令和のライト兄弟 空を駆ける(part2)
モーターパラグライダーを体験した。体験するまで、モーターパラグライダーの浮く力は温められた砂浜の上昇気流だと思っていた。しかし、浮く力の大半は揚力だった。「揚力」、これは飛行機が飛ぶ仕組みの説明に出てくる力で、翼の断面図に気流が当たって(何だか知らないけれども)発生する上向きの力だ。翼の構造によって翼の上部を流れる空気が巻き上げられ、下部を流れる空気より密度が薄くなることにより、気圧差で浮く力だと認識している。
パラシュートが地面に拡げられた状態から、立ち上がる状態になるには、パラシュートの構造が、正面から受けた風を揚力に変換しているのである。モーターパラグライダーは正面から受ける風を自らが進むことでコントロールしている乗り物なのである。
エンジンのついたプロペラ、揚力を生み出す翼、これはまさにライト兄弟が1903年に行った世界初の有人動力飛行の構造そのものである。
モーターパラグライダーでは、Part1で推測をしたような地学現象を体験することは叶わなかったが、揚力という物理現象を体感することが出来た。また、実際にライセンスを取るには地形を見て上昇流が立ちやすい場所を選び、下降流を避ける「地面を見る力」が必要なようで、これは1日体験では学べないものだから、なかなか興味深い後味を遺してくれた体験だった。