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じゃれ禍しましょうよ 2024/11/01
前文(飛ばして問題が無い部分)
『じゃれ禍』とは、オンラインでリアルタイムにリレー小説が行えるサイト、『じゃれ本』
というサイトを使って、直前のページしか読めない状況で禍々しい話(ひらたく表すと怪談)をバトンを渡して生み出して行きましょうよ、というマジの遊び、脳トレ、文章速筋のトレーニング、的なものです。
(以上前文)
以下はその『じゃれ禍』2024年11月01日の回のまとめです。
(全て敬称略だったりじゃなかったりです。ご承知おきください)
『祭りの後の災害』タイトル:花豆
『後の祭り』って言葉があるじゃないですか。正にそんな感じの話なんですけどね、僕の田舎では毎年夏に大きなお祭りをやっていたんですよ。
毎年同じ神事? やっていたんですけど主催の人が新しくなったのか違うのをやって。
具体的な詳細は言えないんですが、それまでやっていた水を流す神事をアレンジしてね。
井戸みたいな穴を掘って、その中に水を注ぎながら、物を投げ込むって形にしたんです。お金や花などを投げ込ませてたんですが……。
お祭りで酒も入って、皆どんどん白熱して、井戸みたいな穴に皆で食べ物とか酒とか投げ入れたんです。
「神様にも吐くほど飲み食いしてもらおうぜぇ!」って。
だから、神様が吐いたんでしょうね。翌日の鉄砲水は。
その一帯にあった駐車場の車なんかもざばっと流されちゃって。
でも幸いって言うとアレですけどみんな無事だったもんだから、逆に綺麗に流されすぎておっちゃん達それ見てガハハって笑っちゃってましたね。
執筆順:Hayato/酢豆腐/暗裏/どす恋!ケツ毛大明神
『「爪を剥いでくれませんか?」』タイトル:暗裏
小学校の頃の変な話、なんですけどいいですか?
当時、姉が指の薄皮をいじる癖があったんですよね。色々あってストレスも溜まってたし、元々神経質な所もあったっていうか。
そんな姉と一緒に道歩いてた時に、
「あの……」って声をかけられたんです。
髪が長くて声も高かったから多分女性なんですけど、背が高くて服装もちょっとボロボロで。その人が姉の手をじっと見ながら「きれいにいじってますね、薄皮」って。私怯えちゃって
姉は怖がる私を庇うみたいに、何か言おうとしました。
その前に女性は姉の手をギュッと握ってきたんです。
「いいなぁ。きれいで。私上手く出来ないんです。何度やっても何度やってもぐちゃぐちゃになっちゃって」
「だから新しい爪ちょうだいよ?」
そこから先の記憶は曖昧で、姉と二人で倒れていた所を保護されました。
あの日以来、私と姉のそれぞれの片手の爪が生えて来ないんです。
あの女の人に取られちゃったんですかね?
執筆順:どすこい/芝生/花豆/Hayato
『窓から見える廃アパート』タイトル:Hayato
僕の使っていた子ども部屋は実家の三階で、窓からの見晴らしが良いのがお気に入りでした。
十数mくらい離れたところかな? 古い二階建てのアパートがあったんですが、それが変だったんです。
かなり前から廃アパートで二階への階段がもうボロボロになっていたんですが、夜になると二階の部屋に明かりが灯るんです。
夜に窓から見る度『あんな階段よく登れるな』って思ってて。
だから行ってみたんです。
崩れそうな階段って、ワクワクするじゃないですか。ただのアパートでもダンジョンみたいで。
夜に灯りが灯るから、昼なら留守だろうと思ってソロソロ登って、うお〜すげ~って、ギシギシ言わせながら中間まで行ったところで。
もう一棟ある隣の廃アパートの窓が目に入ったんです。
そこに、階段を昇る自分たちと、その後ろにもう一人、自分たち以上にはしゃぐ男性が映ってました。
現実にはいないですよ。誰だったんでしょうか、アレ。
執筆順:酢豆腐/暗裏/どすこい/芝生
『注文の多い同居人』タイトル:芝生
大学時代、お化けと同居してたことがありました。
時々中扉の向こうに人影が見えたり、物の位置が変わってたり。怖いより、当時は人恋しさが勝ってしまって。
全然怖がってなかったのが、思えば良くなかったのかも。
ある日家に帰るとテーブルの上にメモが置いてあったんです。
『水』って。
水を供えてくれって意味なのかな? って思ってコップに水注いで置いたんです。まぁ何も無かったんですけど。
それから、時々メモが置かれるんですが……。
『水』の次は『塩』。
だから皿に塩を盛りましたが、やっぱり何も起こらない。
また何日かすると、
『土』というメモが置かれたので、土塊を。
次は『酒』次は『髪』、そして、
『鉄』『耳』『墨』『歯』『針』『指』……。
どんどん体のパーツが増えてきてるの分かります?
最初は人形で対応できたんですけど、『膵臓』とか無いじゃないですか。
蛙の解剖なんて小学生以来でしたよ。
最近は『人の指』とか指定されて逃げられなくて……。
執筆順:花豆/Hayato/酢豆腐/暗裏
『トリック・オア・トリート』タイトル:酢豆腐
そう言って、玄関の前に居たのは、おそらく子どもでは無かった。
白い布を被っている所はかろうじて仮装の体を成しているが、そこから伸びた力強く太くて毛深い脚、そしてその先端のハイヒールに心の危険信号が灯る。
「お菓子あげるからイタズラさせな!!」
こちらの動揺もお構いなしにそう叫ぶ白布のお化けは、毛深い足の太さに似合わない軽やかさで自分のみぞおちを蹴り上げる。
ハイヒールの赤いラメの輝きが火花みたいだった。
狙いが分かれば受けられる。
自分の肘と膝で赤い火花を挟む――蹴り足はさみ殺しだ。
だが勢いは止めきれず吹っ飛ばされてしまう。
このままではトリックもトリートもされてしまう。
次の手を考えながら立ち上がると、
既に顔面には、次の一撃が迫っていた。
走馬灯のごとく眼前の光景がゆっくりと見える。
ハロウィンに彷徨う鬼火の如き闘気を纏った足先は――。
正確にこちらの顎を撃ち抜いた。
「甘い時間をありがとう。楽しめたわ」
執筆順:暗裏/どすこい/芝生/花豆
『駆けつけるひと』タイトル:どす恋!ケツ毛大明神
子どもの頃、少しの間住んでいた町の話なんです。通りがかった大人に絶対怒られる公園があって。広くて遊具も多いから遊んでくださいって感じなのに。
だからある時大人に聞いてみたんです。なんでダメなの?って。
曰く『遊んでると、不審者が来るから』って。
でも、ターザンロープとかちょっと豪華な遊具もあるから、子どもとしてはやっぱり遊びたい訳です。
だからある時、親の目を盗んで友達とこっそりその公園に行ったんです。
遊具は沢山あるのに人が居なくてちょっと怖くなったんですけど、友達はそんなのお構いなしに遊び始めて……。その後すぐでした。
急に大声がして、遠くの方から何らかの奇声を上げながら、両手振り回した子ども服着た女の人が走って来て。
「むかで鬼!」と叫ぶ。
いや女の人、じゃなかった。
近づくと背が高いんですけど大人じゃなかった。
胴だけが異様に長い。
何人もの子どもが服の中で肩車したように。連結してたんでしょうね。
捕まっていたら、どうなっていたんでしょうか。
執筆順:芝生/花豆/Hayayo/酢豆腐
-禍々禍々禍々禍々禍々禍々-
本稿はツイキャスでの配信で行いました。アーカイブ↓
ご参加いただきました、暗裏さん、どす恋!ケツ毛大明神さん、酢豆腐さん、花豆さん、Hayatoさん、ありがとうございました!
コメントの反応も面白かったです。
多井さん(怖い話を聴いた後に一言付け足して余計にゾッとなることを言う人)も多くて、怖さにバフがかかりました。
『じゃれ禍』始まりの男、佐藤実さんのツイキャス
『じゃれ禍』筋トレといえば、いいさんのツイキャス
も是非。
※問題や修正訂正誤字脱字衍字、ございましたらご報告いただけますと幸いです。