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配属ガチャにならなかったのに撃沈した私が配属ガチャ生活から学んだこと

「配属ガチャにならないように希望をかなえます」
新卒採用でそんなふうに言う企業(主に大企業)が増えています。
学生にとって(特に優秀な、意欲のある、意識高い学生にとって)この配属ガチャ、ようは「希望とかけ離れた配属に絶望する」って話は良く聞く話。実際に私が受けた相談の中でも「それが嫌だったから辞めた」という20代前半の方の声は何度も聞いたことがある。

私はそもそもそんなこと考えてもみなかった世代(そもそも4大卒女子に仕事は少ない世代)なのでそれがよくわかんないなあ…と思うことは多々あるが、まあ、そういう風潮なのも知っているし、そりゃね、キャリア教育が導入され、小中学校からずっと「将来何になりたい?」って大人が子どもを詰めてるんで、一部の、その解を導いた末にいい大学を出る若者は「当然そうなれるよね」って思うのは無理もないのよ。だからこれ、キャリア教育の成果でしょ?大人が若者に向かって無責任に「もっとちゃんと考えて」って言い続けてきた結果なんだからね(皮肉ですよ・笑)。

ということで、若手人材がどんどん不足するこの時代、一人でも優秀な人を獲得したい企業が率先して「配属の希望を聞きますよ。かなえますよ」というのはまあ、戦略としては当たり前でしょう。

けれどそこにあるいくつかの課題、落とし穴のようなものについてはあまり言及されていないように思う。なんなら意識高いインフルエンサーや、海外経験がほとんどの人や、外資系でしか働いてこなかった人や、ようは「力のある声の大きい人」は「そんなの当たり前」「むしろ遅すぎる」って言ってるから、それがいいことってなっているけど、本当に100%そうなんだっけ?と言う思いが尽きない。

ここから2つ、少し寄り道めいた話を書く。回りくどいかもしれないけど、ちょっと我慢して読んで(笑)

一つめはちょうど今日見たNHKのインタビュー番組での、TVプロデューサーで大人気の佐々木宣行さんの話。(インタビュー ここから)↓リンクで見られます。

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024092332889

いくつもいい言葉があったんだけど、たとえば(言葉そのままじゃないけどニュアンスで羅列)
・今の自分にたどりつくには無駄なルートはひとつもなかった。どの環境も活かし方次第
・もともとネガティブ(な中学生)で、今でいう陰キャだった。そういう人にしか見つけられないことがある
・(たまたま)家の近くに大きな本屋さんがあったのが人生の救いだった
・剣道をやっていて(勝てなくて挫折して)どんな自分か気づいた。剣道は好きなのに勝てない。争うのが苦手で。好きでも得意じゃないことがある
・(自分の軸は)勝ち負けではなく、面白いかどうか。
・高校時代自分に生きる力をくれたもの(お笑い)に関わりたい。
・SFを読むのが好きだった。今思えばSFって普通じゃ成立しない出来事を成立させるためにお話しの中に事前に「これはこうだから」ってルールを設定するもの。自分がエンタメの世界で活躍できるにはっていうSFをずっと考えてきたのかもしれないし、メインカルチャーでない人の魅力を見つけられるのは自分ならできるかも。

ここにあるのは
あらかじめ決めてはいないこと、(本屋などで)視野を広げ続けていること
起きたことに対して「なぜだろう」「じゃあ何がどうなればいいんだろう」「この場をどうしたらいいんだろう」と考え続けてきたということ。
狙った場所に行ってそこでそのようにした、って話ではないし、小学校のときの剣道での挫折からずっと考えて試行錯誤しつつ「陰キャ」だった彼の世界が広がって「これがやりたいんだ」と思えたのはずっとあとのこと。

もう一つ。
卑近すぎる例で申し訳ないけど、私の話。

タイトルにあるように「配属ガチャ」にはならなかった。
「東京で営業やりたいです」って言って入社して、東京じゃなかったけど名古屋支社初の女性正社員営業職だったんだよ。なんでそんなこと言った?自分…って入社1か月以内に思ったけどね(笑)。
入社前の「全能感」にあふれたおっちょこちょいの自分のことを、今なら殴りに行きたいけど、それは私だけか?というと、そうでもない。令和の大学生だって私より多少マシな程度だよ。リアルに学生の「●●やりたいんですけど」という話は直接的にも間接的にも聞くけれど、昭和の意識高い私と大差ない。申し訳ないがそれはほんとにそう笑。
いくら事前に社会人の話を聞いたところで、現実は相当に遠い。もちろんインターンシップを長期(半年とか)でやるとかしていれば別よ。でも5日くらいのそれではわからない。わからないからダメかというと、そんなことはないのよ。ただね、その仕事しかしません!っていって入社するあなたたちは、遠い昔の私より状況は厳しいのよ。

私は希望しておいてなんの成果も出せないポンコツの100倍くらいのポンコツだったけれど、それでもまあ会社は温情を与えて部署移動させてくれた。それで生き返って生き延びた。そこでもらったチャンスにしがみついて、その後の人生につながる経験を積めたし、成長もできた。それがあったから市役所に転職もできた。
さらに転職後の市役所でどうなったかというと、そこからの13年間は、2年ごとの配属ガチャルーレットが回り続けてたよね笑。今これ?今更?っていうくらいに。じゃあそれが全部不幸かというと、まったくそんなことはなかった。まあ、ときどき「ヲイ!!」っていうのはあったが笑、そのおかげで今につながる行動が起きたので、結果、上の佐々木さんと同じく「その環境をどう活かすか」を考えられて当社比最大のジャンプにつながった。

何がいいたいかというと、
最短で自分の思うキャリアを生きたいと願い、無駄は一切排除したいと思うあなたは、その選択が間違っていた時の責任は自分が負うんだということを理解していますか、ということ。

つまり、自己責任で自分のキャリアを生涯にわたり自律的に作っていくよ、ということに合意しているんですね、ということ。

はいそうします。
…という人はどうぞそのままで。きっと切り開いていけるのだと思うから応援したいし、それでも困ったときは(私じゃなくてもだれでもいいから)外部の専門家を上手く使ってね、とお伝えする。

そうじゃない人、希望は叶えてほしいけど自分でそのあとも切り開くという覚悟が薄い人には、自分が望む道だけを望むということは、たとえば会社が「ここは合わなかったんだ。じゃあほかのチャンスもあるよ」「気が付いてないみたいだけどこれもできそう」「将来的なことを考えるとこの経験は必要だよ」ってことを無効にするってことにつながるよ、ということは知っておいてほしい。

これがやりたいな、と思うそのとき、それが自分にどの程度適しているのかはやってみないとわからないことが大半。さらにその選択をする前にほかにどのくらいの選択肢があるかも知らない人が大半。つまり、わかってないなかで「これしかない」って決めているということだから、そこで結果が出せないときに「ここじゃない」と言っても「だって自分でこれがいいって言ったんだよね」ってなるんだよということ。

でも人の能力はそんなに小さくない。

自分には見えていない自分の価値が、先輩、上司、組織の上の人には見えていることもある。よくある。場が変われば別の力が湧くこともある。だからね、希望が全部叶う会社が若いあなたにとってベストなのかは何とも言えないんだ、ということは頭の片隅にそっと置いておいてほしい。そして「なんとなく嫌だから」といって、選択肢を無邪気に狭めないほうがいいこともあるよ、ということは伝えておきたいな。特に「いうほどやりたいことが明確なわけじゃなく、ただなんとなくアレは嫌だなって思う」程度の人にはね。(個人的には東京育ちの若い人が、最初の数年の地方配属を耐えられないって件がマジでもったいないと思うんだよねえ…)


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