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通貨の歴史と通貨の流通を担う銀行の信用創造の仕組み

こんにちは。ルピナス暗号資産ナビゲーターのshibaです。

この記事は、暗号資産(=仮想通貨)投資コミュニティ、ルピナスの投資講座の内容に基づき書いています。

暗号資産の投資からWeb3.0、ブロックチェーンのことなど、暗号資産を取り巻く情勢について解説しています。その目的は暗号資産投資のリスクヘッジであり、より小さなストレスで最大の利益を得ることです。

私自身もこの記事を書きながら勉強している身で、この記事を読んでくださるあなたと共に学んでいければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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今回のテーマは、通貨の成り立ちです。お金とは何か、お金はいつ・どのような理由で生まれたのか、現代の金融を支える銀行の役割、信用創造の仕組みとは何か、そして中央銀行が担う通貨供給量のコントロールを解説していきます。

投資とは一見関係ないように思われるかも知れませんが、金融の仕組みを知ることはマーケット(市場)の相場を考察、予想する際の重要な手がかりとなります。

暗号資産投資についての理解を深めることで、ストレスフリーな投資にお役立ていただければ嬉しいです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^

1.そもそもお金とは何か

はじめに、そもそものお話をしたいと思います。そもそもお金とは何でしょうか?

恐らくこんな問いかけをされてもすぐに回答できる人はほとんどいないでしょう。それに何よりも、お金の定義は人によっても異なるものではないかと私は考えています。

例えばお金とは、

  • 何か物と交換するもの

  • 生活になくてはならないもの

  • 働くともらえるもの

  • 何らかの価値の代価として支払う、あるいは受け取るもの

  • 幸せになるために必要なもの

というように、人によって解釈は異なるでしょう。

ただ、現代の社会においてお金が果たす役割は何か?と問われると、ある程度答えは絞られてきます。

今回は、どうしてお金は生まれたのか、お金が果たす役割、そして現代の通貨流通の仕組みなどについてまとめていきたいと思います。

2.お金の始まり

最初のお金を定義づけることは難しいですが、紀元前15世紀頃(今から約3,000~3,500年前頃)の殷(いん)(古代中国の王朝)の時代には貝が貨幣として使われていたと言われています。

お金が関係する漢字の中でも、貨、財、貯、買、購、販などの文字に「貝」という文字が入っているのは、貝を貨幣として使っていたためと考えられています。

また、その他の大陸でも徐々に貨幣の役割を果たす物品が登場してきますが、物品との交換が行われる前は物々交換が主流だったのではないでしょうか。

そして、世界最古の金属貨幣は、紀元前7世紀にリュディア王国で作られたエレクトラム硬貨だと考えられています。リュディア王国とは、現在のトルコの西側3分の1ぐらいを占めた王国です。

その後徐々に金や銀、銅などの金属を使った貨幣が造られるようになります。そして、最初に紙幣を創ったのは中国の宋(10世紀頃)で、交子と呼ばれる紙幣が発行されていました。

■物々交換から物品交換へ

ではなぜ通貨は誕生したのでしょうか?

お金がなく物々交換しかできない世界を想像してみましょう。

例えば羊一頭と牛一頭を交換したいとなったとき、お互いの価値観が違うとその商談はまとまりません。

例えば歳をとった羊と若々しい牛とでは価値が異なるでしょう。また、魚を釣ったとしてもその鮮度によって価値が異なります。生活に必要なほとんど全てのものには寿命があり、時間と共に価値が変化してしまいます。

このように、価値が変化する物同士を交換するのは案外難しいものです。

■通貨に価値を感じる理由

そこで考え出されたのが、欲しい物と「誰もが価値を感じられる物」(物品)を交換するという方法です。

それが古代中国で使われていた貝です。貝の他にも布、塩、砂金などが通貨として使われていたと考えられています。重要なことは、誰もが価値を認めるものでなければ通貨として流通しないという点です。

その辺で拾った石ころとあなたの羊一頭を交換してくださいと言っても当然断られてしまいますよね。

ところで、通貨として認められるためには、通貨の価値が担保されている必要があります。貝や布、塩、砂金は、当時希少性が高く、貴重なものでした。それ故に通貨としての価値が認められていたのでしょう。

後ほど説明しますが、現代において使用されている紙幣の価値は、紙幣そのものの価値ではなく、政府と中央銀行の信用で成り立っています。

通貨の価値という点では、古代と現代とで考え方が異なることを覚えておいていただければと思います。

なお、後ほど説明しますが、中央銀行というのは日本で言う日本銀行であり、アメリカでいうFRB(The Federal Reserve Board,連邦準備理事会)で、紙幣を発行している機関を指します。

■信用が担保する通貨の価値

私達は普段、何気なく一万円札を一万円の価値のあるものとして使っています。

しかし、実際には一万円札は単なる紙切れであり、その製造原価もわずか20~30円です。私達はなぜ原価20~30円の紙切れに一万円の価値を認めているのでしょうか?

それは政府が一万円札を一万円の価値と認め、私達がそれを信用しているからです。

つまりお金の価値は国が管理しているということになります。そしてそのお金の価値を管理するために重要な役割を果たしているのが中央銀行です。

中央銀行と市中の銀行とはその役割が異なります。

ですが、そもそも銀行の役割とは何でしょうか。

以降では、銀行の役割、中央銀行の役割をそれぞれ見ていきたいと思います。

3.お金の流通を担う銀行の役割

銀行は、市中、つまり私達の社会にお金を流通させる役割を担っています。

銀行の役割とは言っても、口座を作ってお金を預け入れる目的で利用している方の方が多いと思います。

市中にお金を流通させる銀行の役割を一言で言うと『信用創造』です。少し噛み砕いて言うと、個人の信用をもとにお金を貸し出すことで”何もないところから”お金を創り出すということです。

信用創造について少し詳しく見ていきたいと思います。

■信用創造とは

少し歴史を振り返ってみます。信用創造の考え方自体は貨幣が誕生する前からあったようですが、ここでは貨幣を例に信用創造を説明したいと思います。

現代の日本円や米ドルなど何でもよいのですが、手持ちの現金が増えていくと、これら全てを持ち歩いたり家に保管したりするのが面倒になりますし、安全性も低下します。

昔の人ももちろんそう思ったわけです。そこで銀行のようなビジネスをする人が現れ始めました。

要は人のお金を預かり、いくら預かっているかという『預かり証』を発行し始めたわけです。今でいう銀行の通帳のようなものです。

でも実際のところ、私達は普段、取引の度にお金を銀行から出し入れすることはありません。ほとんどの場合お金を銀行に預けたままで、通帳の上で数字を移動することで金銭取引が成り立ちます。

昔の人も、預かり証の受け渡しや書き換えで済ませるようになったわけですね。

そこでお金を預かっている人(以下、管理人)はこう考えました。

「みんなお金を預けっぱなしなんだからこれを元手にお金を貸し出すことができるのでは?」

そう考えた管理人は、お金を貸し出し、その貸し出したお金の預かり証を発行し始めました。しかしお金を貸し出したとしても、借りた人もまたお金を預けたままで預かり証による取引を行っていました。

つまり、管理人がやったことは預かり証を発行したことだけで、何もないところからお金が生まれたことになります。

重要なところですので、簡単に図解しますね。信用創造を図にすると以下のようになります。

信用創造のイメージ

上図のように、管理人(現代の銀行)は、手元にある程度の資金を残した状態で、その資金を超えるお金を貸し出すということを始めました。

これはつまり、借りる人の信用をもとに何もないところからお金を創造したということになります。これが信用創造のざっくりとしたイメージです。

現代の銀行は、このようにして実際の現金以上のお金を市中に流通させています。これが非常に重要な銀行の本質的な役割です。

4.中央銀行の役割

中央銀行は、私達の身の周りにある銀行とはまた異なる役割を担っています。先に書きましたが、中央銀行とは日本でいう日本銀行です。アメリカではFRB(The Federal Reserve Boardの略、連邦準備理事会)にあたります。

中央銀行と一口に言ってもその機能は多種多様です。一般的な機能としては以下のようなものが挙げられます。

■中央銀行の一般的な役割

  • 銀行券の発行(日本で言えば一万円札など)

  • 銀行への当座預金口座の提供と口座間振替による決済システムの提供

  • 銀行券を始め通貨供給量の調節

銀行券の発行については馴染みがあると思いますが、決済システムの提供についてはぴんと来ない方が大半ではないでしょうか。

私達が普段利用する銀行は、銀行自身の口座を日本銀行に作り、お金を預けています。これを当座預金口座と言います。

日本銀行が提供する決済システムとは、私達が銀行から銀行への振込などの取引を行うと、日本銀行の当座預金口座間で振替処理をして取引を決済するという仕組みです。

そして、今回の記事のメインテーマとも言えるのが『通貨供給量の調節』の役割です。

通貨供給量の調節を説明する前に、まず兌換紙幣と不換紙幣の違いを知っていただく必要があります。

■兌換紙幣と不換紙幣

現代のお金は不換紙幣と呼ばれています。不換ということは、交換ができないという意味です。

では何と交換するのでしょうか?

それは、誰もが価値を認める金や銀などです。金や銀は、世界でも存在している量に限りがあり、希少価値があります。また、光り輝いていてきれいでもあります。

もともとはこのような希少価値のある金属が通貨として使用されていました。

兌換紙幣と不換紙幣の話を進める前に、通貨の歴史をざっくりまとめると以下の①から④の流れです。

①物々交換が行われていた
②物品交換が行われるようになった(貝、布、塩、砂金などが通貨として使われる)
③金、銀など希少価値の高い貴金属を貨幣として使用するようになった
④高額を持ち歩くのが大変なため、金・銀と交換可能な紙幣(預かり証)が使われるようになった

つまり、④の紙幣こそが『兌換紙幣』と呼ばれるものです。

日本で中央銀行が設立されたのは、明治初期の1882年でした。当初は『不換紙幣』と言って、金や銀とは関係のない紙幣を政府と中央銀行の信用のもとに発行していました。

しかし、供給量が増えると、すぐに激しいインフレーションを引き起こしてしまったため、1885年から『兌換紙幣』へと転換したのです。

インフレーションとは、お金の量が増えすぎてお金の価値が下がり、物の価格が上昇する現象です。一般的には物価上昇として認識されていますが、本質はお金の価値の低下にあります。

そうして1885年以降は、金・銀に裏打ちされた通貨という名目で紙幣が発行され、日本が保有する金・銀の量が紙幣発行の上限となっていました。この通貨の発行方法は金本位制と呼ばれ、時系列的な前後はあるものの、世界的に支持された考え方でした。

しかし、第二次世界大戦中に大量のお金が必要になった日本は、保有する金・銀の量を上限とした通貨供給量だけでは戦費を賄えなくなってきました。そして1942年、日本は『兌換紙幣』の発行をやめ、金・銀の量とは無関係に通貨を発行する『不換紙幣』の発行へと方針を転換しました。

これが今でも続く管理通貨制度の始まりです。また、上述したように『兌換紙幣』を発行していた頃の制度のことを金本位制と呼びます。

■中央銀行の本質的な役割

不換紙幣を発行する中央銀行の非常に重要な役割は、通貨供給量をコントロールすることです。

紙幣を発行しすぎるとお金の価値が下がりインフレーションを引き起こします。逆に紙幣の発行量が少なすぎるとデフレーション(物価の低下)を招き、経済が縮小してしまうことになります。

2022年現在の日本がちょうどデフレーションに悩まされていますので、デフレーションがどんな状況を招くのかはわかりやすいかと思います。

中央銀行、つまり日本銀行が通貨供給量をコントロールしている、これを言い換えると日本経済は日本銀行が支配していると捉えることができます。

一方世界に目を向けると、金融に関して世界的に影響力を持っているのはユダヤ人だと言われています。世界最大とも言われるロスチャイルド家の名前を聞いたことはありますでしょうか。

その初代ロスチャイルド家、マイヤー・ロスチャイルドは以下のように言ったそうです。

・一国の中央銀行を支配すれば、その国全体を支配できる

つまり、それだけ中央銀行の持つ権力は絶大であると同時に、私達の経済社会が中央銀行によって支えられている、別の見方をすれば支配されていると言えますね。

そんな中央銀行のコントロールと対立する思想が、今話題の暗号資産、つまりビットコインを生み出したと言えます。

現代の中央集権的な管理通貨制度と逆行する暗号資産の考え方については、また別の記事で説明したいと思います。

5.中央銀行の"意外な"事実

政府機関の一翼を担っているように見える中央銀行ですが、実は100%と政府機関というわけではありません。

例えば日本銀行が2022年現在、東京プライム市場に上場しているという事実をご存知でしょうか。

日本銀行法によると、資本金が一億円であることやその出資に対して出資証券(株券のようなイメージ)を発行することが記載されています。

そして、日本政府の出資額は5,500万円を下回ってはならないと明記されています。

仮に日本政府の出資額が5,500万円であるとするならば、残り4,500万円の出資者は誰なのか、ということになります。ですが、残り45%の出資者は非公開となっておりその中身は不透明です。

■100%民間企業のアメリカFRB

また、アメリカのFRB(連邦準備理事会)については、実は政府の出資は一切なく100%民間出資の民間企業だと言われています。

そして、FRBの株主でありその設立に関与しているのではないかと噂されているのが、世界有数の財閥である以下の三家です。

  • ロックフェラー家

  • モルガン家

  • ロスチャイルド家

彼らが日本銀行やFRBなどの各国の中央銀行設立に関与しているという噂は、陰謀論や都市伝説としてまことしやかにささやかれていますが、実際のところははっきりとしていません。

FRBの設立経緯については参考図書がありますので、もし興味を持たれたら一度読んでみてください^^

これ以外にも多くの書籍がありますが、私も全て読破しているわけではありませんので一冊にとどめておきますね(汗)。

まとまりが悪いですが、中央銀行については非公開の情報もあるためなかなか実際のところが分かりにくいです。

ただ、中央銀行や銀行の仕組みを知ることはお金の流通や相場の値動きを理解するのにも役立ちます。

ぜひいろいろと調べてみてください^^

6.まとめ

今回の記事では、通貨の歴史、市中の銀行や中央銀行の本質的な役割について解説させていただきました。これらは、”なぜ”ビットコインが生まれたのか、その理由と密接に関係しています。

最後に簡潔にまとめてこの記事を終わりたいと思います。

■今回の記事のポイント

  • 歴史を紐解くと、①物々交換、②物品交換、③金・銀による通貨流通、④兌換紙幣の発行、⑤不換紙幣の発行、という通貨の変遷がある。

  • 市中の銀行は、借り手の信用をもとに何もないところからお金を生み出す『信用創造』を使い市場に通貨を流通させている。

  • 中央銀行は、『管理通貨制度』によって社会に流通させるお金の供給量をコントロールしている。


この記事では、できるだけ初心者の方にもわかりやすく書いているつもりですが、よくわからないところなどコメントいただければ別の記事で補足していきたいと思います。

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以上、ここまで読んでくださりありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

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