【邦画】万引き家族(2018)
監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、樹木希林など
上映時間:2時間
是枝監督作品「万引き家族」鑑賞しました。カンヌ国際映画祭にて最高賞のパルム・ドール賞を受賞した作品です。すげ~。
東京都心に暮らす5人家族の物語。家族構成は柴田治(リリー・フランキー)、妻の信代(安藤サクラ)、息子の祥太(城桧吏)、信代の妹の亜紀(松岡茉優)、治の母の初枝(樹木希林)の5人。家計は貧しく主な収入源は初枝の年金と、治&祥太の万引きからであった。ある日治と祥太が万引きを終え家に帰っていると、ある家の扉の隙間から1人で震えている幼い少女(佐々木みゆ)を見つけ、治は家に連れて帰ることに。彼女はゆりと名乗る女の子で、親から家庭内暴力を受けていた。かわいそうに思った信代はゆりを家に住まわせることに。ゆりは6人目の家族となった。
6人は貧しいながらも楽しい生活を送る。ゆりは治と祥太の万引きを手伝うようになる。ゆりの両親からの捜索届は出ていなかったが、2カ月がたったころ失踪事件としてテレビで放送される。そして彼女の名前が実は「じゅり」であったことが判明する。一家(特に信代)はゆりをかくまうことに決め、髪を切り新しい服を買い、名前も新たに「りん」と名付ける。
カンヌでも評されていたように、この映画はまさに私たちが見えていない世界の物語です。インドにいるとこのような暮らしをしている人との距離が近いのですが、日本などの先進国においてはあまり存在を知られていません。ただいないわけではないんです。南千住が作中で登場しましたが、あのエリアには実際に貧困層が住むエリアがあります。以前僕も浅草に住んでいたので、その実態を僅かながら目にしたことがあります。
そして何よりミステリーとして非常に優れた作品です。前半はスムーズに話が流れていきながらも随所に謎が散りばめられており、ある時点をきっかけにすべてが解明されていきます。その様は見事でした。それぞれのバックグラウンドはとても想像できるものではありませんでした。
役者陣が良かったです!特にリリー・フランキーと安藤サクラ夫妻。安藤サクラは特に下町特有の気の強い性格と子供を産めない悲壮感と愛の深さを共存させている複雑なキャラクターを見事に演じています。そしてリリー・フランキーを誘惑するシーン、マジでエロい。あの歳であの豊満ボディは堪りません。
あとスポット出演でしたが柄本明はさすがの存在感。たった一言なのですが、物語の転換ポイントとなる重要なセリフで、彼が言うことによって非常に重みがありました。まさに仕事人といった活躍。
「万引き家族」は日本の知られざる人々を描いた物語。社会問題にスポットを当てており、特にエンディングからは色々と考えさせられる。ミステリー映画としてもかなり優秀。