【禍話リライト】 想像の家の中
自分に霊感――幽霊やそれに近しい存在を知覚できるか能力があるか判断する方法があるという。
それは『霊感テスト』という名称で、インターネットやいわゆる怖い話を特集した雑誌などに掲載されていた。
大体の順番はこのような流れだ。
①静かな環境で横になったり深呼吸をして心を落ち着ける。
②自宅や慣れ親しんだ家の玄関前、外に居るイメージをする。
③イメージの中で家の周囲をぐるりと見てから家の中に入る。
④家の中の扉という扉、押し入れやクローゼット、窓や勝手口などすべての扉を開けて回る。
⑤最後に玄関から外へ出て終了
となる。
話によっては開けていった扉を逆順に閉め、最後に玄関へ、となることもあるらしい。
そしてこの『霊感テスト』だが、家に幽霊がいるかどうか知る方法とも語られるらしい。
初出は一昔前なので、今でこそ怖い話好きにはよく知られる話だが、かつては怖い話好きでもなければ知らないような話だった。
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この話をたまたま知った女学生のAさんは、放課後の教室で仲が良い三人と机を囲み話をしていた。
そこで、『霊感テスト』の結末を伏せ、「心理テストみたいなもの」として話題のタネに出した。あとから「実はね……」とネタばらしをする、ドッキリを仕掛けた。
自分の家を想像して、玄関から入って、好きな順番に家中のドアとか窓とか開けて行って、最後は玄関から出てね。と。
一人が目を瞑り、想像を始める。ちゃんと開けていくんだよ。今どこ? ちゃんと二階も行った? などとはやし立てつつ、かしましく楽しんでいた。
一人目が終わらせた時に、Aさんは「誰かいた?」と尋ねた。
一人目は「誰もいなかったよ」と。続けて行った二人目は始める前に「人がいたらどうなるの?」と聞いてきたが、Aさんは「みんなが終わったら教えるね」とはぐらかして。
結局二人目も誰もいなかった言った。
三人目も行い、目を開けた。
Aさんたちが「どうだった?」と尋ねる前に「すごいねー、これ」と口を開く。
え、なにが? とAさんが返すと、
――どの部屋に行ってもお母さんがいて、背中向けて震えてるの。笑ってたのかなぁ。
詳しく聞くと、廊下でも、トイレでも、風呂場でも、リビングでも、私の部屋でも、お母さんが壁に向かって、すごい勢いで笑っているときのように肩を上下に震わせていた。という。
「それで、これで何がわかるの?」
Aさんは何も言えなかった。
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この記事は、ツイキャス「禍話」のyoutubeチャンネル、『禍話の手先』様
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から書き起こした二次創作となります。
該当回『禍話 第一夜(1)』
https://youtu.be/eRoUSGy7lhA?t=90
先人によるリライト
https://note.com/siguma_r/n/n9632696203bb
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怖い話はしない方が良いなぁ。
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