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2025年三が日だよじゃれ禍/正月じゃれ禍地獄回2025/01/03

前文(飛ばして問題が無い部分)

 『じゃれ禍』とは、オンラインでリアルタイムにリレー小説が行えるサイト、『じゃれ本』

 を使って、直前のページしか読めない状況で禍々しい話(ひらたく表すと怖い話)を生み出して行きましょうよ!という、文章速筋のトレーニング、怖い話の引き出し作り的なものです。
(以上前文)

 以下はその蒔いた種(タイトル)から知らない花が咲くことでおなじみの『じゃれ禍』新年早々開催の2025年1月3日の回のまとめです。
 あけましておめでとうございます。
 後半四編は一ページ五分でリレーを行いました。

(全て敬称略だったりじゃなかったりです。ご承知おきください)


『雨上がり結晶体』タイトル:暗裏

 ちょっと変な話なんだけどさー、この前雨降ったじゃん。雨は夜更け過ぎに~~、て感じで雪になったんだけど、ウチのアパートの部屋の前に変なのが落ちててなんか透明な結晶?ぽいの。何コレ、雨上がり結晶体かよって(笑

 この辺田んぼ広がってんじゃん?夜更け過ぎに雪へと変わるだろ~つっても、ベランダ以外の雪あんま見えないんだけど(笑)
 多分この結晶も暖房の影響で変に溶けて固まったんだと思うんだよな……は?雨降ってただろ?

 いったん整理しようぜ。雨は降ってただろ?で、この結晶は、いったん暖房で溶けて、寒さで再結晶化したって事だろ。
 じゃあなんで、こんな人の顔みたいな形になってるんだ。そっくりじゃないかこの眼!鼻!お前の顔に!

「ね、福笑いみたいだね」
 と、結晶を自分の手に乗せてどろどろと自分そっくりのパーツを溶かしていくのを見て、得も言えぬ高揚感、倒錯感に苛まれた自分を恥じた。
 だから、この時期、好きじゃないんですよ。思い出して

 執筆順:Hayato/どす恋!ケツ毛大明神/芝生/薄暗

『呪い予報』タイトル:Hayato

「なんかさ、俺だけ天気予報バグってんだよね」
 口にパン残したまま喋んなよ汚ねえ。
「や、だぁってさぁ~見てよこれ。呪われてるって」
 何だよこれ。大手のアプリ使えよ。
「皆と同じやつ使ってるんだって」

 うわ!何それ!見たことないマーク!ドクロじゃん!
「そうなんだよね~」
 じゃないよ!
「で、ドクロの横に数字あるじゃん?」
 あるけどさ、天気アプリで見ないよ?ドクロも数字も。
「その数字の人数、近くでヒトシニが出るんだよね」

 ヒトシニ?そんなことある~?とその時は笑いながら次の話をして忘れていた。
 その時に何気に画面の地名を記憶してコイツの住んでる地域だな、と思った記憶はあった。
 別れた数時間後にソイツの家の近くを通ると

 レポーターっぽい人が立ってたんです。
 マイク持ってるけどカメラは居なくて、でもまるで生中継の様に話してるんです。
「予報通り呪いが通過しております。呪いは勢力を保ちつつ聞いた方へと移動するので注意を…」

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『フリーズした実況』タイトル:薄暗

 大学の頃、正月休みの癖が抜けなくて夜遅くまで起きてて、なんとなくテレビつけながらぼーっと眺めてたんですよ。
 スポーツ名場面とかだったと思うんですけど、ウトウトしてて気付いたら画面が止まってたんですよ。

 あれ、テレビ壊れた?って一瞬焦ったんですけど。良く見たらさっき見てた映像じゃないんです。
 なんか薄暗い廃墟みたいなところでリポーターがじっと立っているんです。で、リポーターの横に人がぶら下がってるんです

 何秒、何分……なのか分からないんですけど、そのままなんです。リポーターも、横にぶら下がってる人も。
 何で急にこんな映像出たのか分かんなくてもう怖くて。テレビは保証期間内だったから問い合わせたんですけど。

 テレビ自体には問題が無く周辺機器も異常無し。メーカーの人が家まで点検に来てくれたんですけど、原因は別でした。
 最近のテレビってネットにつながるじゃないですか。近隣でも同じ被害があって。
 愉快犯がいるみたいです。

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『死の動物王国』タイトル:芝生

「動物園の廃墟の〇〇パークに来てます!」
 と、知らないYouTuberが動画内で自撮りしている動画がバズっていて、それを見始めた。
 どうも二人とカメラの人だけ撮影してるらしく動画はとても暗くブレていた。

 あそこ警備システム入ってなかったっけ?許可取ったのかな〜なんて思ってたけど、画面の二人はズンズン進んでいく。
 というか、俺の知ってる〇〇パークじゃない。映像内では多頭飼育でもしてた様なゴツい檻が連なっている。

 檻の中に居るのはどう見ても動物じゃない。
 あれは……人だ。手足が異様に多かったり少なかったり、鱗や毛が大量にあるのもあるがあれは紛れもなく人だ。
 その中に見知った顔がある。
 この前行方不明になった同僚の顔だ。

 いや同僚じゃない。あれは似てるだけの動物だ。同僚の髪の毛はあんなに青くなかった、筋肉はあんな動きをしない、あの顔は同僚じゃない、あんな顔の同僚なんて知らない。あんな濡れた目と笑顔を向けられた事なんて。

 執筆順:薄暗/暗裏/Hayato/どす恋!ケツ毛大明神

『水増し餞別』タイトル:どす恋!ケツ毛大明神

 不義理は良くない、って話なんですけど。
 高校生の頃、当時の担任が定年退職するってことで、クラスでカンパし合って送りものを送ろう、って話になってね。
 すごく良い先生で素行不良児もやる気になるくらい。でも、

 バイト禁止の学校だったからカンパと言ってもお金が集まらなくて……。
 でも見た目ぐらいは豪華にしたいな~みたいな、よくある見栄というかな?そんな理由で担任の先生へのおくりものを少し誤魔化したんです、少し。

 クラスの皆でなんとか安くすまそうって分担したら、一人は花束は通学路の電信柱にあったやつをベースにして、一人はアンティークショップでやけに安かった置き時計を買ってきて、それを担任プレゼントしたんですけど。

 それがいけなかったんですかね。
 その数日後に担任、亡くなったんです。
 あの花束のあった場所で事故に遭って。
 それで、後から知ったんですけど事故にあった時間、先生が亡くなった時間にあの置き時計が壊れたって。
 私達のせい……ですかね?

 執筆順:芝生/薄暗/暗裏/Hayato

『遺影の専門学校』タイトル:どす恋!ケツ毛大明神

 小学校の時の友人が亡くなったんで、お葬式に行ったんです。
 まだ若いのに、ってみんな落ち込んでたんですけど、遺影見たら全員フリーズしてましたよ。
 だって彼女が通ってた学校が遺影に写ってたんですから。

 当然ざわついたんですが、彼女の親族たちは、まぁ悲しみの遺族たち、って感じの悲しみ方してて、騒ぐに騒げなかったんです。
 火葬を待っている間『遺影おかしくない?なんで学校の写真?』って幼馴染と話てたんですが、

 んー、分からないけど写真がなかったんじゃないか?と現実的な結論になって話は終わったんですよ。
 終わった、と思ってたんですけど、火葬が終わりご遺族も帰られた後に
「あれさ、当てつけとかそういうのなんじゃない?」

「お前のこれまでの行いの結果がこれなんだって、遺族全員で認識させようとしたんじゃないかな。親戚同士でお互い深追いしてくれるなって雰囲気出し合ってたしさ」って。
 俺、ここまで空気読める自信なくて、学校辞めました。

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『命乞いする開かずの部屋』タイトル:薄暗

 うちの母校、開かずの部屋があったんですよね。
 別に怪しい所はないんですよ、少子化で余った教室を改装してるっていうだけの部屋。
 でも年に1回、卒業式の前日だけ三年生の授業で使うらしくて。

 わざわざ南京錠で施錠されてる扉を開けて入ったんです。
 中も別に普通の教室なんですけど、教卓にテレビデオが置かれてて、黒板には『命乞いについて』って書かれてました。
 先生が無言でビデオを再生しました。

 小さいテレビデオの画面を、なぜか全員じっと見てしまいました。
 映像では昭和初期の教育番組みたいな、男の声で棒読みのアナウンスがされていました
「正しい命乞いを憶えましょう。それがこの先の人生を切り開きます」と。

 命乞いの仕方が流れるんですけど、それをやってみろと画面の中の人は言ってくるのでやってみたんですが、途中で部屋の扉が開いて知らない人が入ってきて
「こうするんだよぉ」
 と頭を押さえつけられました。その時に出来た傷がこれです。

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『膵臓デリバリー』タイトル:芝生

 どうも誰かがデリバリーのバイトを辞めたのか、ゴミ捨て場にデリバリー用のバッグが捨てられていたが、横から赤褐色の色水が伝ってこぼれていて、思わず中を見ると何か赤黒い臓器が入っていた。

 開けた途端に広がるむわりとした異臭、赤黒くはあるが鮮やかな色。
 このデリバリーバッグが置かれてからあまり時間は経っていないようだった。ともすると、まだ近くに捨て……落とした人間がいるかもしれない。

 咄嗟に「あの!落とした方いらっしゃいませんか!!」って叫んでたんです。
 誰かに押し付けたい気持ちが出たんでしょうね。
 だから、ビックリしました。
「あ、それ私のです」
 って後ろから返ってきたのには。

 そこに立っていたのは、始めてみる男性でした。
「ちょうど先日失ってしまいましてね。助かりました」
 うしろめたさと急な出来事っぷりにで何も言えずに、無言で手渡しました。
 この夢を祖母に話すと
「……あんたの曽祖父は膵臓がね」

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『胸囲が八尺様』タイトル:暗裏

 あけましておめでとう!早速なんだけど、初夢、どんなんだった?変な夢見ちゃってさ、聞いてくれない?
 自分は子どもになっててさ、自分の地元とは違う田舎を歩いてて(夏休み、なにしようかな?)って考えてた。

 そしたらさ、何か巨大な鏡餅が出てきてね。
 おかしいよね。でもね、それが日に当たってないような人間の白い皮膚で出来てて道を塞いでるんだよ。
 え、なんで皮膚って思ったか?その鏡餅みたいなの汗かいてたから。

 そう、汗かいてたんだよ。道塞いでるのが一瞬鏡餅かと思ったんだけどさ。
 何で汗って思ったか?そりゃ匂いでわかるよ。味もそうだし。あとはあれかな、うっすら血管浮いてるから
「あ、これ人間だ」って。

 あったかいし柔らかいし、やっぱ人肌っていいものですよね。
 だから持ち帰りました。
 さっき味の話もしましたよね?なので食事にも困らないしホント助かりますよ。
 貴方もそう思うでしょ?いい座り心地だって。

 執筆順:芝生/薄暗/どす恋!ケツ毛大明神/暗裏

-禍々禍々禍々禍々禍々禍々-

後記

 ご参加いただきました、暗裏さん、どす恋!ケツ毛大明神さん、薄暗さん、Hayatoさん、ありがとうございました!

 本稿はツイキャスでの配信で行いました。

 『じゃれ禍』始まりの男、佐藤実さんのツイキャス

 『じゃれ禍』筋トレといえば、いいさんのツイキャス

 も是非。

 全ての事の発端、ツイキャス『禍話』

 いつまで続くのか、終わりはないかもしれない。それがじゃれ禍。か?
今年もよろしくお願いします。

※問題や修正訂正誤字脱字衍字、ございましたら何かしらの手段でご報告いただけますと幸いです。

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