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「アウトプット大全」樺沢紫苑著 読書感想


樺沢紫苑さんの書いた「アウトプット大全」という本をご存じでしょうか?2018年の発売以来、話題となっていた本なのでもう読んだという方も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら私は今回初めてこの本を読みました。結論、本当にためになったのでその要点と自分なりの気付きを記しておきます。

結論

本書はアウトプットの重要性をこれでもかと説明する本ですが、要するに能力を高めるためにはアウトプットを優先し、同時にインプットとフィードバックを繰り返すことで圧倒的な高みに到達できるのだと著者は述べています。

本書で得られた3つの気づき

アウトプットの重要性を力説する本書では、自分のこれまでの勉強法や記憶力に関する方法論が完全に間違っていたと気付かされました。まさに目から鱗が落ちました。それではここから私自身がためになったと思う事柄を3つのポイントに絞って説明していきます。

その1「アウトプットとインプットの理想形は7:3」

これは自分にはなかった発想で、知識を得るためにはインプットを積極的にやっていく方が良いと思っていましたが、逆なんですね。むしろインプットは3割程度で留めて、それ以上にアウトプットを積極的に行っていく。
それはアウトプット(話したり、書いたり)することで記憶の定着がインプットに比べて桁外れに良いからです。私はビジネス系から自己啓発、そして美術・文化系など割と本はよく読む方だと思っていましたが、その読んだ本の内容は時と共に忘れていることが多々あります。むしろほとんど覚えていないと言っても過言ではありません。ベストセラーの本を読んでもその内容を思い出せなかったり、要点すら言えないなど、すっかり頭の中から消え去っているのです。
でも、本書を読んでその理由がハッキリとわかりました。それは何度も使われない情報は脳が不要なものと認識し、忘れるよう仕組化されているからです。逆を言えば、本書のように何度も使われる情報は脳が重要な事柄と認識するので長期記憶として残りやすくなる。だから2週間で3回以上アウトプットすることを著者は勧めています。

その2「本は書き込むべし!」

これも自分が出来ていなかった点です。著者は読書する時に大事な部分にアンダーラインを引いたり余白にメモしたりすることを「絶対に」した方が良いといいます。それは何故かというとラインを引いたり文字を書くという行為が脳幹網様体賦活系(RAS=脳幹から大脳全体に向かう神経の束、別名「注意の司令塔」)を活性し「注意せよ!」というサインが脳全体に送られるからです。よって本に書き込むことで本の内容が圧倒的に深く理解でき、記憶にも残りやすくなるのです。
実際自分のことを振り返ってみると、本に書き込むことはもちろん、マーカーや色ペンでラインを引くこともやっていませんでした。むしろどれだけ綺麗に読むか、本を汚さずに読むかに注力していました。恥ずかしながら…。
しかし、これからは本にどんどん書き込みをしていこうと思いました。でも何でもかんでもラインを引けばいいかというと、そうではありません。著者のお勧めは「気付き」や「すごい!」と思った箇所にラインを引くというもの。脳科学では「気付き」の瞬間に脳の神経回路がつなぎ変わり新しい回路ができるのです。それはまさしく新しい自分になることを意味しています。
だいたい、1冊の本から3つの気づきが得られれば充分と著者は述べていて、自分ももっと肩の力を抜いて本と向き合おうと思いました。

最強のアウトプットは「教える」こと

これも非常に大事な要素です。人に教えるという前提で勉強したりインプットすると記憶の定着が良くなるのだそうです。それもそのはずで、人に教えたり説明するためには何よりも自分がそのことを理解していなければいけないですし、教えることで自分の頭の中が整理されていくからです。
アメリカの研究では「講義」や「読書」「視聴覚教材」などインプット系の情報入力では記憶の定着率はせいぜい20%ほどしかないのですが、他人に教えた経験のある人の定着率は90%と桁違いの結果を示しています。
つまり著者曰く「教える」ことはアウトプット+フィードバック+インプットと自己成長の3ステップを全て網羅した最強のアウトプット術なのです。また、説明したという経験が「エピソード記憶」となり忘れにくくなる効果もあります。
私も一時期、美術の解説をしていた時期があり、その時は自分が成長しているなと猛烈に実感していました。なので、自分の実体験からも「教える」ことの重要性は明らかであると思います。

まとめ

私が本書「アウトプット大全」で得られた気付きを3つご紹介しました。

1つ目はインプットよりもアウトプットを重視しましょうということ。具体的にはアウトプット7に対してインプット3の割合で良い。インプットが少なくて不安に思う方もいるかも知れませんが、それをも遥かに上回るメリットがアウトプットにはあります。なので、少しずつでも良いのでアウトプットしていきましょう。

2つ目は読書の際は本のページに自分が大事だと思ったことや感想、気付きなどを積極的に書いていくことです。書くことで脳が活性化し記憶の定着が良くなります。1冊の本から3つの気づきが得られるよう意識して読むようにしましょう。

3つ目は「教える」ことの重要性。他人に教えることで自分も理解が深まり、その体験がエピソード記憶として更なる記憶の定着に貢献するのです。

TO DO

本書はアウトプットの本です。当然、本を読んでそこで終わりではありません。本書を読んで実際の行動に移さなければ元の木阿弥です。なので、実際の行動に繋げるために自分がしていくことを記しておきます。

①「読書感想」を発信する。インプットしたら即アウトプット。その繰り返しで自己成長できるので、読んだ本はなるべく感想を書くようにしていきます。

② 「美術検定2級」に挑戦します。美術検定とは一般社団法人美術検定協会が主催する美術に関する試験で、その範囲は多岐にわたり美術史の知識を問う問題から情報の活用方法を問う問題まであらゆる美術の能力が試されます。4級から1級まで難易度が上がっていくのですが、初めての受験でいきなり2級を狙いたいと思います。本書の勉強法でどこまでできるのか、今から楽しみです。

③「SNS」で発信する。今までSNSを使いこなしたことがなかったので、これを機にX(旧ツイッター)やNOTE、ブログなどを本気でやってみようと思います。

このように実際自分の行動を変えたらどうなるのか。1ヶ月後、半年後、1年後の自分が今から楽しみです。小さなことからコツコツと!継続は力なり!(←中学校時代の恩師の言葉)これを胸に日々頑張っていきます。

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