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「良かれと思って」がおおよそヤブ医者の見立てだっていう話
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今日は終日ワークショップで(参加者であり担い手でもある)、いつになく抽象と具体の問いを行ったり来たりして頭を使って、心地よく疲労できた日だった。幸せ。この手の話、いつまでも語り合える。
午前(哲学対話)は参加者で、午後は担い手で、でもまあやっていたことは終日よく似ていた(内容は違うのだけど、自分の在り方としてね)。
その午後の話。
こんなテーマでした。
キャリア(人生)というのはみな、本当に誰一人同じ人はいなくて、その人の物語はどれも味わい深くて面白いのだけど、本人も周りもその深さに案外気が付いていないし、それをあえて語る場もないのが通常のこと。それをわざわざこんな場を作って語ってもらって、
「自分が今日まで思っていた自分の物語」を、問われて語っていくと、「今日再び生まれた物語」として再構築されていく。そんな時間を体験してもらうことが狙いだった。
難しそうでしょ?でもね、そんなことないのよ(そうなるように作っているからね)
集まった初めましてのみなさんがそれぞれに、びっくりするほど深く語り合い気づいていく様子を見ていて思ったのは
「なぜここではこんな風に深い語り合いが起きるのに、研修の場ではこの3分の1も語り合われないのだろうか」ということ(苦笑)
この場と研修などの場の違いは
・私が有志の参加者のライフラインチャート(人生の気持ちの浮き沈みを書いたグラフ)をどう問うかをみんなの前でやって見せたこと
…と、参加者がそもそも「自ら望んでこの場にいること」。そこが大きいのだろうな。
やることは同じでも、語り手が出してくれる情報の深さが全く異なっていたよね。
そうなるために事前に強調したのは
・この場で聞いたことはこの場限りに(安心安全)
・自分軸で問わずに、相手の語りの中の「ここはわからない」を純粋に聴こう。
ということ。
特に後者の「純粋に聴く」をやってみせ、みんなにも強調した。
純粋に聴く、というのは、話し手の話を「こういうことがいいたいのだろうな」「きっとこういう趣旨で伝えたいんだろうな」「こんな課題があるってことなんだろうな」「この人はこういうタイプなんだろうな」という、ふと頭に浮かぶ「仮説」「見立て」を前提にしないで、ただまっすぐ聴く、ということ。
逆に、その仮説ってやつがあるとどう聴き方が変わるのかというと、
「体調が悪くて」と言っている患者に「多分インフルエンザだよね」と見立てて、インフルエンザにつながる症状を確認する態度、というやつ。それをしてしまうと、患者には実は体調不良の中に、背中が痛いとか、数日前に海外から帰ってきたばかりでとか、足の裏に変な違和感があるとか、ようは「インフルエンザの想定」では出てこない訴えを聞き漏らすということで、重大な病気を見落としかねないよね、みたいなこと。
あなたのその「仮説」ってやつは、つまりヤブ医者の決めつけかもしれないよ、ってこと。
でも大半の「ヤブ医者的な問い」を出している人にはかなりの確率で「相手の役に立ちたい」「自分は相手の役に立てる情報(や指導力)がある」「だから早く解決してあげたい」というニーズがあったりして、つまり「いい人」でもあるから、ことはややこしい。
良かれと思って、なのだ。
親が子に、上司が部下に、親友の悩みに…わたしたちはうっかりこの「藪医者モード」を発動させている。そして心を込めて伝えたりアドバイスしたりしたそれらの多くが
・スルーされる
・めんどくさいと思われる
・上から目線でうっとおしいと言われる
…という不幸に陥る(笑)。ほら、思春期の親子の会話とかね(身に覚えがありすぎて痛い・笑)。
やるべきは、その「役に立ちたい」「ワタシならできる」「答えを知ってるから教えたい」をちょっと横に置くこと。
そして「今、私が仮に見立てているコレ、ほんとうにそうか?」と疑ってその前提を封鎖して、まずはまっすぐ「何を相手は伝えたいと思っているのだろう」「相手の言葉の中にある◎◎(という一般的な単語)の意味するところはなんだろう」と、ちゃんと疑問にもって確認すること。そうすると、ヤブ医者時代には見えなかった意外な姿を相手が見せてくれたりする。その喜びは、ヤブな診断して「できたつもり」になっていたときとは、次元が違うものなのだよ。
とかいって、このあたりわたしに気づかせてくれた過去のたくさんのお客様がいてくれてこそだから、ただただ感謝しかない。
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