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#99 仲間だろ

サッカー日本代表専属シェフ・西芳照さん 
W杯5度目…こだわりは「ライブクッキング」「報道ステーション」
2022年11月14日放送分より


西さんから祝福の言葉に…
森保監督怒り「仲間だろ」

西さんへの感謝を込めて、今年3月、チームからプレゼントが贈られました。還暦のお祝い、真っ赤なコックコートです。

専属シェフになって18年。ひとたび遠征に出れば、平均睡眠時間5時間という厳しい環境のなかで、選手たちの健康を一生懸命預かってきました。

松岡さん:「色々なワールドカップ、色々な戦いを見てきて。一番大事にしなければいけないことは、なんでしょうか?」

西さん:「“同じ目標に向かって一つになる”ことが、やっぱり大事だなと思いますね。選手同士もそうですし、選手とスタッフ各々が目標に向かって一つになる」「森保監督から1回…試合に勝って、食事会場に戻ってきて、森保監督から『西さん勝ったよ!』って言われて。僕は『おめでとうございます』って言ったんですよ。そしたら森保監督、怒って。初めて怒ったんですね」

松岡さん:「怒られたんですか?」

西さん:「『西さん、おめでとうじゃないだろう。やったねとか、仲間だろ?』って。あの温厚な森保監督が怒りましたね、初めて」

松岡さん:「一緒に戦っているんだろう?って」

西さん:「そうですね。大事なことは、そこだと思いますね」

西さんは、ピッチには立ちません。でも、一つになって戦う「仲間」です。

赤いコックコートを贈られたあの日、日本代表は西さんの料理を食べて、オーストラリア戦に挑み、ワールドカップへの切符を手にしたのです。

森保監督は、試合終了直後に選手たちを集めてこう話しました。 

森保監督:「選手もスタッフも常に勝つために下を向かず、頑張ってきてくれた。結果が出て良かったと思う。我々を支えてくれて、環境づくりをしてくれた人がいる。その皆と、このW杯出場を喜ぼう、おめでとう!!」

宿舎へ戻ってきた選手たちには、喜びを伝えたい仲間が待っていました。

選手:「勝ちました!西さん、ありがとうございます」  


仕事には表舞台と裏舞台がある。
もちろん、注目されるのは表舞台。

しかし、いい仕事には必ず、裏舞台の存在が欠かせない。

仲間だろ
この言葉には、チームを組織する上で大事な要素が詰まっている。全員が当事者意識を持ち、事にあたれるかどうかで結果は変わる。

トップが裏舞台の存在をリスペクトするから、最前線で戦う人間もそこに感謝をする。

『西さん、おめでとうじゃないだろう。やったねとか、仲間だろ?』

勝った直後、咄嗟にそのような言葉が出るのは、本当にそう思っているから。

トップの姿勢が、チームの文化をつくる。

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