黒柴的パンセ #44

黒柴が経験した中小ソフトハウスでの出来事 #29

ここでは、中小ソフトハウスで勤務していく中で、起こったこと、その時何を考え、また今は何を考えているかを述べていく。

「特定分野のノウハウを持っていると思われて、評価額が高いそうですよ」
これは、先日自分のボスとの会話の中で出てきた話しである。

先日、ネットの記事に、昨今中小企業が事業継承者の不足により、廃業、またはM&Aが進んでいるという記事が載っていた。
そんな中、自社も事業継承者をきちんと決められず、さりとて現状の役員層もそろそろリタイアを決めこみたいということで、水面下でバタバタと動き回っているらしい。
黒柴は、パンセ#14、#15あたりで書いたように、明確な経営ビジョンをしめすことなく、現行踏襲を続けている今の役員にはかなり呆れているので、
きちんと経営の方向性が示せる状態になるなら、経営層が一新されるのもやぶさかではないと思っている。

ただ、このM&Aは、順調には進んでいないようだ。そのときの黒柴のボスとの会話で出てきたのが、冒頭の話しである。
自社は、マーケティングのニッチな分野を得意とする企業として、世間に喧伝しており、これは自社のホームページにも記載している。そのため、そのニッチな分野に関して、ノウハウがあると思われているとのことだった。
そのほかにも、30年近い経営実績があることや、大手SIerと直接取引する窓口を持っていることが評価されて、企業としての評価額が高額になってしまっているらしい。
そのため、そのニッチな分野のノウハウを欲しいと思っている企業もいるにはいるのだが、あまりに高額な評価額のためM&Aに二の足を踏んでいるとのことだった。

そのとき、黒柴とボスは、「自社にノウハウなんか無いのになぁ」と同じことを思っていた。
ここで「ノウハウ」ということについて、考えてみたい。パンセではよく取り上げている「言葉の定義」である。
とりあえず、「ノウハウ」について、ChatGPTさんに聞いてみた。

ビジネスにおける「ノウハウ」とは、特定の業務や活動を効果的に遂行するための実践的な知識や技術、手法、経験を指します。これは、理論的な知識だけでなく、実際の業務経験や習慣を通じて得られる暗黙の知識も含まれます。
(中略)
ビジネスにおいて、このようなノウハウは企業の競争優位性を高める重要な資産となり得ます。

ビジネスにおける「ノウハウ」の定義を教えてください。

基本的な定義だと思う。ただ、黒柴もボスも、「ノウハウ」は自社にはないと思っていると書いた。これは、「なぜ」なのだろうか?
もう一つ、「ノウハウ」と似たような言葉で、「ナレッジ」という言葉がある。これについても、ChatGPTさんに聞いてみた。

ビジネスにおける「ナレッジ」とは、企業や個人が持つ知識や情報を体系的に集約し、共有・活用するための概念や手法を指します。ナレッジには、専門的な知識、業界の知見、業務に関するデータや情報、過去の成功や失敗の事例など、幅広い内容が含まれます。
(中略)
ナレッジは、組織のパフォーマンス向上やイノベーションの推進において重要な役割を果たします。そのため、企業は「ナレッジマネジメント」と呼ばれる手法を用いて、これらの知識を効果的に収集・整理・共有し、活用する仕組みを構築することが求められています。

では、ビジネスにおける「ナレッジ」の定義を教えてください。

ここで少し気になる点が出てくる。『企業や個人が持つ知識や情報を体系的に集約し』という部分だ。すなわち、知識や情報には「個人」が持つものと、「企業」が持つものの2種類があるということだ。
ボスや黒柴が思う「自社にはノウハウがない」というのは、「個人が持つノウハウが企業が持つノウハウとして集約されていない。ナレッジとして活用できない状態にある。」ということである。

では、なぜ「企業としてのノウハウがないのか?」ということを次回述べていきたい。

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