中山七里「闘う君の唄を」感想

こんばんは。

この作品も、中山七里氏らしい社会派ではありますが、
珍しく、幼稚園教諭が主人公です。
主人公「喜多嶋凛」は、
埼玉県の片田舎に幼稚園教諭として赴任します。
この凛が強い性格で、
モンスターペアレンツと対立しながらも、
自らの理想を貫き、子供たちのため、自らの理想のため奔走します。
そして、ミステリでもあるので、中盤以降、ある事件
についての事実が明らかになっていきます。

僕の印象に残ったのは、モンスターペアレンツの強烈さです。
僕も子を持つ親なのですが、あまり共感できなかったですね。
お遊戯会で白雪姫の劇をすることになるのですが、
当初の保護者側の案では、なんとしらゆきひめが四人もいるんです。
「園児たちが公平に自分を主張できるよう考慮された」台本らしいです。
主人公は、「まともな形で、それでいて全員が自分を誇れるような劇」
を作るために、ある工夫をします。
僕も主人公と同じで、公平さを重視するあまり、劇自体がつまらなくなっては、子どもたちも満足できないと思いますね。
全員並んでかけっこと一緒で、意味がないことをするくらいなら、いっそやめてしまえと思います。

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