【邦画】ゴジラ-1.0(2023)
監督:山崎貴
出演:神木隆之介、浜辺美波、安藤サクラ、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山田裕貴、青木崇高など
上映時間:2時間5分
「ゴジラ-1.0」鑑賞しました。去年日本で話題になっていて気になっていた作品。先日Amazon Prime Videoで公開になったので早速鑑賞。2023年度のアカデミー賞でキューブリック作「2001年宇宙の旅」以来の視覚効果賞を受賞。
第2次世界大戦中の1945年。特攻隊員の敷島浩一(神木隆之介)はゼロ戦の故障を偽り大戸島に不時着する。その晩大戸島に「呉爾羅(ゴジラ)」と呼ばれる全長約15メートルの巨大怪獣が姿を現した。ゴジラは大戸島の基地を襲撃する。敷島は整備兵の橘(青木崇高)にゼロ戦に乗り込み20ミリ砲でゴジラを撃つように懇願されるが、恐怖で手が震え銃を撃つことができない。結果大戸島の兵は敷島と橘を除き全員死んでしまった。
戦争が終わり敷島は東京に戻るも、隣家の太田(安藤サクラ)に罵倒され、敷島の両親が亡くなったことも知らされる。彼らに「生きて帰ってこい」と言われたのを胸に戦争から戻ってきた敷島は行き場を失う。敷島が闇市にいると万引きを働いて逃げる一人の女性が、敷島に赤ん坊を預けて逃げて行った。彼女の名は典子(浜辺美波)。生活に困窮していた彼女は敷島の人の良さを見抜き、赤ん坊の明子と共に彼の家に居候することに。
敷島は自分と彼女たちの生活の安定のために、米軍が日本に残した機雷の撤去という危険度の高い仕事に就く。職場の特設掃海艇には艇長の秋津(佐々木蔵之介)、乗組員の水島(山田裕貴)、元技術士官の野田(吉岡秀隆)がいる。ゼロ戦で銃の取り扱いに慣れている敷島はすぐに仕事に慣れ、彼と典子らの生活は安定していく。秋津らは敷島に典子と結婚するように促すが、敷島は「俺の戦争が終わっていない」と結婚に踏み切れない。
そんなある日再びゴジラが東京を襲う。標的の銀座には典子がいた。敷島はラジオでその状況を知り典子を救うために銀座へ向かう。逃げ行く人々の中で敷島は典子を見つけ共に逃げる。しかしゴジラは熱線を発射。その余波で典子は飛んでいってしまった。典子を失い悲しみに暮れる敷島は今度こそ宿命の敵であるゴジラの撃退を決意する。
主人公の境遇が、同じく山崎監督作の「永遠の0」と実に似ています。「永遠の0」から10年が経ち、その時代の流れを感じさせるようなエンディングに感動しました。落としどころが見事です。最後の最後は「その展開はない方がいいんじゃないか・・・」なんて思いつつも泣いていました(笑)
物語の主軸は敷島vsゴジラにあるので、恋愛要素の入れこみ方が難しくなるのですが、そこのバランスがすごくいいです。敷島と典子、互いに恋愛感情を覗かせるシーンはほぼありません。最後もハッキリとした描写はありません。物語の主軸を邪魔せずに、恋愛要素がいい味付けになっています。
役者陣はみな素晴らしいです。安藤サクラは役の幅が広い。「ブラッシュアップライフ」では飄々としたキャラクターを演じ、今作では少し嫌みのあるキャラクター。戦後という時代への順応も流石だなと。特に明子が敷島から預かった手紙を彼女に渡すシーンの表現は痺れました。感情を前面に押し出したくなるあの場面で、あの引き出しがあるのは恐るべしです。
佐々木蔵之介もカッコよかったです。後半部は彼の言葉でグッとくる場面が幾度となくあります。「Always三丁目の夕日」の社長もしかり、不器用だけど人情に篤いキャラクターには胸が熱くなってしまいます。吉岡秀隆も彼にしか演じられないキャラクターで良かったです。
映像に関してはやっぱ映画館で観ないとわからないな~と。絶対に凄いと思います。ノーマルでもゴジラが熱線を放つシーンは大迫力です。
「ゴジラ-1.0」はゴジラが戦後の日本に登場する話。戦争に敗れ「0」になった状態でゴジラが襲撃するという意味で「-1.0」になったそうです。ストーリーも優れており、何より役者陣の好演が光ります。