少子化の道を歩み、社会が疲弊して経済が傾いていった日本の現代史
少子化が問題化したのは30年以上前。1.57ショックと言われた。あれから30年あまり、政府は本気で取り組まず、基本的には放置してきた。
「女が我がままになったからだ」と考えていたからである。恐らく今でもそう思っている。そして、高齢男性が権力を握る仕組みを死守してきた。
私は少子化に関して、森喜朗が言った言葉を忘れることができない、「結婚も子育てもせずに独身生活を謳歌して、年齢を重ねて云々」と、女性を非難したのだ。
そして、少子化の最後の歯止めになるはずだった団塊ジュニアを、就職氷河期世代にして放置。非正規のまま中高年にしたのである。
もちろん財界も同調。というより、財界は正社員を減らして非正規を増やすことを基本方針に据えた。そしてリストラ解雇を繰り返し、正社員の給与を30年以上据え置いたのである。
一方、リクルートに代表される情報産業は、雇用の不安定化をビジネスチャンスにして転職をすすめ、パソナに代表される派遣会社が雨後の筍のように誕生した。今も、そういうテレビCMが山ほど流れている。
これが、30年も給与が上がらず少子化の道を歩み、社会が疲弊して経済が傾いた日本の現代史である。
今に至るも、政府は「非正規を減らす」とはひことこも言っていない。非正規と正社員の低賃金は、日本経済の常識となってしまった。
そして今年、国総体としてのGDPでドイツに抜かれる。一人当たりに至っては昨年、台湾に抜かれ、今年韓国に抜かれる。