初めての産休からの預け先闘争を思い出して時代が良くなってるのは喜び
「昔はここまでやったんだから、甘えるな」
…そういうことは1ミリも思わない勢なので、あんまり昔話はいかがなものかと思うのだけど(そもそも33年も前のことだし笑)
今しんどい人が笑えたらいいな~とふと思ったので、昔話をします。
ごめん超長い…でも短くできないので許して(笑)
いや、最近も出会う(特に)ワーママたちの自分への厳しさというか、抱え込み感というか、そのあたりには「もうちょっとゆるめてもいいんだよ」って言いたいんだよね…。
ということで時代は1990年。
長女は5月生まれです。
この年にはまだ、育児休業法はありません。えへへ(そんなこと何にも考えてないよね、知らないし・笑)。
結婚して1年近くたって「なんとなくこの先このままだと飽きるな」と思ったことで、その間隙をついて長女が授かりました(何の決意もない)。
当時の私が参考にしていたのは、東京のジャーナリストの女性が書いた育児と仕事を両立したという体験談の本、一冊のみです。インターネットも携帯もないのですよ(ここダイジ)。
この本を読んだのは大学4年の時で、そのまま自宅の本棚に埋もれていて、そんなことを掲げて働いていたわけではありません。なりゆきです。
そもそも男女同権で同じ仕事をゴリゴリやるリクルートでは、結婚したら女性が(辞めろと言われるわけではなくとても続けられないという判断で)辞めていっていました。あのころ男性の家事参加とか言葉もなかったよね笑。
でも、同期の中で結婚が遅かった(女性はクリスマスケーキ=24歳が適齢期、と言われた時代に27歳で結婚したので)こと、夫が独立したばかりでめちゃくちゃ不安定、ということ、なんとうかつにマンションを買っていたこと(夫が勝手に買ったのに、彼の名義でローンが完結しないので私名義のローンもめっちゃあって、働かざるを得ない)などが重なり、ま、いいかと仕事を続けていたわけです。その延長線上で妊娠して、支社には妊婦がいたことがない中でもう、パンダです笑。そもそも28歳(妊娠したとき)っていうのは当時の職場ではまあまあ年長者でして、若い独身の人たちはわけわかんない存在として私を見ていました。
支社の総務に「産休をとりたいんです」と言いに行ったら「産休って?」ってみんなポカンとする状況で、「本社人事に聞いてください!」って言うのが精いっぱい…ま、あまりに何もないので悩むことさえできないというか「自分でやるしかないんだね」と腹をくくった秋。
幸い妊娠は順調で、あまり周りに迷惑もかけることなく、ゆえに周りもあまり考えなくて(笑)、臨月でも夜11時近くまで働いていました(私も何にも考えてない・笑)。なんなら産前6週から休暇に入れるのに、部署の忙しさと自分の体調がいいことを理由に、勝手に1週間産前休暇を先送りして(絶対今なら労基案件・笑)、産前5週になってようやく休みに入りました。
そこからやっと保育園を探し出すわけです。遅いわ(ちなみに予定日より1週間早く産まれたので、産前休暇は4週だったね)
区役所に行くと保育園のリストをくれるのですが(繰り返しますがインターネットはありません)、奇跡的に自宅から一番近い園が「産休明け保育(産後9週目から入所可能)」をやっていると!!大喜びしたのですが、あの頃何も知らなかった私に区役所の担当が「いや、年度途中で…?空いてませんよ」と淡々と告げましたよね。そんなルールだったんだ…って気づくの遅い。
他の選択肢って何があるんだろう…
手元のジャーナリストの本に書いてあったのは(彼女は当然もっと時代が古い)、保育科のある大学で出待ちして片っ端から保育のバイトをスカウトしたとか、商店街に「子守募集」って張り紙したとか、そんなんです笑。それ見ているのであまり驚かない。
ちなみに実母は仕事してないし、うちから車で45分だし、頼もうと思えばやりようはあったんでしょうが、マンション買ったばかりなので実家のほうに引っ越すことは考えられないし、そもそも母には「ありえない!!」ってめっちゃ怒られていたので、頼みたくないってなってました(と同時に、母には母の人生があるしな…というのは、私も思っていたんですよね)。
で無認可の保育園(ベビーホテル)を探したところ、ラッキーなことに職場の徒歩圏内に3か月から見てくれる園があったんです(確か電話帳で探したな)。妊娠中に訪ねて「●月から空いてますか?」って聞いたら即答で「OK」。この即答はいろいろ問題なのですがまあ、預けるありきでいた私は気づかないよね。やった!ってなって残る課題は8週から3か月の間をどう埋めるか、ということだけ。1か月どうにかしたらいいんだ、ってなります。
親を除外していた(夫の親も商売をやっている&高速で45分くらいで遠い)ので、短大保育科の出待ちを探す気力のない私(笑)は、単純にベビーシッター頼もう!って思いました。「お金で解決する!」ってバブル世代っぽいよね。という顛末に夫との合意形成とか情報共有とか多分皆無なんですよ。記憶にないけど、彼は当時バブルの波でウハウハに忙しくて、全然まともな時間に家にいなかったので…そしてそこ「私が解決する課題」って勝手に思い込んでいたよね(これも今の世代には引き継ぎたくない遺産)。
それでもさすがにフルタイムでベビーシッター1か月は破産するなとは思いまして、短時間勤務を上司に交渉しました。今でいう復職前面談とかないし、ネットもメールもないので、電話したのかな…記憶怪しい。
当時のリクルートに短時間勤務なんてありません。育休もないんだから(笑)。でも、フレックスタイム制度はすでに導入されていて、そのコアタイム(絶対出社しなくちゃいけな時間帯)が11時~15時だったんです。なので、コアタイムだけ出社という交渉をしました。そうするとシッターは10時から16時までで済みます。
名古屋支社のイチ課長が(多分部長には相談したんでしょうけど)相当ゆるく「わかった」って言ってくれたおかげで、とりあえず復職できました。当時私の一番仲良しの同期が支社の総務にいて、彼女も私の1年遅れで妊娠していたのですが、その総務課の上司は「ならんものはならん」と彼女の産休育休にNGを出していたそうです。その結果彼女は妊娠退職したんですよね。その後彼女は紆余曲折を経て、素敵なキャリアを再構築したのでよいのですが、あの総務の上司はひどかったなと思うと、私の上司は「珍しいことは面白い」と思う人でほんとに助かりました。
産後9週目からの4週間、マーマ名古屋というシッター会社から派遣されたシッターさんのお世話になりました。なかなか手のかかるうちの娘は、1人目のシッターさんの腰を5日くらいでやっちゃって、臨時で入った2人目の厳しいナースタイプのシッターさんに無事しつけられ笑、3人目シッターさんが残り10日踏みとどまってくれて、無事無認可園に行ける日が来ました。
ところが、無認可園はなかなかにやばいところで、そこからまた2か月くらい不穏な日々が続きます(24時間保育で夜のお姉さんの子どもを預かっていて、保育士常に寝不足なかんじ)。結果として体重が増えなくなり保健所に呼び出されで経過観察され(きっと虐待を疑われていた)先が見えなくなりました。そんな日に風邪をひいて近所の小児科に行ったところ制服を着て1歳くらいの子どもを連れたお母さんに遭遇。思わず話しかけました「お仕事しているんですよね。保育園どちらですか?」と。すると「〇〇保育園ですよ」っていうじゃないですか!「ああ、そこ入りたかったんですよ…」とつぶやくと彼女が「あら、来月1人転勤で抜けますよ」って教えてくれたんです!奇跡!
翌日さっそく区役所に改めて申請をだし、即受理されて、2週間後に転園が決まりました。ほんとよかった。(この無認可園は後日刑事告発されるんですよ…怖)
そんなこんなで長女はもう、めっちゃくちゃな乳児ライフでしたよね。
認可園に入れたのは11月なので、そこからは3月末まで地獄の病気マーチでしたけど(笑)。病児保育とかなんもないし。会社の人から白い目で見られても「だってしょうがないじゃん」っていう鉄仮面で生き延びました(考えるゆとりもなかったのと、上司がかばってくれたのが大きかった)
私も未熟、時代も不整備、情報の見つけ方も未成熟な時代でしたが、振り回されて保育園に7年(5月生まれだから0歳児を2回やったので)いて主になった長女は、ほんとに丈夫に育ち、よくわかりませんがめちゃくちゃ頼もしい人になっていますので、ま、生きてりゃなんとかなりますよ、という話。
あんな時代から思えば、ほんと、世界は子育て世帯を応援してくれるようになったと思います。いろいろ控除の件とかお金のこととかはいろいろあるけど、制度だけは相当整ってきているから、みんなに助けてもらいながら、自分たちなりにやっていってほしいなと思う(し応援してる)。その数年間、何しているかわかんないくらい必死でも、キャリアって長い目で見たらつながっていくものだからね(誰もが仕事を続けなくちゃいけないという話ではないので、念のため)
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