【邦画】シコふんじゃった。(1992)
監督:周防正行
出演:本木雅弘、清水美砂、柄本明、竹中直人、田口浩正など
上映時間:1時間45分
周防正行監督作品「シコふんじゃった。」鑑賞しました。柄本明、竹中直人、田口浩正などのキャストは次回作「Shall We ダンス?」と同じ。調べてみると前作の「ファンシイダンス」も本木雅弘、竹中直人、田口浩正が出演しており、周防監督は同じキャストを重用する傾向にあるのだと知りました。確かに全員コメディにおいていい味を出しています。
教立大学4年生の山本秋平(本木雅弘)は根っからの遊び人で、スキューバサークルに所属してキャンパスライフを満喫しながら、親父のコネで大手企業への就職も決まっている。ある日卒業論文の担当の穴山教授(柄本明)が授業へ全く出席していない秋平を呼び出し、自らが顧問を務める相撲部の大会に出場すれば単位を与えると持ち掛ける。尻を丸出しにして相撲を取ることに嫌悪感を抱きつつも、一日だけだと大会に出ることを決意する。
相撲部には大学8年生の青木(竹中直人)のみが在籍している。大会出場には最低でも4人が必要になる。二人は田中(田口浩正)という太った男の勧誘に成功し、大学院生で相撲部マネージャーの川村夏子(清水美砂)は秋平の弟の春雄(宝井誠明)を連れてくる。なんとか出場はかなったものの、試合には一勝もできずに惨敗。試合後のOB会主催の食事会ではOB会長に侮辱される始末。カッとなった秋平はつい「勝ってお前らに謝罪させる」と言い、相撲部の活動を続行することに。
戦力増強の為に新たな部員探しに奔走する中、イギリス人留学生で元ラグビー部のスマイリー(ロバート・ホフマン)を、まわしの下にスパッツを履いていいことを条件に入部させる。春雄に惚れて、正子という巨体な女の子もマネージャーとして入部することに。
チャラい今風な大学生が相撲をするという時点でいいコメディになることが確約されている、いいコンセプトです。加えてコメディの天才・竹中直人がいるのでさらに笑いは増強されます。ストーリーは王道なのですが、王道の強さというのを感じます。
キャラクターも分かりやすくて良い。主人公は相撲という伝統的スポーツの真逆のような男で、長いこと在籍しているけど弱い青木、太っているが弱気な田中、女子人気の高い春雄、日本文化をバカにしている外国人のスマイリー、昔学生横綱だった顧問の穴山、春雄を一途に愛する太った女の子の正子、容姿端麗な大学院生のマネージャー、そして強いライバル校北東学院大学。いい映画のお手本のような設定です。
試合の流れもおもしろい!誰がどの試合に勝って負けるか。誰かが試合に出れなくなったり、出れるようになったり。本当にきれいなジェットコースタの曲線を描いています。おかげでしっかりおもしろい。
シーンを挙げると、ネタバレになるので言えませんが、後半のある場面での穴山顧問の叫びで爆笑しました。冷静沈着な穴山が急に大声を出して走り出すことや、ファインプレーっぷりや、彼の意地でも大会を続けるという意思など、いろんな要素が入り混じっていてめちゃくちゃ笑いました。柄本明大先生、さすがの芝居!!
「シコふんじゃった。」は相撲を題材にした優れたコメディ映画。キャラクター設定やストーリーもわかりやすく、王道の強さを改めて実感しました。