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誤字審査 #雪が降る編

雪が降る。
ふりがなをつけて!
(ゆき)(ふ)
ヨシ。今度は、ゆきがふるを、漢字で書いてごらん。どうしたの。今やったばかりでしょう? しょうがないねえ、雪だけでいいよ。
もう! なにやってんだ、それは雨! 
雨の三画目はカギをハネるけど雨冠は横一を斜め左下にハネるんだからね? ホラ違うよ。活字じゃないんだ、無表情な目つきしてんなよ、テン、テン、テン、テン、と。窓を打ちつける雫のように! もういっかい! ヨはね、間違っても右につき出すなよ? 酒の銘柄じゃないんだから。あんたの出来損ないオヤジがラッパ飲みしてたビンのラベルは忘れろ!

「雪ちゃんは漢字の小テストは毎回完璧です」
「しかも硬筆上級者ですね」
「ただ、氏名欄が雪の字の下の部分の「ヨ」がいつも英大文字「E」になっていて」

 何かのメッセージだろうか? 下がEの字?そこまで考え教師は口をつぐんだ。氏名は姓が母親の旧姓に変わっていたからそこはあまり触れないようにしていたのだ。


410字


部首のヨはいのこの頭で、虐のEはツメを表すそうです。誤字診察ですね?


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