お金の本質〜きみのお金は誰のため〜
最近、マネー本にはまっています。
新NISAの導入によって現在投資ブームです。そんな中、本著はお金の本質を1から説明するといった他のマネー本とは異なるものです。ですが、そこが参考になり面白いところです。
今回は備忘録として、お金の本質について記載していこうと思います。
①お金自体には価値がない
何気なく使っているお金ですが、なぜお金に価値を感じるのでしょうか?
国がお金を発行しただけでは何も価値を生みません。いわばただの紙切れです。
しかし、税金を納めるためにお金が必要となったら、国民にとってはとたんに価値ができますよね。税金を納めないと家を没収されるなど生活ができなくなるからです。
これらを踏まえると、税金の導入で国民にとっては価値が生まれますが、国全体では別に何も変わりません。つまりお金自体には価値がないということです。
税金を導入したら、次は給料が登場します。公務員に給料を支払い政府の仕事をしてもらったり、政府の仕事以外にも居酒屋のような民間の仕事にも給料が支払われるようになります。
こうして個人間でお金が回り始めます。つまりお金を介して、みんながお互いのために働く社会へと変貌していったのです。
②お金で解決できる問題はない
資本主義の世の中で生きているとお金さえあれば何でも解決できると思っちゃいがちですよね。
しかし、本著では改めて「お金を使う」ということを深く考えています。
お金で問題を解決できるのは、そのお金が使えるときだけです。当たり前ですが、日本円は海外ではほとんど使えません。
また、お金を使うってことは、受け取ってくれる人がいて、その人が働いてくれるから問題を解決できるということになります。つまりお金が問題を解決してくれるというわけではなく、お金を介して働いてくれる人がいるから問題が解決されます。
③みんなでお金を貯めても意味がない
昨今の投資ブームにより投資を始めたという人は多いのではないでしょうか。
その点についても著者は警鐘を鳴らしています。なぜなら「みんなでお金を貯めても意味がない」からです。これはどういう意味なのでしょうか?
例えば人口100人の街で、現時点ではおにぎりが100個つくれます。しかし、50年後には労働人口の減少で50個しかつくれません。この場合、みんながお金を持っていてもつくれる個数は限られているので、結局はおにぎりの値段が高騰化するのみで根本的な解決にはなりません。
つまり個人の視点ではおにぎりを買うためにお金を貯めることに意味はありますが、全体で考えると生産数を増やさない限りは何の解決にはならないということです。
④格差の謎
資本主義のお金がある所にお金が集まるという性質上、格差が広がる傾向があります。
現代においてはバス一台に乗る大富豪が下半分の36億人と同等の資産を持つまでに格差は広がっているとも言われています。
しかし、暮らしの格差についてはどうでしょうか?お金持ちだろうと貧乏だろうとみんなスマホを使っています。スマホの登場により情報格差はほとんど無くなりました。
また、億万長者の多くは創業者です。アップルやグーグルなど大富豪の多くは、みんなが使うサービスを提供しています。つまり暮らしの格差を縮める者が、結果的に大富豪となっています。
こうして見るとお金の格差は広がっていますが、暮らしの格差は徐々に縮まっているのではないでしょうか。
⑤国の借金
現在、日本政府の借金は1200兆円になります。この借金は政府が道路建設など国の事業でできたものです。国の事業で借金をする場合は、国の内側にいる人が働いています。
一方でギリシャなどの国は借金が原因で破綻の危機にありました。これらの国は借金をして、国の外側にいる人たちに働いてもらっていました。それが原因でお金が外国にどんどん流れていき、将来世代が働いて返さないといけなくなりました。要するに外国へのツケが増えすぎたということです。
⑥誰のために働くのか
「働く」と聞くと「お金を稼ぐ」というワードに変換しがちです。家事や育児も働いているにも関わらず、働くという意味では捉えられません。これは無意識にお金の奴隷になっている証拠です。
本来の働くとは、誰かの為になるための行動です。お金の導入によって働くが一気に広まりましたが、同時に誰かの為にという意識が薄まってしまいました。ここが一番の問題ではないでしょうか。
本著をきっかけに改めてお金の為に働くのではなく、自分の仕事が誰かの為にたっているというのを意識していきたいですね。
それと同時に自分の大切な人のためにお金を使う。こういった意識がお金の良い循環につながる気がします。
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