団地まるごとリノベーション〜ひのさと48〜
福岡県宗像市にある日の里団地は、1971年に日本住宅公団(現UR都市機構)が開発した九州最大級の団地です。
最盛期には約2万人が暮らしていたエリアですが、2021年には2千人程度まで減少してしまいました。
そういった中で地域を盛り上げていくために、団地1棟をリノベーションしてできたコミュニティ施設「ひのさと48」について紹介していきます。
日の里団地は人口減少に伴い、UR都市機構により団地の移転集約がなされました。そこで生まれた団地10棟が並ぶ余剰地で、団地再生プロジェクトがスタートします。
団地10棟のうち9棟は取り壊され戸建てエリアとなり、残り1棟には西部ガスと東邦レオが運営する「ひのさと48」ができました。
ひのさと48の1階には団地クラフトビールショップ「ひのさとブリュワリー」、最新の木工加工機が設置された「じゃじゃうま工房」、コミュニティカフェ「みどりto ゆかり」、シェアキッチン「箱とKITCHEN」、認可保育園「ひかり幼育園 ひのさと分園」が入居。
2階には発達支援を行う拠点「げんきっこくらぶ るーつ」が入居し、多様な人が集まるコミュニケーションのハブとなっています。
特徴的なのがクラフトビールです。日本初となる団地の1室で醸造したビールであり、宗像で栽培が盛んな大麦が使われています。ビールをきっかけに宗像の特産物を知れる、こういった試みは今後増えていくといいですね。
コミュニティカフェ「みどりtoゆかり」では、ベランダをウッドデッキにリノベーションしており、ベランダ側から店内へ入ります。
野菜が多く入ったおばんざいランチが特に人気で、団地でつくったビールも飲めちゃいます。
また、店内には駄菓子エリアもあるので、子どもたちで賑わっています。
また、ここでは地域の子どもたちも一緒に地域をつくっています。地域の小中学校で構成する日の里学園の生徒たちと共に、日の里を盛り上げる方法を考えていきました。
そこで考えたのが団地の壁面にクライミングウォールを設置するという斬新な案です。笑
地域型のクラウドファンディングを活用し、見事目標額に達した事でこの案が実現されました。
事業の主な収入源は賃料ですが、テナントの誘致は急いではいません。採算というよりはビジョンに共感して入居してくれる人を誘致したいという考えからのようです。
その成果もあり、今では様々なコトが起きています。今後も持続的に活動を続け、ひのさと48ができて10年後となる2031年を目処に地域に運営を引き継いでいく方針です。
これからもひのさと48をハブとして、団地全体が盛り上がっていくといいですね!
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