No.186 「ラグナクリムゾン」第74話備忘録
0. はじめに
忙しい… あと思いがけないトラブル(世間を賑わせている例のアレ)が発生して, 既存環境でラグナクリムゾンの最新話が読めない状況になってしまって備忘録作成が延びてしまっていた(俺は悪くねぇ!). しかし, 毎月恒例の最新話発売間近になってしまったので, 仕方なく環境を新たに再設定し, もう一回最新話を購入し, 備忘録を書く.
1. クリムゾン様とギルゼア様とレオ
第69話
https://note.com/shibushibuyanyan/n/n9a4b31df8cb3
の表紙で明確な「匂わせ」(あとギルゼア様だけが, クリムゾン様の方だけを振り返っている点にも注意すべきであろう(裏切り or 共闘フラグ? 多分, 単純な共闘はないんだろうけど))は既にあったが,
「結構早く(半年)伏線回収してきたな」
って感じ. やはり話のテンポがはやい.
でまずはレオ関連のこと.
『まさかブラザーが気にして会いにきてくれるとは
よほど重要な子なのだね
いい拾いものをした』
これはどっちだろう. 個人的には若干「確信犯」めいたものを感じる発言.
ギルゼア様がラグナとレオの関係性を知っているわけではないのだろうが, クリムゾン様が拘る何らかの理由があること(つまり何らかの交渉カードとして有効であること)は知っている感じがする.
特に(後述のシグマリオの動きと関連して)今後のレオの扱い如何で話がメッチャややこしくなりそう. たとえばギルゼア様がシグマリオに引き渡す展開になったりしたらどうなるか? レオとラグナの関係について知っているのはクリムゾンとサイクスだけで, 現時点では何も情報は漏れていないと思うが, クリムゾン様がギルゼア様ポジションだったらヤリかねない嫌がらせである. 実際, そうなって何らかの形で情報が漏らしたりすると, またクリムゾン様がテを打つ前に(大聖伐前に), ラグナがジャパンに特攻するメンドーな状況になりそう.
他方で
『サイクスはいいの?』
と, クリムゾン様さえも知らない(誰だそれは)二番手にもちゃんと名前を憶えているあたり, 割と弟子思いな感じもする(弟子を文字通り「全殺し」にしてるけど). なので, そういう「クリムゾン的嫌がらせ」を弟子を使ってするというイメージは(少なくとも現時点では)あまり湧かない.
ただコレでレオの物語における重要性が俄然増してきた. これからもそれなりの頻度で, この辺りの描写がラグナサイドと並行してなされていきそうな感じ.
なので, レオの生死に関しては, 死んでないんじゃない? 多分. 下に何かの魔法陣(魔法表現)も書いてあるし, アレで生きてるんじゃない? 例の
『死体をよこせ ねぇ…
だってさ
どうしようか?』
も,
「カードとして渡さずレオを保持しておきたい」
という思惑もあるだろうが,
「実は(まだ)本当に死体じゃない」
からのような気もする. ちなみにコレで二番手サイクスがバラバラにならず, 五体満足でいたら(それでバラバラになったレオをみてビビり散らかしていたら), 面白いが, 3つ魔法陣が見えることから(数え方によっては, 四つとも五つとも?)直近の弟子3人が揃って仲良くバラバラで仲良死状態の可能性の方が高いかもしれない.
2. クリムゾン様とギルゼア様の目的
次いでギルゼア様の目的について.
『吾輩の目的はマリオの延長上にある』
と第53話
の初登場時に発言
『こんな吾輩にも殺したいのに殺せない相手がいる』
と併せて考えると, やはりギルゼア様の「目的」が「『神』殺し」だと思われる. だとすると, 「世界魔法」はやはり何らかの形で『神』を顕現させる(のがシグマリオの目的?)儀式的なものな感じがする. 「世界魔法」については今回は何も触れない.
今回重要なのは,
『吾輩は世界魔法の表現に関与していないよ』
である. まずこれでギルゼア様がある意味「中立」であることがわかった. あとここでついでのように述べている
『だから暇なのだよ』
も, テンラン様が第65話で同じこと(暇)を言っていたので少し引っかかった(世界魔法推進サイドのはずのテンラン様は暇じゃないのでは? あるいは実質はシグマリオや桐生君がやっていてテンラン様はあまり働いていない?)が今はそれは措く.
で問題の「中立」の度合いだが, これは少しばかり微妙. たとえば, 第66話でシグマリオが
『あの子 10年に一度は自分から顔出すじゃん』
と言っていたのに対し, クリムゾン様に会ったのは50年ぶりなので, 比率的には
クリムゾン:シグマリオ = 1:5
ということになる(?).
一方, 目的がマリオの延長上にあるにも関わらず, ギルゼア様は世界魔法の表現には関与していない. 何故か? 最終目標が「『神』殺し」であり, そこがシグマリオ達と根本から異なるからか? あるいは『神』が顕現するまでの間に(『暇なのだよ』と言いながらも), 「『神』殺し」の戦力(弟子, 爪牙の血族)を揃えることに尽力するためか. そうであるならば, クリムゾン様ともっと強力関係(同盟関係)があってもいいはずである. 実際, 竜絶殺系竜王クリムゾン様も絶殺系女子のギルゼア様には
『お前だけなら…
生かしてやらん事もない』
と満更でもない様子. なので何故この二人が決裂するのかがわからない.
言い換えるとクリムゾン様の目的, というよりは, 意図がわからない. 「『神』殺し」の目的は同じだが, 手段が違う(「世界魔法」を用いない?)のか. 仮にそうだとすると, 何故目的ではなく, 手段に拘って, ギルゼア様との協力関係を拒むのか. この辺はなんからしくない気がする(目的の為なら, 手段を択ばないのがクリムゾンスタイル).
あるいは前提にしたギルゼア様の目的が実は読み違いをしているのか? でもそんな気はしないんだよなぁ. この辺はまだわからん.
3. クリムゾン様とシグマリオ
で, 表題の二人. シグマリオはクリムゾンの暗躍に感づいている感じだが, 気になるのは
『今度こそ君を見つけられるかな? クリムゾン』
に対し
『私を見つけてみろ
その時がお前の最期だ シグマリオ!』
と返しているが,
「かつての世界(未来)でこの二人が邂逅したことはあるのか?」
ということである.
このやりとり自体も, 暗躍している(正体を徹底的に秘匿している)側のクリムゾン様の方が
「見つけてみろ」
と言っているのも変な気がする. これは二人をめぐる何らかの確執の現れとみるべきか?
考えてみると, シグマリオが「世界魔法」の完成をはやめている目的も, クリムゾン様を炙り出すのが主な気もするし, 今回の嬉しそうな表情と言い, なんかクリムゾン様に対するシグマリオの執着を感じる. ちなみに「世界魔法」の完成をはやめていることにクリムゾン様が少し驚いて(?)いるので, 翼の血族討伐(シグマリオの動きが変わったのも, これでクリムゾン暗躍を感じたからだろう)で世界というか, 未来というかがクリムゾン様にとっても未知なものに変わってきていることもわかる.
また, 話がやや前後するがギルゼア様の
『今さらランとマリオには勝てないと思うよ』
という発言も引っかかる.
これは恐らく事実であり, 当然クリムゾン様もそれは承知しているであろう. そうであるならば何故, この半世紀になるまで(つまり「今さら」という状況になるまで)クリムゾン様はその状況を放置したのか. 「時間が敵を利する状況」をあえて放置せざるを得ない事情がそれまでの何百年間にあったのか(半世紀前にギルゼア様と邂逅した時もボロを纏っていたようだし).
逆にそれこそ何百年かけて何か「勝てない」状況をひっくり返すための一発逆転の秘策を仕込んでいたのか. つまり「その時がお前の最期だ シグマリオ!」は強がりではなく, 何百年仕込みのナニカを持っているのか.
多分そうなんだろうけど, なんだろう. 結局, シグマリオにドヤッた直後に不慮のトラブルが発生して, シリアスぶち壊しで「ンゴ」るクリムゾン様の絵面しか想像できない…
というか小林大樹さ, 「クリ虐(or ゾン虐?)」大好きだよね. もう隠さなくていいから. クリムゾン様がドヤってる絵面が「クリ虐」のフラグにしか見えないから.
でもそのメタ的視点で言うと, このコマのクリムゾン様はドヤッてないから, いつもとは様子が違う印象も受ける. そう思うと, 案外, この二人の確執は物語の核心(第三部 旧世界編)と関係する重要な要素なのかもしれない.