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投資立国ではなく文化立国へ/花火大会を全力で支えよう
昨夜は、秋田大曲の全国花火競技大会だった。この競技大会は各業者が、本当にやりたいことをやることができる貴重な場。業界の動向や、花火師たちが考えていることがわかるので、私は毎年欠かさず見ている。
創造花火の部で優勝したのは、ワタクシ一押しの伊那火工・堀内煙火店。自由玉の部でも入賞した。自分の目の確かさに、我ながら惚れ惚れする(どや顔) さっそく、お祝いメールを送っておいた。
季節を先取りし、初秋の田んぼをトンボが飛んでいるような風景を、和美を使った最小限の表現で見せてくれた。和美とは、江戸時代に確立された日本独特の花火技術で、美しい橙色が特徴だ。堀内煙火店は抑えた表現が得意で、他に類を見ない静の美に秀でている。
他には新潟の和美屋(社名)が、やはり和美を中心にして白と青を加えた「雪と氷の国 アイスランド」を披露。とても美しかった。また「お母さんありがとう、私を産んでくれて」という意表をついた題名の創造花火もあった。代替わりで、若い女性が代表になったのかもしれない。
今年は大曲チームが、7月にトロントの花火競技会に参加して銅賞を取ったが。欧米風の音楽に合わせて華やかに打ち上げるだけでは、日本花火の良さが活かしきれないという難点がある。
しかも採点するのが白人では、あちらの価値観に合わせなくてはならないし、そこが難しいところだと感した。グローバル化の中でも、自分を見失わないということが求められていると思う。
フィギュアの羽生結弦が、初めて金メダルを獲った時の演技が「陰陽師」で、それをニューヨークタイムスが「この世のものとは思えない美しさ」と称えたのである。
白人のスポーツであるフィギュアで、日本人が「陰陽師」で金メダルを獲ったのは画期的だった。日本の花火が、自分らしさを失わずに世界に出ていくことは充分に可能だと考える。
花火大会はいま曲がり角に来ているが、何とか自治体の工夫で乗り切ってもらいたい。警備費その他の経費が高騰している中、今までのように自治体が全て負担するのは確かに難しい。そこは観客も意識を変えなくてはいけない。
だからと言っていきなり数万円のVIP席を作るのではなく、広く薄く一人500円ぐらいを負担してもらい、あとは1万円ぐらいの指定席を作るという形にしたらどうだろうか。旅行代理店などと提携して、外国人観光客を指定席に誘導するという方法もある。
新聞で「専門家」が「小規模なドローンショーに置き換わっていくのではないか」などと傍観者的なことを言ってたが、とんでもない話だ。花火は伝統芸能の中で唯一、今も生活の中に生きていて多くの需要がある。長い歴史と技術の結晶でもあり、日本の大切な文化だ。維持していくために、全力でやり方を工夫するべきである。
昨日の競技大会でも昼間、ドローンとの共演があったそうで驚いた。ただ解説者が、「『音がして、すぐに消える』という花火の良さがわかった」と言っていて、そういう共存の仕方もあるのかなと感じた次第である。共存でも何でもいいから、花火大会が縮小することのないよう、私もファンとして応援していくつもりだ。
花火大会の今後や運営について、多くの人に関心を持ってもらいたい。これからの日本は、文化立国として存在感を示していくしかない。鈴木財務大臣は、官僚が書いた原稿を顔も上げずに読んで「投資立国として」なんて言っていたが、何を夢見ているんだか。
日本人は、アメリカや外資に蓄えを奪い取られないよう、せいぜい注意することだ。NTTも東京メトロも、完全民営化と言えば聞こえはいいが、実態は外資の優遇だ。これで、中身空っぽのポエムしか出てこない小泉進次郎が総裁になったら、今度は農協マネーが強奪されかない。
岸田首相はロンドンのシティで、「日本人の預貯金を株式市場に吐き出させる」と言った。これが新NISAの本当の狙いである。国策に乗って騙されてはいけない。満洲開拓の二の舞になる。