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【インド映画】PK(2014)

監督:ラジクマール・ヒラーニー
主演:アーミル・カーン、アヌシュカ・シャルマ、スシャント・シン・ラジプット、ボマン・イラーニー、サンジャイ・ダット(特別出演)、ランビール・カプール(特別出演)など
上映時間:2時間30分

タイトルのPKはヒンディー語で「酔っぱらい」という意味。
これは主人公の宇宙人(アーミル・カーン)が地球にやってきて意味不明な行動を繰り返すので、周りの人たちから「ピーケー(酔っぱらい)」と呼ばれるようになったことが由来。以後彼の名前代わりになる。

テーマは、宇宙人という地球外生命体の視点(完全フラットな視点)から、宗教について考えるというお話。
でも話の終盤でもピーケーが語るように、宗教自体を批判しているわけではなく、あくまでも人々の不安な心につけ込み金品を払わせる「宗教ビジネス」に対して一石を投じています。

まず特筆すべきはアーミル・カーンの宇宙人役の作りこみ。
人間が演じているのになぜあんなにも宇宙人に見えるのか不思議でなりません。
目、耳、口、肌など外見的要素もしかりですが、特に走り方がスゴイ。
実際に宇宙人がどんな走り方をするのかはもちろん知りませんが、なぜか「これぞ宇宙人の走り方だ!」と思ってしまう。すげぇ。。さすが「ミスター・パーフェクト」ことアーミル・カーン!
ピーケーのキャラクターの作りこみが間違いなくこの映画の土台になっています。

そしてキャストも豪華!
まず若き日のアヌシュカ・シャルマ&スシャント・シン。当時はどちらもまだ若手俳優。この二人がのちにインド映画界を代表する大スターになると思うと非常に感慨深かったです。

ボマン・イラーニーは安定の演技力。同じくラジクマール・ヒラーニー監督作の「きっと、うまくいく」でも重要かつコミカルな役を演じていましたが、今回もいい味出してました!

そしてサンジャイ・ダット。監督のラジクマール・ヒラーニーが敬愛して止まないんですよね~。二人のタッグ作「ムンナ・バーイ・シリーズ」も最強に面白いですし、その後「サンジュ」というサンジャイ・ダットの自伝映画もラジクマール・ヒラーニーが撮っています。

そして極めつけはランビール・カプール。最後にまさかの役回りで登場します。思わず笑っちゃいました。

作品自体はとにかくおもしろいの一言に尽きます。社会問題にコミカルな形で切り込んでいく、ラジクマール・ヒラーニーの真骨頂でした。
クライマックスはしっかり泣かせて、エンディングは再びコメディに。最高にキモチイイ構成です。

あとこの映画でも少しだけ「インド・パキスタン問題」について触れられていました。
この両国の因縁はみなさんが思っている以上に強く根深いです。
インドで俳優として活躍するならちゃんと理解しておかないといけないトピックだなと改めて思いました。

これも実は「きっと、うまくいく」並みに素晴らしい作品です!さすがラジクマール・ヒラーニー!おすすめです!

キーワードは「踊る車」。見てる人はわかるはず(笑)


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