熊本県人吉市の女子高生殺害事件を読み解く。

 熊本県人吉市は、熊本市からは南に約70キロで、宮崎県や鹿児島県に接する県境の市だ。市内の高塚山山中で県立高校三年生の荒川真侑子さん(当時17)の遺体が6月7日、発見された。10日、DNA鑑定の結果で確認された。荒川さんは5月中旬から行方不明となていた。荒川さんを殺害したと自供している静岡県浜松市の無職赤石弥容疑者(47)は、別の強制わいせつ容疑で逮捕されていた。

 赤石容疑者は荒川さんとインターネットのコミュニティサイトで知り合った。当初、「出会い系サイト」という報道もあったが、同種のサイトではないとの報道がなされている。毎日新聞や熊本日日新聞は「自殺系サイト」ではないかと伝えてもいるが、どんなサイトだったのかははっきりしない。ただ、悩みの相談相手になっていた。

 報道等によると、赤石容疑者は4月に荒川さんと人吉市内で初めて会った。以後も連絡を取り合っていたことが通信記録から確認された。荒川さんが行方不明となった5月4日朝も電話をしている。4日朝に人吉市内で出会った後に、レンタカーを借りている。借りた日数は数日間だ。

 自殺系サイトやメンタルヘルス系サイト、いじめ相談サイト....。2人が出会ったサイトはいったいどんなものだったのか。それによって事件の概要が変わってくる。毎日新聞(6/15)によると、赤石容疑者は5月がはじめ、静岡県浜北署に署長あてに「死にたい」と記した手紙を送っている。定職につかず、生活保護を受給。3月まで鬱状態で通院していた。こうしたことから赤石容疑者が自殺系サイトやメンタルヘルス系サイトにアクセスする可能性は十分に考えられる。

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