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華金じゃれ禍リベンジ 2024/10/25

前文(飛ばして問題が無い部分)
『じゃれ禍』とは、オンラインでリアルタイムにリレー小説が行えるサイト、『じゃれ本』

というサイトを使って、直前のページしか読めない状況で禍々しい話(ひらたく表すと怪談)をバトンを渡して生み出して行きましょうよ、というマジの遊び、脳トレ、文章速筋のトレーニング、的なものです。
(以上前文)

以下はその『じゃれ禍』2024年10月25日のまとめです。
(全て敬称略だったりじゃなかったりです。ご承知おきください)


『放棄する物件』タイトル:花豆RX

 小学生くらいの時の話。
 近所で有名な廃墟があった。見た目は洋館といった二階建ての戸建てで。そこはいわゆる想像するような廃墟然とはなっておらず、今でも人が住んでるんじゃないか? と思えるくらい奇麗だった。

「そこに入ってみようぜ!」とガキ大将のBくんが言いはじめて誰も逆らえず数人でその廃墟に入ることになった。
 なぜか鍵は開いており、ギィ…とドアを開くと見える範囲に家具など無いのに玄関には靴が置いてあった。

 革靴と、子供の靴と、ヒールのある靴だ。普段先生が言うみたい並べられていて、どれもそんなに古くない。
「お父さんとお母さん……子供?」一人の呟きに、ガキ大将含め全員が黙る。ここは廃墟だ。そんな訳ない。

 その時、家の奥、二階、廊下の先の部屋という部屋から
「子供はいないよぉ」と、老若男女入り混じった明らかに靴の数より多い人数の声がした。
 逃げだした僕たちは、やれ財布だ靴下だ、投げ出してしまっていたのだ。

 執筆順:芝生/薄暗/花豆/芝生(敬称略)


『地下の南京錠』タイトル:薄暗

「はい、今日からよろしく、バイト君。警備員の経験は……大丈夫だね。他のとことウチもほとんど一緒だから。一晩ざっとビルを巡回すればOK。あぁでも、地下階段の扉があるけど、そこは行かなくていいから。

説明するのも難しいというか面倒というか、まぁ君なら平気そうだし慣れてきたら一回行って見たらいいよ。習うより慣れろじゃないけど。見た方が早いから」
 警備を始めて二週間、ついに地下階段の扉に来てしまった。

 地下階段の扉は異様で鎖と南京錠がいくつもついていて警備にも手間取るだろうという感じだったが考えてみるとおかしい。南京錠は鎖にぶら下がっているだけで鎖を外せば中に入れるじゃないか……と思いつつ鎖を外した。

 覗き込むと、カビ臭さ混じり何かが燃える匂いがする。
「やっぱりさ、やんなくていいって言われると、気になっちゃうよねぇw」
 どん、と突き飛ばされる。扉の向こうから、いやに手際よく施錠される錠の音がした。

 執筆順:花豆/芝生/薄暗/花豆

『保険の勧誘?』タイトル:芝生

 人気のカフェチェーン店に入って、席を確保できてホッと一息ついた。
ざわざわとする店内でふと耳を済ますと隣のテーブル席の二人組の会話が聞こえる。「――みたいな感じになりまして……」
 と聞こえた。勧誘だろうか?

 隣席は茶髪の大学生とカッチリしたスーツの男性だ。
 視線を遣ると、資料を見せながら何かを説明している。カフェだというのに碌に注文もせず、さぞ迷惑だろう。
「なのでいざという時には、五体は無事にかえります」

(五体は無事にかえります)つい聴き耳を立ててしまう。
 茶髪が「無事にかえるなら入ります」そう言うとスーツの男はにっこり笑い「ではいきましょうか」と立ち上がった。
 後日、街中であの時の茶髪の大学生を見た。

 顔は彼なんですけど雰囲気が違って。何かスーツの男みたいで……。大学生も街中で勧誘? みたいなことしててチラシもらったんですけど……。
 孵るって字だったんです。
 孵るとスーツの男みたいになるんですかね……?

執筆順:薄暗/花豆/薄暗/芝生


-禍々禍々禍々禍々禍々禍々-

本稿はツイキャスでの配信で行いました。アーカイブ↓

ご参加いただきました薄暗さん、花豆さん(五十音順)ありがとうございました!

『じゃれ禍』始まりの男、佐藤実さんのツイキャス

『じゃれ禍』筋トレといえば、いいさんのツイキャス


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