「戦略的いい人 残念ないい人 の考え方」(著者:けーりん)を読んでみた!
著者のけーりんさんは、悩みを抱えていました。
「いい人と言われるのに、いつもちょっと損している気がする」
「競争は苦手で遠慮してしまう」
「がんばっても報われない」
学生時代から「がんばる」ことが大事だと信じて、苦手なことをこなすことに力を入れてきた一方で、競争が苦手なためにうまく自分の力を発揮できないモヤモヤを抱えてきたそうです。
そんな中、けーりんさんが起業家であり作家の小田桐あさぎさんとの出会いをきっかけにして、戦わずに得をする秘訣を学び、さらには得意なことをしているだけなのに、仕事も家庭もうまく回り始めたストーリーを紹介してくれています。
「戦略的ないい人」とは?
・誰とも戦わずに人の力を借りて成功する生き方、働き方をする人
・自分だけでなく最終的にみんなが得をする考え方をする人
この戦略的ないい人の生き方を実践することで、人間関係が飛躍的に改善され、人の力を借りることができるようになります。その結果、仕事が楽に進み、収入も上がる。さらには周りには喜んでもらえ、自分の仲間も増えていくのです。
けーりんさんは、これまで成功した人々のストーリーを眺めながら、「運が良かった」「センスや才能がある」「人間関係に恵まれていた」などといった一言で片付けられてきた部分について言語化したかったと述べています。そのため、系統的に理解しながら読み進めることができる内容になっています。
本著において特に印象に残った部分について、私の感想を交えつつお伝えしたいと思います。
(1)ブリッジの視点を持つこと
Bridge=橋渡し役になること。例えば…
・いいものを紹介する
・その人の価値を言語化してあげる
・全体の成功を考えて動く
・誰かの言いにくいことを代弁してみる
・シュートしやすいようなパスを出すこと
などが挙げられます。
(2)返報性の原理とは?
人はもらいすぎることができない生き物である。そのため与えてもらったと思ったら返してくれる。そこで、相手が欲しいものを先に出すことを習慣にしてみましょう。以下、明日から始められる習慣です。
(3)人に頼り、お願いすること
・自分にとって簡単なことで貢献し、苦手なことをお願いしてみましょう。そのうえで人の手柄を周囲に伝えることを忘れないことです。
・「○○さんが発案してくれました」
・「○○さんがつくってくれたものです」
という具合に、その人の魅力を発信していくことで、感謝の気持ちを表します。
また、橋渡しを意識すると人が集まってくる。頼った人の「自己重要感」を満たし、役割をつくっていきます。
「○○さんはこんな方だよ」
「○○さんがあなたのこんな話をしていたよ」
と相手に伝えたら喜ばれることを橋渡ししていく習慣をつけましょう。
(4)競争が苦手な人は視点を変えてみよう
かつて競争することを苦手に感じていたけーりんさん。
個人戦ではなく、団体戦なのだと考え、その中でメンバーの誰かを先に勝たせる方法を考えることが大切といいます。
自分が勝とうとするよりも、勝てそうな人が圧勝することを手伝うことで感謝されていずれ自分に返ってきます。
また、その際に相手が誰であっても態度を変えないことを心掛けること。けーりんさんのこれまでの経験の中で、チャンスは思いがけない人が与えてくれるということを実感することが多かったためです。上司、同僚、部下、関係者、立場の違いがあっても、同じ態度を取ることは難しいことですが、だからこそ実践できる姿を誰かが必ず見ています。
おわりに
「戦略」というとずる賢い言葉に感じるかも知れませんが…とけーりんさんは前置きをした上で、「戦略とは思いやりである」と断言しています。
この考え方の根本にあるのは、相手の目的を先に果たしてあげることで、結果的に自分の目的も達成していること。相手ファーストの姿勢が、気がついたら自分も一緒に成功しているイメージになります。
また、人は頑張っている間はなかなかうまくいかない。うまくいくときは夢中になっているとき、とも書かれています。
相手を幸せにすることに夢中になっている間に、気がついたら自分もうまくいっていたらとてもステキだと思います。
そんな考え方のヒントがたくさん詰まった1冊だと思いました。
気になった方は是非手に取って読んでみてください。