No.65 「ラグナクリムゾン」第57話+11巻+アニメ化備忘録
第57話は短かったけど, 昨日ようやく入手した11巻(特に加筆, おまけ他)とアニメ化の公開情報と併せて備忘録を作成.
1. 11巻雑感
おなじみ表紙裏から(ここが一番小林大樹のヒラコー味を感じる). アルテマティア様はやっぱり気に入っていたんだな. わかるよ, そりゃあ, あんなに綺麗な終わり方だもん.
カムイの注釈については, あの狩竜双閃のシーンがアルテマティアを庇っていた(?)というのは連載当時(単行本を買ってもなお)気付かなかったので, なるほどと思えた. そう思うと, 確かにその前のページで
「問題ねえ 今のオレなら問題なくかわせる」
と言っているわけで, あの時点で既に勝負は決まっていたわけ(かわせばアルテマティアを狩られその時点で終了).
更に言えば「はじめの一歩」じゃないけど, あのシーン, カムイはカウンターで狩竜双閃貰ってるんだよね. 逆に言えば, ラグナは雷神闘法に竜化して突っ込んできたカムイ相手にカウンターで狩竜双閃を(「ダイの大冒険」でいえば正にアバンストラッシュクロス!!)を当てているわけで, 武の意味でもカムイを上回って勝ったわけでやはり完全勝利(紙一重の薄氷の勝ちではない)と言ってよいだろう.
これは既に描写済みの注釈だが, 今後の展開に関連する文言としては
お前より強い奴はもうあんまり出てこない.
がある. やはりカムイは別格だったのね. そりゃそうだ, ヘタにあんなの乱発, インフレさせてしまうと, 途端に色々雑になっちまう. 数多いる凡百の漫画家たちと違い, 流石小林大樹はその辺の匙加減をわきまえている. 「もうあんまり」の中に含まれるキャラとして恐らくギルゼアがいるが, それクラスがまぁ, 5, 6人って感じかな.
ヘゼラとスターリアの注釈については, 三点ほど. 一つは今後これまでのレオのような長期休暇(?)に入ることが示唆されていること. 二つはラグナクリムゾン第二部(と仮に呼称)のヒロインが, 以前から指摘しているように, ギルゼアになる可能性が示唆されているということ. 実際, 小林大樹は話のどこかで常にヒロイン(?)を出していないと気が済まない人なので, レオ編のヒロイン枠を考えると順当に考えるとやはりギルゼアがハマるのは十分あり得ると思う. 三つめは「MVP」のヘゼラに関連して, 「物語のおもしろさ」に言及していること. 葦原大介も確か大規模侵攻の描写に関して, 昔似たようなことを言及していたと思うが, 個人的にこの「物語のおもしろさ」というもの(その存在と感覚)を理解し, 実現できてこそ一流の作家だと思っているので, 小林大樹がそれに該当することがここで確認が取れた.
ここに関しては本編でも加筆がなされており,
ヘゼラが機械的に任務を実行するのと平行して, その裏では「だけど」という感情を持ち, それがアルテマティアの悲鳴と相まって表に爆発する
という表紙裏で語られていた内面描写を補足されていた(よほど小林大樹にとって印象的な結末だったのだろう).
加筆(おまけ?)についてはアルテマティアとカムイの前日譚もあり, こちらは太陽暦483年, つまり太陽暦498年の現在からは15年前, アルテマティアとカムイが出会ったであろう太陽暦448年(446年から2年後?)からは35年後. 幕間に書いてあった
アルテマティア3歳, カムイ10歳
のデータが太陽暦448年のものと仮定すると
アルテマティア38歳, カムイ45歳
ということになる. 恐らくは在りし日のレーゼ(王都セルスビエラか, あるいはドナピエルーか?)での一幕なのだろうが, まぁ二人のイチャコラはともかくとして, 気になったのはギルゼアに関することである. 一つは
ギルゼアとアルテマティアとの関係がそれほど悪いものではなさそうだ
ということ, 二つは
カムイの胸の傷は治らないのではなく, 治さない(Fateのディルムットのゲイボウの傷という類のものではない?)
ということである. ギルゼア以外では, 血族は血族ごとにシンボルを作っている(これは漫画的見栄えか, 物語上の意味があるのか)点であろうか.
2. 第57話雑感
上述の如くギルゼアがヒロインで出るかは定かではないが, 今まで放置されていたレオ編がスタート. 時系列を確認しておくと,
太陽暦498年3月12日深夜
ということなので, これはラグナが目覚め, 時の聖女カルラに出会い, クリムゾンと再会し, スターリアも目覚め, 銀剣を打ち始めた頃である. つまりレーゼ北東部の軍事演習場でのオルト-タラ戦(3月10日)から2日後であるということだ. だとすると一点気になることがある. それは
翼の血族第13位階 シャンティオラス
である. というのもこの2日前の3月10日のオルト-タラ戦で
翼の血族第13位階 ウルシュガウルン
がフーに狩られているからである. なのでこの2日の間に空位だった13位階が埋められたことになる. 流石に上位階の補充は間に合わずとも, 一番下(?)の空席を埋めるぐらいの余裕はアルテマティア様にあったのだろうか(あるいは最初から代理としていたとか?).
ユゴ・ロブレス(シン・カトラスの前の剣士長)が例の軍事演習場をいつ出たのかははっきりしない(少なくとも銀装兵団が逃げ込んだ3月3日からラグナ達がやってくる3月8日までの間)が, 大体5-7日程でやってきたことになる. 彼は生き残るのか, そして家族に会えるのか(何気にシン・カトラスがそれを気にしていたが), 非常に些末だとは思うが, 少し気になるところである.
3. アニメ化雑感
アニメ化に関しても, ラグナとクリムゾンのビジュアルと共に, 制作会社が公開された. 制作会社はSILVER LINK.で, 以前から度々言及しているように, 「ラグナクリムゾン」は「プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」のイメージだから, その意味ではSILVER LINK.は大当たり(予測も, 期待も)といえる. これで監督が大沼心で, 音楽が加藤達也なら明らかに「狙ってる」という領域になるわけだが(我ながら自身の読みの冴えに驚くが), その読みが当たるか否かは今後の情報待ちになる.
SILVER LINK.は「雪下の誓い」もそうだが, 「のんのんびより」等のように
派手な演出というよりは``アニメそのもの''の見せ方がうまい
という印象の会社である. だから非常に高度な情報媒体として完成されている「ラグナクリムゾン」との相性は良いと思う(つまり「ラグナクリムゾン」を「TDN派手なバトル漫画」と思ってアニメ化してはいけない).
そういう意味では良かったと思うのだが, 不安要素もある. それはズバリ
キャラデザがイメージと違う
ということである. なんかクリムゾン様がケバすぎる印象なんだよな. こうじゃないんだよ, クリムゾン様の「悪」っていうのは(これだとなんかやられ役の悪の女幹部クラスになってしまう). 私, クリムゾン様のCVは井上麻里奈一択(アルテマティア様は上田麗奈一択)だと思っていたのだが, この絵だとそのイメージからもズレてる感じがする.
この不安が私の杞憂に終わることを切に願うばかりである.