伝え手
あけましておめでとうございます。
あまりに味気ない普段の朝だったので、ありわせでお雑煮っぽいものを作ってみた。昨晩、年越しそばを茹でた蕎麦湯で残ってた野菜を軽く煮て、カニカマと冷凍しておいた柚子の皮を添える。
ほんだしとコンソメを等量溶き、醤油で香り付け。
餅も肉も入ってないけど、おいしい。
実はこの味付けは、元義母に教わったもの。
とても手軽に雑煮っぽい風味を出せる。
義父母も義きょうだいたちも良い人だっただけに、縁がなくなって残念だけど、美味しいものは縁と関係なく、こうやって次に広げていける。
去年の暮のある瞬間、自分の役目は、生き残ることではなく、残して伝えることなのかもしれないと感じた。
料理も絵も。
そう考えると、少々あれこれ手を広げすぎていた一年だった。
いつも、とにかく時間が足りないと感じるから。
手に残すものを選ぶべきかもしれない今月、49歳になる。
生を受けて半世紀も近い元旦、着地点に目を向けた。