アポ19:夢探しよりも、自分探しよりも、かっこわるい自分を好きになること。
夢探しや、自分探しをしていた時、私はすこぶるうまくいかなかった。うまくいかなすぎて、心理的にもやられてしまい、引きこもりになってしまった時期がある。
ただ、それは病気でもなんでもなく、
自分の物事の捉え方に解決のヒントがあったので、
今日はそれをご紹介していきたい。少しでも心が軽くなる人が増えたら嬉しい。
少し長くなるが、私の人生を変えた一大イベントなので、
ご容赦いただけたら幸いである。
急にやる気がなくなったのは、会社とダブルワークしながらビジネスを立ち上げていた時のこと、
まずは自分の創業メンバーを集めようと走り回っていたが、
一緒にやろう!となっては、継続できる人がおらず、次々にやめていった。
毎日のように失敗の連続である。
その度に自分にかけていた言葉は、
「なんでうまくいかないんだろう」
「自分ならもっとできるはず!」
だった。
ただ、これを2年も繰り返していると、
さすがに心が折れてきて、
「自分はダメな奴なんじゃないか?」や、
「自分は能力がないんじゃないか?」や、
周りのうまくいっている人を見て、
「もっとうまくいく方法があるのではないか?」
「自分は向いてないのでは?」
など心の中でつぶやいていた。
そして、それを繰り返しながら、
自分の決め事を一つ外した時に、
「ぷつん」と糸が切れたように、ある日突然全くやる気が起きなくなってしまった。
そこからは、人と会う回数は減って、家にいることが多くなった。
会社の仕事はなにも考えなくていいから、指示のあるままに仕事をしていたので、逆に心は楽だったが、
仕事が終わって会社から一歩外に出ると、
今まで会ってたように人と会うのは面倒くさくなり、
家に帰らず、ひたすら散歩をして、
18:00に会社を出たのに、22:00ごろに家に帰るという生活をしていた。
歩きながら自問自答して、
自分のやる気が続くような ”やりたいこと” や ”好きなこと” が見つかれば解決できるのではないかと、やりたいこと探しや自分探しに想いをめぐらせていた。
ただ、これを1〜2年近く繰り返していただろうか。
やりたいと思いついたことを試してみても長続きせず、
また自分が好きだと思ったことを探して試しては長続きせず、
それを繰り返す度にますます自信を失って、
自分は一つのことも継続できない人間なのか、価値のない人間なのではないか?と思い始め、
より、家に閉じこもりがちになった。
「何をやってもだめで、価値を提供していない人間が、何のために生きているのか?」
「生きるってなんなのか?」
そんなことまで考えるようになり、なぜだか動く気力すらなくしてしまい、
当時住んでいた、両手を広げたらいっぱいになってしまう一畳の部屋に大の字に仰向けになり、
天井のライトを一点に見つめめていると涙があふれてきたのを覚えている。
ただ、唯一救われたのは、
当時の彼女である今の妻がそんなのお構いなしに、
横で今日あった話を楽しそうにケラケラ笑いながら話していたことだ。
自分は深刻になっていたが、
彼女の話を聞いていたら、
考えることすら馬鹿らしくなって、もはやどうでもよくなった。
正直唯一の救いであった。
そして、私の人生を大きく変えるきっかけになったのは、
まさにこんな最悪の時期に、経営の大先輩から聞いたお話だった。
その方は大豪邸に住まれていて、マンションの中のエレベーターを降りた階にエントランスが初めて出現し、またエレベーターに乗っていくような超高級マンションに住まれていたような大成功者だった。
私と同じように、先に創業メンバー探しからはじめて、起業された方である。
私の少し先を走る先輩が、
その方にお時間もらったからついてこいと誘ってくれたので、断る理由もなく、ありがとうございますと言って、気分転換がてら何の質問したらよいかも思い浮かばないまま、金魚のふんみたいについていった。
玄関のチャイムを鳴らすと、
「ようこそ!よく来たね!」と、
ワンちゃん!来い!と両手を広げて待っている飼い主かと言わんばかりの笑顔でお出迎えいただき、そのウェルカム感に、緊張は一気にほころんだ。
まるで美術館に迷い込んだんではないかと思えるような、初めて見るようなセンスの良い家具と間接照明の廊下を抜けると、席を案内された。
「最近どうだい?^^なんでも聞いてね!」
この人になら、もはやヤケクソで、プライドを捨てて全て打ち明けてみてもいいのではないかと思い、自分がうまくいってないこと、人生で最低の状況にあること、何から何まで話してみた。
大先輩は、真剣にうなづきながら、
「そうかー!あるよなー!おもれあったわー!笑」
あっけらかんとそう言われて、私は面食らった。
こんなつらい体験しているのは自分だけだと思っていたのに、目の前の大成功者がまさに同じ経験をされているなんて、信じられなかった。
ただ、話を聞いていくうちに、本当にそういう時期があったことが本当なんだということがわかってきた。
私は椅子から乗り出しながら、
「どうやってその時期を乗り越えてこられたんですか?」
自分の状況をどうにかしたくて、願望のままに口から質問が出ていた。
「そうだなー、まずね、おれね、どうしようもない面倒くさがりなんだよなー。本当にしょうもない人間。あとね、当時は知識がとにかく無さすぎたから、借金してでも毎月20冊は本買うことにして、読まなきゃいけない仕組み作って読んだんだよなー!特にね、こういう本とか、こういう本とか、、、」
目の前の大成功者が自分はどうしようもないやつと言いながら、たくさんの努力をしてる話をその後の時間、たくさんうかがった。
そして、その努力量に驚きを隠せなかった。
そして、ハッとした。
自分は努力してるようで、してなかったこと。
自分がやる気を継続できる夢が存在するのではなく、
本当はどんな夢でもいいこと。
やる気が継続していないのは、自分のかっこ悪い今の実力(現在地)を見るのが嫌で、”夢を探しているんだ”と、かっこいい言い方をしながら、自分が目的地を変えてばかりいたからだということ。
そして、それは今の自分を変えることなく、
うまくいく楽な方法を探して、現在地を見ることを避け、
努力することから逃げていたのだということ。
私はかっこ悪い自分が嫌いだったということ。
それを認めるのが嫌だったから、”もっとできるはずだ!こんなはずじゃない!次はうまくいくはずだ!”と言って、今の自分の実力を認めることを避けて努力から逃げていたこと。
そして、それを他人にも悟られたくないから、それを無意識のうちに隠して、ビジョンっぽいものを語って自分を大きく見せようとしていたこと。
それと打って変わって、目の前の大成功者は、
例えかっこ悪い自分でも、それが自分だとフラットに認めていたこと。むしろその自分すら好きですと思っていそうに見えたこと。
今の自分の実力(現在地)をまっすぐに受け止めているから、ゴールまでにやらなければならないことが明確になっていたこと。
色なことが頭の中をめぐりながら、
”今のかっこ悪い自分を受け入れると、努力しなければならないことが、腐るほど出てくる。
でも、それを全部やると覚悟したから、目の前の方は、大成功者に変わったのだな、、、。”
そう心の中でつぶやいていると、整理がついてきて、
「決めた!」
そのとき、私の腹は決まった。
「今の自分はしょうもないやつだ。実力もない。
でも、成功したい気持ちは変わらない。
しょうもない凡人が、成功するモデルになればいいんだ。
そうやって成功した人が目の前にいる。」
そう決めたら、現在地が定まって、
ゴールまでにある、やるべきことがうんざりするほど出てきた。
でも不思議と、うんざりするほどのタスク量を目の前に、やることがあるというのは幸せだなと思った。
それまでは気持ちで解決しようとして、何もせず、
頭の中だけの世界でぐるぐるしていたからである。
自分の気持ちが上がるような夢さえあれば、と思って、
自分が成功するかしないかの責任を夢に依存していた。
そして、叶えられそうな夢が見つかれば気分が上がり、
無理そうと思えば、気分が下がって行動も止まって結局何も動いてなかった。
ただ、現在地を認め、そのタスクをやりきると腹を決めてからは、全く変わった。
成功するかしないかが、
自分が目の前のタスクをやるかやらないか、
という管理下にある。
成功するかしないかの責任が自分の管理下にあるのだ。
そこから、不器用ではあるが一つずつ成功に必要なタスクをこなし、今はだいぶ自信がついてきて、創業仲間のチームづくりもできてきたし、ありがたいことにたくさんの応援者の方にも恵まれてきた。起業することもでき、さらにたくさんの事業にチャレンジしていくところだ。
”今の自分が好きですか?”
今は、その質問にいつもYESと答えられる。
あの最悪の時期を通して、自分の心のクセに向き合えたからだ。
あの時、考え方を教えてくれた大先輩や、
側で支えてくれた妻や、
色々思うところがありながら私をつれていってくれた先輩、
応援くださる方々に本当に感謝である。
今の自分を好きになれると、
きっと物事が進んでいくと信じている。
この経験が少しでも誰かの役に立ったら嬉しい。
長文お付き合いいただき、ありがとうございます。
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