shibu_usagi

建築のこと、民藝運動のこと、芸術のこと。

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最近の記事

SNSによる建築批判について

少し前、安藤忠雄氏が設計、寄附した子ども本の森神戸についての批判ツイートが広まり、賛否両論を巻き起こした。 日本においては、なぜか時折、建築への批判がSNSを中心に起こる。 この批判をしているのは本当に一部の人であるが、彼らの言論があまりにも真っ当であるように見えるがゆえに、何も知らずに批判をリツイートしてしまう人も後を絶たない。 この記事はそんな批判が巻き起こるメカニズム自体を考えるものである。 まず、施設を設計した安藤忠雄氏は日本を代表する建築家の一人であるが、その発

    • 景観と公共建築についてー大阪中之島美術館の考察ー

      大阪中之島美術館がオープンした。 大阪でもこの規模の単体の公共建築が完成したのは何十年ぶりなんだろうと思う。 大きな建物をまとめるのはそれだけでとてつもない労力が必要だけど、そこに美的な価値を付加するのは言わずもがな、設計者、施工者の多大な労力が要る。 その多大な労力をかけて美術館が立ち上がったことは難しい話を抜きにして祝福されるべきことだと思う。   大阪中之島美術館を景観問題の中で語るのはどうかとも思うが、この建築の建設案が決まろうとする際、世間は国立競技場問題に沸いて

      • 光を纏う部屋について

        この言葉が適切かどうか分からないが、何故か惹きつけられる部屋のシーンがある。 ここでいう部屋というのは、不動産屋が賃貸を市場に出すための、4LDKといった記号化された、ドライな部屋をいうのではなくて、その生活者の記憶や文化そのものを宿しているような、生活空間としての部屋のことを指している。 まずは、画家や映画監督によって切り取られた部屋を、独断と偏見で2つ。 デンマークの画家ハマースホイと、日本の映画監督、小津安二郎のワンシーンを乱暴にも並べてみる。 異なる文化圏、時