![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162474042/rectangle_large_type_2_e2aa50132f9f9d528e262dbd7d1ce238.png?width=1200)
普通の人の普通の中に「定番の理論」があるってエモいなってなった笑
キャリアコンサルタントという仕事をしていると、そこらへんの「普通の人」の「何がどうしてこうなった」という話を聞くときに「1人で勝手に異常にもりあがる」という病気が発症します(笑)。
死ぬほどコスパのいい遊びですから、もしご興味があればみんなキャリア理論の勉強してください←イミフ笑
今日はそんな私の趣味と実益を兼ねたお仕事をしてきた。
とある組織の「女性活躍推進セミナー」っぽい場で偉い人の基調講演があって、次にロールモデル風な人の話を聞くという流れ。
ようは「みんな管理職を嫌がらないでやってみようよ♪」的な狙いがあるわけ。そのこと自体は「だよな」と思うんだけど、問題はそんな(当事者の)女性に訴えることだけではなく、やることはほかにもあるよね、と思う私自身、あちこちでいろいろやっても来ていて、ただな…我らの地元(愛知県)は相当にまだ動きが遅い、という自覚はあるので前向きにお手伝いはするようにしてる。もちろんそこに呼ばれてきている(行けっていわれてきている)人たちにも、何かお持ち帰りできるものは渡したい!という固い決意しかない(暑苦しい笑)
ということで、依頼側との打ち合わせで勝手にぐいぐい「こうしませんかー?」と提案してみた。
最初の依頼はロールモデルな人たち(3人)の話を聞いて(パネルディスカッション)、総括でキャリア講演的な話をしてほしい、というニュアンスだったのだけど、それはつまらない笑。
で、提案してみたのは
・それぞれの簡単なキャリアストーリーを一人10分くらい語ってもらう
・その話を「キャリアの専門家」目線で解説する
…というもの。
相手方が「いいですね!」と乗ってくれたのはホントにありがたかった。
わたし、完全にアドリブでやるつもりって、わかってる?笑(相手方は司会原稿とか進行台本とかきっちり作るタイプ)絶対わかってないよね。でもいい。そういうのを含めて「任せよう」って思ってくれたのが嬉しい。
で今日。
3人がそれぞれのキャリアストーリーを語ってくれた。ちゃんと10分でまとめてくるの、さすがです。偉いわ。それを聞きながら(一応スライドは前もってもらっていたけど話す中身まではわからない)死ぬほど脳内検索してたよ(自分で自分を追い込むタイプ・笑)。
話をしてくれたのはこんな女性3人(もちろん内容は守秘義務があるので脚色してる)
・専門職で入社後にさまざまな修羅場を体験し、この春に役員になった人
・仕事でも地域でも多くの役割を引き受けながら気づいたらどんどん出来ることを広げ続けている人(課長級)
・氷河期のどさくさの就職で壁に当たり転職、やってくる仕事を必死でクリアしていたら視野が広がった人(リーダー級)
全員子育て経験者(または継続中)。
彼女らの話から、私が説明で伝えた理論的なものは以下。
あるもんだねえ(笑)↓詳細はあとに。
①トランジション①シュロスバーグ 4S点検
②トランジション②ブリッジス 何かが終わり⇒ニュートラルゾーン⇒何かが始まる
③コルブの経験学習論
④モデリング:バンデューラ
⑤キャリアアンカー:エドガー・シャイン
⑥キャリアの「広げる」「深める」(リクルートワークス研究所)
⑦自己概念:ドナルド・スーパー
⑧計画された偶発性理論:ジョン・クランボルツ
⑨ジョブクラフティング
話を「キャリア理論目線」で聞いていると「なるほど、だからこうしてこうなって、今ここにいるんだな」が筋道すっきりする。もちろん本人はそんなこと知ったことじゃない。
でもね、いつも人に言ってるんだけれど、そもそも理論っていうのは理論が先にあるのではなく、なんかいい感じで上手くいく人がいて、その人たちを集めて研究して見たら得られたエッセンスはこれです、っていうのが理論なんだよね。
なので、
数うちゃ当たる、みたいなことをしなくても、ようは九九を覚えたら計算早いよね、みたいに使えるのが理論なんだよ。
なかでもキャリア理論はみんなの「暮らしにくっついている」ものだから、たいていの「今元気に充実している人の在り方」にはちゃんと埋め込まれているよね。
それぞれの理論が何を教えてくれているのか。この人たちの話と繋げて説明してみるとこんな感じ。
①トランジション=転機。大きく状況が変わり戸惑ってどうしていいかわからなくなる、というときに4つのSを点検して(何をどう使うかを)考えてみる方法、というのが4S点検。4つはこれ。
・self 自己理解⇒自分はどうなのか。何が出来て何が出来ないのか
・situation 今どういう状況か
・strategy 戦略⇒じゃあどうすればいいか
・support 支援⇒自分を助けてくれる人はだれ?何?
ちゃんと分解して冷静に作戦を立てて動いているよね。
②トランジション=転機。変わり目はまず「何かが終わるとき」から始まる。それまでに上手く出来ていたこと、よかったことがいろんな事情で終わってしまう。次には「ニュートラルゾーン」どっちつかずの時間が始まる。ここが苦しい。ここでどうするかをトコトン考えると、その次の「何かが始まる」に移行する。これには①も併せて使う必要がある
③登壇者の3人は変化の多い職場を生きている。赤色の部署から青色の部署に変わる、という激しい変化をしている。けれども赤色の部署で経験したことを青色の部署に(そのままではなく型として)持ち込んで解決している。これは経験学習(経験⇒省察⇒持論・仮説の構築⇒新たな経験)のサイクルそのもの
④モデリングとはある意味観察学習でもある。お手本を見つけて「励まされ」「自分もやってみよう」と思う行動だ。登壇者はそれぞれの場で苦労しながら一息ついた経験のなかに「素敵な先輩がいた」という話があった。その人を見つけ、そのやり方があるのかと気づき、自分も真似していくなかで「この先もやっていけそうだ」と思う。それを自然にやっていた。
⑤キャリアアンカーとは「キャリアの中でゆずれない自分の軸」のようなもの。ある人は働き始めた初期のころに「これが嬉しかった」と言っていた体験がある。途中でライフイベントなど諸事情により思うように自分らしく働けなかった時期を経て、また再び「今こうなっているのが嬉しい」と語った話は、初期のころに会得した「キャリアアンカー」そのものだった。この人にとって「この在り方」を守れることがとても重要なポイントだということがよくわかる。
⑥キャリア形成には「広げる時期」と「深める時期」があると言われる。深めていくことがキャリアのように思う人にとっては、「想定外に環境を変えられること」は苦痛になるし「何も積み上げられていない不安」にもなる。だが、実際には深めていない時期には広げているのだ。広げることと深めることはキャリアの掛け算で、その人のキャリアを豊かにしているのでどちらも必要なことであると言える。若いときに決めた専門性を追求し貫き続けることをよいものととらえがちだが、大半の働く人のキャリアは広げる時期があってこそだと思う。
⑦自己概念、自分ってどんな人かという自己認識だが、それがゆらぐことはよくある。特に女性のキャリアにはほぼ当たり前のようについてくる。独身で身軽なころに構築した自分像が、結婚や出産でくずれてしまう、はあるあるだ。その苦悩にぶつかりその苦悩をどう消化して、新しい自己概念をその上に載せられるか、それはキャリアデザインに置いてとても重要であり、かつ一人で乗り越えにくいことでもある。劣等感とかになりやすいよね。
⑧計画された偶発性理論…ってもう何回も書いていることだけれど、今日話をしてくれた3人も等しく「就職した時考えていた自分」とは違う今を生きていた。その今がどう出来てきたかというと「目の前の仕事を一生懸命やって、組織の期待にちゃんと応えてきた」ことの結果だった。中には「ほんとはもっとこうしたかった」がありつつ「でも今求められていることをどうしたら上手くできるのか」を同時に考えることで、さらに新たな役割を任されたいった、という物語があった。私たちは自分が決めたことだけで人生を歩むことはほぼない。8割は偶然のめぐり合わせをどう活かすか、によって変わっていく。そんなことを登壇者もたくさん語ってくれていた。
⑨ジョブクラフティング、言葉を説明すると「ジョブ(職務)」を「クラフト(創造)」するということ、つまり与えられたものを自分で考えて自分らしく作りかえて実行するという在り方のことを言う。今日の話の中では「管理職を引き受けることに抵抗を感じた」という人がいて、でもそのあとに「自分がやるならこういうやり方を目指していけばいいのでは」と考えて自分ならではのカタチを創出した人がいた。そういうことをジョブクラフティングというのだが、そんな理屈が邪魔くさいくらいに、その人は自然に自分らしく役割を活かした動きを見出していた。
長くなった笑。みんな読めた?ごめん、つい熱くなった。
キャリア理論(+αの理論)便利すぎるわ…笑
上手く行っている人はちゃんとその基本を無意識に抑えているっていうのは、知ってたけどやっぱりすごいね。
一人一人のキャリアストーリー、ますます聞きたいなと思うこの頃だし、その人のキャリアを分析的に聞くことは大得意なのでよければ聞きに来てほしいな、というイベントも予定している←急に笑。
1/13(月・祝)@東京体育館(千駄ヶ谷すぐ)午後です。
「自分のものがたり、みんなで読み解いてみよう」
★日々の考えはSNSで発信しています。フォロー歓迎です。
Facebook ⇒ shibata.tomoko (柴田朋子)で検索できます
X ⇒ @tmshibatano
【お仕事の問い合わせ&ご相談&お申込みは以下のフォームへ】
◆キャリアコンサルティング 対面orオンライン
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(60分) ※対面希望はご相談ください
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
8800円(45分)×3回
◆その他
【11月の予約可能日】※時間帯によっては以下以外の日程も応相談
20日、25日、26日、28日、29日、30日
いいなと思ったら応援しよう!
![しばたともこ@キャリアコンサルタント](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25255641/profile_f39ba94f9d4a459e08177025f8a5ead6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)