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せんべろのまち〜赤羽〜
東京都北区の赤羽駅東口にある赤羽一番街商店街には、1000円でべろべろに酔える酒場が集まる「せんべろの街」として広く認知されています。
昔ながらの活気ある街並みには、飲食店を中心に約100店舗が並んでいます。
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駅東口から徒歩1分の場所にあり、商店街入口に入ったメイン通りには右も左も飲食店でいっぱいです。
メイン通りの目玉は鯉とうなぎ料理が名物の「まるます家」です。うなぎの蒲焼と酢味噌で鯉の洗いが特に人気です。
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少し角に進んでいくと、アーケードのある通り「一番街シルクロード」があります。レトロな雰囲気があり、昼間から飲んでいる人も多くいます。笑
アーケード内での名物はおでんの老舗「丸健水産」です。おでん後のMaru CUPの出汁割りが締めの定番です。
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シルクロードを抜けていくと飲み屋街に囲まれるように赤羽小学校があります。なぜ飲み屋街に小学校が位置するのでしょうか?
赤羽小学校は1876年に開校し、1902年に現在の地に移転してきました。当時、周辺は田んぼだらけでしたが、駅周辺が繁華になっていった結果、飲み屋街に囲まれるようになりました。
70~80年前は東京一の商店街と称され、衣類や食品等を販売するごく普通の商店街でした。しかし、2011年の駅中施設「エキュート赤羽」が開業したことにより、商店から飲み屋に業態を変えた例が多かったようです。
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そんな赤羽一番街商店街ですが、商店街を第1〜第3地区に分けた3つの再開発計画が進められています。
先行する第1地区では、野村不動産により地上26階、高さ約108mの住宅・商業の複合施設が建設されます。2026年度工事着手、2029年度竣工予定となっています。
第2・第3地区は赤羽らしい飲み屋が密集するエリアです。今のところ、この2エリアは準備組合が設立された段階です。
また、再開発ビルの日影やビル風などによる小学校の教育環境への影響が懸念されることから、赤羽小学校の移転も検討されているようです。
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再開発により、せんべろのまちが徐々に変わっていくのは寂しい気もしますが、小規模な建物が密集しているため火災など防災リスクがあるのも現実です。
再開発全般に言えますが、既存の建物を取り壊し再整備するので画一的なものになりがちです。それまでの風情ある風景を残しつつ、整備を進めていく手法はなかなかありません。
赤羽では道路拡幅など防災面の安全性を確保していきながら、赤羽らしいせんべろの風景が残した新しい再開発のあり方になると面白そうです。