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「書く習慣」1ヶ月チャレンジ27日目:誰かに言われた大切な言葉


(1)清掃はやさしさ

羽田空港を「世界一清潔な空港部門」世界1位にした人がいる。新津春子さん。NHK番組「プロフェッショナル~仕事の流儀」で紹介され、その徹底した仕事ぶりと明るい人柄が評判となった。汚れを見つけるとなぜか笑顔になる。そんな新津さんは、「清掃はやさしさ」と語る。使う人の気持ちを思いやることを突き詰めた結果、心を込めて清掃することを信条としている。

(2)忘れられない上司からの言葉

新津さんの清掃人生に大きな影響を与えてくれたのが、上司の鈴木優さんである。
 
27歳のときに、ビルクリーニングの全国大会に出場した新津さん。優勝する自信はあった。しかし結果は2位。その時に鈴木さんからこう言われた。
「君には優しさが足りないんじゃ無いかな」「もっと心を込めなさい」
 
はじめは意味がわからなかった。しかし、次第に自分の清掃は自己満足だったことに気がついた。
そして利用者の気持ちになってみると、見える世界が変わった。
利用者の邪魔にならないように、また目の届かないところにも気を配ってあげられるようになった。
 
そして、迎えた翌年の全国大会で、新津さんは見事優勝を果たした。
新津さんは喜びを鈴木さんに1番に報告した。自分に足りないところを指摘してくれた鈴木さんに、お礼を伝えたかった。すると、鈴木さんから思いがけない言葉が返ってきた。
 
 
「優勝するのはわかっていましたよ」
 
 
この言葉を聞いたとき、新津さんは生まれて初めて誰かから認められた気持ちになったという。
悩み葛藤しながらも、努力し続ける様子を見てきたからこそ発せられたものだと悟った。
 
新津はさんはその後も、心を込めて掃除をすることを心掛けた。
次第に、自分を取り巻く環境が変化していることに気がついた。
利用者からは「おつかれさま」「いつもありがとう」と声を掛けられるようになった。
 
新津さんと鈴木さんの間にある強い信頼関係を想い、胸が熱くなったことを覚えている。

(3)父との思い出

そういえば、私にも似たようなことがあった。
それは大学受験のころ。
私は高3の夏、部活を引退し、7月~2月まで、我ながらよく勉強した期間だったと思う。
合格発表の日。無事に合格できたとき、単身赴任からたまたま帰っていた父から言われた。
 
「お前のこれまでの姿を見ていたら、合格するだろうな、って思っていたよ」
 
この頃、毎月に数回くらいしか帰ってこない父だったが、その間も私のことをよく見てくれていたのか。
不安で仕方がなかった受験の日々だったが、その中でも応援してくれていたのだと思うとすごく嬉しかったのを覚えている。

(4)息子へ

時を経て、今日は小学生の息子の将棋の大会があり、結果は見事に優勝をすることができた。
詰め将棋の本を読んだりして、楽しそうに取り組んでいた姿を思い出す。
 
もらった賞状を眺めながら、嬉しそうな息子の横顔に、そっと声を掛ける。
 

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