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千葉ロッテマリーンズの経営

プロ野球千葉ロッテマリーンズは、球団設立以来50年間ずっと単体赤字でした。しかし、2018年に球団創立以来初の単体黒字を達成しました。
今回は2014年から2019年まで社長として再生を手がけた元銀行員・山室晋也氏のアイデアを深掘りしていきたいと思います。

まず手掛けていったのは千葉ロッテマリーンズのブランド向上です。
球団運営とは、広告代理店のようなものです。「千葉ロッテマリーンズ」というチームをコンテンツ化し、グッズを製作して販売したり、球場やユニフォームに広告を出稿してもらっています。
そのため、まずはコンテンツ自体のブランド向上を図ることが大切です。

マリーンズブランドとして象徴的なのは「意外性」「ファンの応援」「ファンサービス」の3つです。
2005年にはシーズンを2位で終えながら、プレーオフと日本シリーズで勝ち抜き日本一となりました。2010年にはシーズン3位でありながら、クライマックスシリーズと日本シリーズを勝ち抜き「プロ野球史上最大の下克上」を達成します。
このような意外性がマリーンズにはあります。

2つ目の応援は、声と手拍子を中心とした独特のスタイルで日本一声量の大きい応援です。高校野球の応援にも多く採用されており、全国的にも有名な応援です。
3つ目は「マリーンズカンパイガールズ」「謎の魚」など独自のファンサービスが多くあります。特に謎のマスコット謎の魚は当時かなりの反響がありました。

そんな3つのブランドを掲げ、様々な施策を打ちだしていきます。
意外性や応援はSNS発信により、多くの人に浸透していきました。特にマリーンズは公式YouTubeチャンネルに力を入れており、試合前に円陣を組んで声を出したり、勝った試合後にロッカールームでリラックスしながら試合を振り返ったりといった選手の自然な姿を発信し、大きな反響を得ています。

ファンサービスでも多様なコンテンツを用意しています。前述の「マリーンズカンパイガールズ」や「謎の魚」は5年前程の山室社長時代に突飛なファンサービスを提供していました。
ここ最近は2021年から始まった夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEK」に特に注力しています。「BLACK SUMMER WEEK」では夏のマリンスタジアムでしか体感できない催しで目白押しです。
(主なコンテンツ)
リミテッドユニフォーム…期間限定のユニフォーム
イベント…BMXパフォーマンス、DJブース、花火、試合後のウォーターフェスなど
スペシャルゲスト…ELLY、Dream Ami、綱啓永などの豪華ゲスト

BLACK SUMMER WEEK

このような施策の効果もあり、2024年今季の観客動員数は球団史上最速で100万人を突破しました。昨年の年間観客動員数が球団最多ということから、右肩上がりで観客数が増えていることが分かります。
球団としても1軍が使うzozoマリンスタジアムの近隣地での建替え計画や、浦和にある2軍の千葉市移転などが検討されているところです。
新球場が完成し、1・2軍が同地域にいたらますます千葉市が盛り上がりそうです。今後の千葉ロッテマリーンズの動向に注目です。


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