その性質が、どの程度振り切れているかで、長所か短所か変わるよね

大らかでこだわりのない人、っていいよね。
…でも、それが「すぎる」といい加減で適当で信頼できない人、になる。

長所なのか、短所なのか、
伸ばしたほうがいい性質なのか、改善が必要なのかってその具合といる場所によって全然違うよね。

よく言われる成功しているスタートアップの経営者のタイプとして
・行動力がある
・勇気がある
・自分の道を切り開ける
・ぶれない
・新しいことをどんどん試せる
…みたいな話が出てくるけど、これ、それが「すぎる」＆別の場所にいくとこう言われる。
・落ち着きがない
・リスクを考えられない
・人の話を聞かない
・頑固すぎる
・あきっぽくて続かない
…ってね。
あるいは、多動で忘れっぽくて特性強すぎでは？とか言われる。

思うに人の性質というのはこれは長所でこれは短所、って辞書に載っているようなものではなくて、単なる「ちょっとしたその人のクセ・らしさ」であって、それが「好ましい範囲」に収まっていると長所になり、「行き過ぎてはみ出している」と短所って言われるだけなんだなと思うのよ。

ご覧になったことがあるかはわからないけど、超・長寿刑事ドラマ「相棒」の主人公、右京さんがいう「ぼくの悪い癖」という定番セリフがある。それは何かと言うと、「やたらと細かいことが気になる」というもので、ドラマの中では「はいはい。それなんか関係あります？」と毎度言っちゃう捜査一課のあんまり仕事ができない人たち（笑）と、「気になるんですね。何が気になるんですか」とちゃんと拾える（意味がわからなくても言われたら調べる）右京さんの相方によって、評価の異なる特性なわけで。

「細かいことが気になる悪い癖」
…は、微妙な違いを発見できる、不整合を見逃さない、違和感があることをまだ具体的ではない状況から拾い上げられる、という刑事のスーパー長所。
でもね、発揮する場所や機会を間違えると、どうでもいいことに細かい、関係ないことにいちいち引っかかって話が前に進まない、現場対応力にブレーキ、みたいに言われる短所なわけで（天下の天才・杉下右京にそう言う人はいないけど、同僚とか身内だったら相当メンドクサイよね笑）。

いろんな方のお話や悩みを伺っていると、この感覚で苦労している人が比較的多いです。ご自身の特性、だけではなく上司や同僚、あるいは家族の特性を「自分の側からは好ましくない＝短所と見立てている」パターンなのに、私が聞いていると「へえ、面白い才能ですよね」って見える、みたいな。

当事者の特性についてお伝えするとき、私が別にその人をヨイショしているわけでもなければ、無理やりほめようとしているわけでもないのだけれど、「つまり◎◎しているんですね」と伝えるだけで、その人がびっくりすることはよくある。
「そういう風に言えるんですか。でも…」みたいに戸惑って、受け取り拒否みたいになることも（笑）。

人を（外から）形容するときに絶対的な物差しってないと思う。
しいていえば、何かの点数、学歴、資格、くらいしかなくて、でもそれでその人がすべて表現できるわけではないよね（同じ大学を卒業したからといって、職場で同じ評価が得られないのはみなさんご存知の通り）。

だからまずは自分の持っている性質、人から言われた特徴を「短所だ」という目で捉えるのではなく（無理やり長所だと言いかえるのでもなく）、それって何をどう表現しているんだろうか、どういうときに何をどうする（しない）からそう見えているんだろうか、と自己理解のヒントにしてもらうのが一番かなと。

そのあとに、自分を表現する言葉として何を選ぶか、改めて考えたらいいかなって思う。「落ち着きがない」というか「常に次に何をするかを探している」というか、のようにね（笑）。
それを変にネガティブによせすぎていると、あなたのこと本来は評価したくて一緒になにかしたい、と思ってくれている場所とのつながりもしにくくなっちゃうからな。

自分一人、またはいつものメンバーとだけ考えてみてもなかなか広がらない、思考を切り替えられない、というときはぜひ、ご相談くださいね。

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