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じゃれ禍/師走のじゃれ禍2024/12/06

前文(飛ばして問題が無い部分)

『じゃれ禍』とは、オンラインでリアルタイムにリレー小説が行えるサイト、『じゃれ本』

を使って、直前のページしか読めない状況で禍々しい話(ひらたく表すと怖い話)を生み出して行きましょうよ!というマジの遊び、脳トレ、文章速筋のトレーニング、怖い話の引き出し作り的なものです。
(以上前文)

以下はその蒔いた種(タイトル)から知らない花が咲くことでおなじみの『じゃれ禍』2024年12月6日の回のまとめです。
(全て敬称略だったりじゃなかったりです。ご承知おきください)


『ぼろぼろの首』タイトル:薄暗

合コンで知り合った子が、地雷系?って格好しててさ。
首元がチョーカーとかじゃなくて包帯なんだよね。気になって聞いたら
「包帯を目立たなくする為にこういうカッコしてるんですよ〜」
って話してくれたんだ。

見た目に対して全然病んでる感じもなくてさ、話しててもどちらかといえば明るくて気が利く子でね。合コン後に何回か会うようになったんだよね。
で、いよいよ気になって包帯の理由を聞いてみた。そしたら、
「首を怪我してる、って感じにしとかないとマズいんで……」

怪訝さが顔に出ちゃってたようで、察したその子が首の包帯をさすりながら
「今怪我をしているところを狙ってくるやつなんて、ロクな存在じゃないんですよね。だから首さえ守っておけば即死は防げるんですよね」

と、包帯を外していくので中二病?と思ってると、見えてきた首の皮膚はボロボロに朽ちたプラスチックみたいで、マネキンがボロボロになったみたいな。暗い穴が開いてました。
驚いてると、手を掴まれて首の穴に引っ張られました。ズボッと指が穴に入って……ハッて気づくと、誰もいなかったんですよね。

 執筆順:暗裏/花豆/芝生/薄暗


『夜中うるさい壺』タイトル:花豆

幼少期――物心ついてから何回目だったかな。小学校高学年のころ、父方の実家に泊まった時の話。
夏休みに一人で泊まりに行って、祖父母も歓迎してくれて。暑いもんで夜中に目が覚めると、仏間の方から何か音がしてたんだよね。

恐る恐る仏間の襖を開けて中を見た。すると音がさっきよりハッキリしてね。
仏壇前の座布団の上、ポンと壺が放置されてた。柄もないただ真っ白な壺。音は壺からしてたんだよね。
昼は無かったよな……と思いながら近づいていくと、

さっきより音が具体的に分かるようになった。壺の中で何か蠢いてる音と声。
よく聞こうとして耳を近づけてみた。そしたら、
「もうちょっと…もうちょっと…」
って。
声の内容に気付いた時くらいに、壺の入り口から出てきたんです。白い指先が。

次の瞬間、耳に痛みが走りました。指先がすごい力で耳をつまみ、壺に引き込まれそうになりました。
「ほら、もう、もうだよ」
嬉しげな声でした。とにかく痛いし声も聞きたくなくて、精一杯の力で離れたんです。
――ピアス派手って思ったでしょ?その時の傷を隠すためです、コレ。

 執筆順:芝生/薄暗/暗裏/花豆

『悪夢しか見ない人』タイトル:暗裏

ウチの部署にいたAさん、なんで休職になったか知ってるか?
いやまぁ体調不良は体調不良なんだけど。原因がなんでも、不眠なんだって。そのうちおかしくなって、心配して声をかけた上司をぶん殴って、それで長期休暇さ。

「一昨日からAさんと連絡つかないみたいで、上司から様子見てきてくれって言われてさ。一緒に来てくれない?ほらお前も俺もAさんの同期ってよしみでさ」
Aさんの元を訪れると、相変わらず不眠症のようで顔色がものすごく悪い。

玄関先でAさんと話をするものの様子というか言動がおかしくて、二人でどうしたもんか……と顔を見合わせたんです。
とりあえず部屋に上がらせてもらうと部屋は殺風景なぐらい物がなくて、でもテーブルの上に小さなホワイトボードがあって。そこには

『二人が家に来る夢をみた』『二人が襲ってくる』
『先に殺さないと』『夢の通りやったら大丈夫大丈夫』
『ホワイトボードを見てるうちに後ろから殴る』
ってびっしり書いてあって。だから僕らは後ろを振り向こうとして……。

 執筆順:花豆/芝生/薄暗/暗裏

『怪談に出てくるタイプの民宿』タイトル:芝生

その民宿を選んだ理由は安かったんです。
部屋に入ったら至って普通の和室だったんですけど、押し入れの前、動かせないわざわざ畳に固定された衝立がありました。
一緒に行った友人に「何か出そう」って笑いながら言って……。言わなきゃよかったのかもしれません。

安いなりに美味しい夕食を肴に酒盛りしてダラダラしてたんですけど、夜中になると友人も酔ってダウンしちゃって暇してたんですよね。
ほろ酔い気分でなんとなく部屋の中見回してたら、衝立の先の押し入れの扉がちょっと開いてるのに気づきました。

正直、部屋に入った段階の押し入れの開き具合とか、そんなの覚えてなかっですから。少し開いてるのも気のせいかもしれないんですが、なぜか気になってしまって。
衝動的に押し入れに近づいたとこで(なんかコレ怪談の導入みたいだよな)って思って。

「どんな怪談なの?」
って。後ろから中年?くらいの女性の声が聞こえました。そうなったらもう押し入れなんかより背後が怖いじゃないですか。だから受付まで全力疾走、朝まで部屋に戻りませんでした。怪談の内容が浮かんでたらどうなってたんでしょうね?

 執筆順:薄暗/暗裏/花豆/芝生


-禍々禍々禍々禍々禍々禍々-

後記

ご参加いただきました、暗裏さん、薄暗さん、花豆さん、ありがとうございました!

本稿はツイキャスでの配信で行いました。

『じゃれ禍』始まりの男、佐藤実さんのツイキャス

『じゃれ禍』筋トレといえば、いいさんのツイキャス

も是非。

全ての事の発端、ツイキャス『禍話』

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読もう!

『たとえ軽トラが突っ込んでも僕たちは恋をやめない』
禍話の聞き手の映画ライター加藤よしきさんの単著も発売中ですって。
トラ恋って?読めば分かるさ!

モリモリ沢山ね。

※問題や修正訂正誤字脱字衍字、ございましたら何かしらの手段でご報告いただけますと幸いです。

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