【イラン旅行記】ヤズド(2日目)
砂漠都市ヤズド2日目です。今日はイランで勃興した現存する世界最古の宗教、ゾロアスター教の関連施設を見て回ります。
紀元前7世紀に起源を持つといわれているゾロアスター教はイランで始まり、アケメネス朝やサーサーン朝時代にはイランの国教だったのですが、イスラームがイランに来てからゾロアスター教徒は追い出されてインドにやって来たのです。
僕はゾロアスター教徒の多いインド西部ムンバイに住んでいて、なおかつ彼らが経営するイラーニーカフェの大ファンなので、ゾロアスター教に非常に興味あり!ヤズドがものすごく楽しみなのです。
朝7時半に起床しホテルで朝食を食べ、早速「沈黙の塔」に向かいます。こちらはかつてゾロアスター教の鳥葬が行われていた場所で、現在は遺跡となっています。市街地からは結構離れているのでSnappで向かいます。
オープンの8時ちょい過ぎに到着。入場料2,000,000リヤル(540円)を払い中へ。ゲストは僕だけ。
鳥葬が行われる塔は一番奥大小の2つあります。その前には鳥葬を行う人たち(ネササラー)たちの住居の遺跡などがあります。なんかよく分からんけど興味深いです。
いよいよお目当ての沈黙の塔へ。まずは右手の小さい方から。こちらは階段が整備されていて登りやすい。ちなみに沈黙の塔はネササラー以外は完全に立ち入り禁止で誰も登れない造りになっていたそうで、この階段は観光地されてから登りやすいように作られたそう。階段を登り切りいよいよ塔の内部へ。
おお〜!これがあの鳥葬が行われていた場所か!!これはインドでは絶対に見れないのでレア度高め。ここで遺体を地面と平行に置くとハゲワシが遺体を食べ、残った骨は真ん中の穴の中に入れ酸性の水で分解するとのこと。
ゾロアスター教徒は地球を汚すことを嫌うため、地面を汚す土葬、火を汚す火葬、水を汚す水葬を避けた結果鳥葬になったのだとか。ただ現在イランでは鳥葬は禁止されています。
猛暑の中もう一つの高い方の沈黙の塔はどうするべきか。どうせ作りは同じだし、登っても疲れるだけなのは目に見えているのだが...登りましょう!そこに沈黙の塔があるから!
こちらは高い上に階段もなし。自力で山を駆け上がります。気温は40℃。なかなかのハードモードですが、根性で塔に到着!
大して変わり映えはしません(笑)。分かりきってたことですが。でも山頂からの景色は良いのでオッケーとしましょう!
そこそこに体力も消耗したので一旦市街地に戻り、カフェでひと休憩。読んだ本で紹介されていた「Yazd Art House」へ。入り口がまさにアートハウスって感じです。このカフェは屋上から世界遺産に登録されているヤズド市街地の街並みが一望できると評判です。レモネードを注文し、早速景色を一望できる場所へ。
いいですね〜。同じ砂漠都市ということで、インドのジャイサルメールと構造が似ているなと。違いと言えばあちらは城砦で、こちらはモスクがあるというところ。どちらの都市もすごく好きです。
景色を堪能したらレモネードが到着。酷暑の疲れを柑橘系のフレッシュさが癒してくれます。眺望もいいですね〜。
カフェでゆっくりしていたら腹が減って来ました。時間は12時、昼食に向かいます。場所は昨夜見つけた「Amir Chaghmagh Complex」内のケバブ屋!カーペットの上で食べるペルシャスタイルと料理の安さに一目惚れしました。
メニューも色々あり悩みますが、ここはオーソドックスにクビデーケバブを注文。
ナンと玉ねぎ付きで到着。安いのでそこまで期待していたなかったのですが、中々美味そうな見た目をしています。ナンをちぎりケバブを挟んで一口..
.うまいっ!グリル焼きたての美味さもそうですし、クオリティもかなり高い。これまでレストランで食べて来たケバブのような高級感はないのですが、ケバブはこれぐらいがベストな気が僕はします。安くて美味いが最高。牛丼みたいなもんですね!
クビデー一本では足りないことに気づき、追加注文。気になっていたがちょっと怖くていけなかったレバーを注文。このクオリティならいけると踏みました!そして到着。
美味い!!レバーの苦味もしっかり残しつつ、バーベキュー感強めで食べやすい。かなり好きです!レバーとクビデーを交互に食べすすめていき、あっという間に完食しました。こりゃあ大満足!
さらに近くでアイスクリームを食べます。夏場のイランではスイーツが欠かせません!
コーンが上に乗っているソフトクリーム、たしか孤独のグルメでも見たぞ!(どの店かは忘れたが)。ひょっとしたらイラン発祥なのか?ともかくミルク感強めで美味しいです!
デザートを終え一旦ホテルへ。気温は43℃、さすがに暑すぎます。今夜のバスでシーラーズに向かうため既にチェックアウトは済ませており、部屋はなく外で休憩。するとイスファハーンから一緒だった中国人が「暑いだろ?俺の部屋おいでよ」と部屋に招いてくれました。いい人!!クーラーの効いた部屋でゆっくり涼ませてもらいます。
時刻は午後7時。夕食を食べに出かけます。出かける先はやはり「Amir Chaghmagh Complex」。今回はイランの伝統料理(?)を売りにしているレストランへ。未だ食べれていなかったイランの国民食ゴルメサブジーを注文!ゴルメサブジーとはハーブシチューで、中に豆やマトンなどが入っている伝統的家庭料理。意外と出しているお店が少なく、ようやく巡り合うことができました。
ライス、ナンと共に登場。かなりクセの強い見た目をしています。ご飯にかけて一口...おお、初めて食べる味です。確かに少し癖のあるシチューですが、美味い!3口目ぐらいから舌が慣れてきて、さらに美味しく感じます。ご飯も凄く進みます。中盤からは完全に無心で食べ続け、ご飯、ゴルメサブジー、ナン一枚完食しました!お腹いっぱいー
食事を終えいよいよヤズド最後の目的地。「Zoroastrian Fire Temple」です。こちらはゾロアスター教の寺院で、インドにもあるのですがゾロアスター教徒以外は入れない規則があります。しかも聖地ヤズドとあってテンションは爆上がりです。入場料2,000,000リヤル(520円)も痛くも痒くもありません!早速中へ
夜に来て正解だった。めちゃくちゃ美しい。そして神聖な雰囲気。ライトアップと池反射は黄金の組み合わせなり。池のほとりにはゾロアスター教のシンボル「プラヴァシ」の解説が。
これは物凄くニッチで個人的な話になってしまうのですが、僕が浅草の人力車でバイトをしていた時、僕の所属していた車夫チームがこの「プラヴァシ」という名前だったのです。うちの変わり者のリーダーが何故かこのプラヴァシの名前をつけたのですが、このチームが凄く楽しかったのです。そんなプラヴァシの起源の場所にやって来たなんて、感動しまくりです。
いよいよ寺院内へ入っていきます...
神聖なる炎が燃え続けています。これがゾロアスター教の御本尊です。この炎を拝むことからゾロアスター教は別名「拝火教」とも呼ばれています。ガラス板越しなのですが、炎の燃える匂いとその熱がこちらまで伝わってきます!想像以上に激しく燃えています。ちょっぴり汗をかくレベルです。
僕らは入れませんが、炎の両サイドにはゾロアスター教徒専用の部屋に椅子が並べられていて、恐らくここで祈りを捧げるのかと。僕の中で謎のままだったゾロアスター教が少し紐解けて来たようで、この内部が見れただけでも僕には十分入場料分の価値があります。
寺院はたったこの部屋だけの至ってシンプルな構造。寺院の隣に写真館があったのでそちらもチラリとお邪魔します。ゾロアスター教の文化や信仰対象などが学べます。
全て見終わり閉館時間の21時に退館。ヤズドの最後を締めくくる素晴らしい経験ができました。そしてこれから夜行バスに乗り、イラン旅行最後の目的地シーラーズに向かうのです...