「水を飲む」のは自分だと思っている人が、キャリア支援を思い切り活かせる人
「のどが渇いている人を水場に連れていくことはできるが、水を飲ませることは出来ない」って話がある。無理やり桶に顔を突っ込めば飲むかもしれないけど、基本的には「飲もうとする」のは本人の力が必要。
…なんて当たり前のことを今さらなんで?
私の能力不足の問題だということは棚に上げて、でも、お医者さんも同じこというよな、って思うのは「治すのは医師ではなくあなたです」ってやつ。
うちの父が確か50代後半に糖尿病って指摘を受けたらしい(らしいというのは、私は一人暮らしだったから母に聞いた)。それから実家に帰ってご飯を食べると、秋田県人で日本酒を際限なく飲む(お酒にめっぽう強い)父が焼酎のお湯割りにしていて、食事も様相が違っていた。飲んだ後に白いご飯をしょっぱい漬物で山盛り食べたい人だったが、母がそれは厳密にごはんの量を測っていて、非常に不満そうだった(笑)。とはいえ、母のその厳密な食事制限で父の糖尿はなんとか小康状態を保っていた。運動も必要だということで、母にうながされてジムに入会し、空いた時間も母と歩いていた。
でも、気を付けているといっても意志は弱く、母の目を盗んではお饅頭とかカステラとか食べちゃうのよね(呑み助なのに甘いものも好き)。
で、結局はあまり状態よろしくないってことになっていった(晩年は病気のデパートみたいになってた)。
まあ、父に限らず、本人が自分ごととして考えないと医師も家族もどうしようもないよね。どんなにいい薬があっても治療法があっても、どれほど周りに励まされても、治すのは本人だから。
長いいいわけみたいなったけど、この仕事をして11年目。相談を受けていてときおり酷い無力感に襲われることがある。それは
「何が何でも私は変わらない。」という人に向き合う時だ。
もちろん本人はそんなこと言わない。「変わりたい」とか「苦しい状況を改善したい」とおっしゃる。苦しいのも状況を変えたいのも事実なのだろう。でも、それを変えるには(父の例にあるように)自分にとっても不都合なことを受け入れなくてはならない、ということがある。自分にはこれしかできないから、周りがそれを受け入れて変わってほしい、というのはなかなか無理な話だ。
もちろん周りが100%だめだろ、ってことがないわけではない(ハラスメント案件やブラックすぎる話など)。それは「今すぐ逃げろ」という話で落ち着くし、私もそう言う。
ただそんな状況でも「逃げたほうがいいのはわかるけど逃げたくない」「私がガマンすれば済む」と考えてしまう人がいる。その人は結局自分の在り方を変えたくないのだ。
あるいは、「逃げます」と言って動いても動いても、どこにいっても気が付くとなにやら同じ状況になるという人もいる。その人も何か自分の在り方の方を変化させる必要性を受け入れようとしない。
いずれの例も私が単純に「〇〇したほうがいいですよ」なんてアドバイスはしない。しても意味がない。それは私に限らず、支援やカウンセリングを学ぶ人間ならみなわかっていることだ。単純に言われてわかればそうはならないのだから。だからさまざまな関わり方を学び、問い方を工夫し、伝え方を変えてみる。そして相手の結論を聞いて、徒労感がやってくる。私って無能だ…そう思う。
「断固として自分を一ミリも変えたくない人」に、こちらからできることはないんだなと感じる。自分が座っている椅子から動くことなく、周りのインテリアとテーブルに乗っているお料理と座っている人が勝手に変わる…そんなことは起こらない(私の支援技術の問題はもちろんあるんだと思う)。
私に出来ることをしよう、と思う。
基本的に単発の有料の支援でできることは限りがあるのだから。
1人たくましく動ける人だけではなく、動きたいけど動き方がわからない人、不安やごちゃごちゃした状況で踏み出せない人、動き方を間違っている人、動こうとして邪魔されて困っている人、不器用でまわり道しているけど模索している人、とにかく「自分が自分の足を動かす気持ちがある」そういう人に、問いかけて、一緒に考えて、整理して、方向性のヒントをお知らせして、一歩目を出せるように全力で伴走する、そういうことをしよう、と思う。
きっとそこには私がお役に立てると思うし、立てるようにもっとさまざまなアプローチを備えていきたいと思っているので。
なにがなんでも動かない人には、きっと別の専門家の力が有効なのだと思う(そうお伝えした方もある)。あるいは、そのままでもいいんじゃないのかなって(そこは私が決めることではない)。
そんな風に考えて整理して、徒労感を感じた自分を励ましてみた(自分に甘いのはどうしようもないな・笑)
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