手なので。勝ち負け、ビジネスは置いておいてファンとして最後までチームを牽引し続けて欲しかったです。

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