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寒い日に ①

 寒い日に雪の花という映画をみたら降りしきる雪のなか峠を越えてゆき倒れるシーンがあった。シネコンの文具屋さんで色鉛筆を買って雪の絵を描こうとしていた矢先だ。自分にも絵の道を考えていたことを思い出して寒い日にわざわざ画材を探していたのに、ふらりとシアターに迷い込んで、周りの切られないスマホのマナーモードの着信音が響くなか、あんまり寒くないシートに座って永久に続きそうな予告編をやり過ごしながら、さっき電車で前に立っていた若い女性は妊婦さんなのか、そういう体型なのか春夏装なら間違えないだろうけどAラインの短いコートで、どちらにしても譲っておけば間違いはないとはならない話で、間違えれば確実に気まずい、だから譲らずにすぐ降りた。寒い日だった。雪の絵はやっぱりうまく描けない。なぜ急に絵なのか、うまく描きたいのか。それを語れば400字で終わらないし、着地を決める自信もない寒い日。節分はもう目前なのに。

400字

 サイゼについて調べていたらある市町村名が浮かび上がり、そこの文化会館の作品展に知っている人が出展することがわかりました。ずいぶん前に同じサークルにいた人で、まだ続けていたとは。環境に恵まれているのか、努力の人なのか、いや、単に私がヘタレなのか。懐かしく苦い思いが胸に広がる寒い日でした。

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